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流記屋
2024年4月3日 11:01
現在、辻政信氏の理想形成と東亜連盟への参加の経緯を、『亜細亜の共感』から追っています。私は、辻氏の文章を読み、若い彼が世界の実像を見るにつれ、故国を構成する人々への不信感と、宣伝を鵜呑みにして悪印象を抱いていた敵国(中国)人への見直しとが、その心中で積み重なっていったらしいことを感じとりました。その後、辻氏は昭和8年の「新疆省方面のソ連の進出状況を視察する計画」というものに
2024年4月2日 10:00
辻氏が東亜連盟の理想実現に意欲を燃やすようになるまでの道のりには、中国人を見直すような機会と、日本人に失望するような機会があったようです。故国から唾棄され、敵国から礼を尽くされた上官林連隊長の死から視野を狭くした辻氏に、中国人への敵意を考え直すきっかけを与えたのは、空閑少佐という方だったそうです。ここでは、武人としての恥辱と責務との葛藤に苛まれている上官への惻隠と、そんな
2024年3月30日 10:00
『亜細亜の共感』は1950年、戦犯指定解除後に、立て続けに出版した本の中の一冊です。発行者(出版社)は佐藤勝郎氏。辻氏の、士官学校時代に教え子だった方です。今回は、辻氏が東亜連盟の一員となった経緯を探っていきたいと思います。辻氏の回想によれば、初陣前、陸軍歩兵少尉を任じられたばかりの当初は、「中国」を外国として敵視していたそうです。それは当時の日本の風潮であり、メディ