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貴羽るきの詩

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詩です。
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2018年4月の記事一覧

坂の町で

なんども同じひとを好きになって
思いだす
血の色
赤やみどりの
葉脈をたどって生まれた
言葉たち
見捨てられたのは季節ではなく私だった
いちども眠ったことがないみたいに言うから
その唇の乾いたかんじ
私はいつまでも見てしまう
荷物が増えていく
私は次第に痩せて
さいごに海が遺される
海を焼いてあなたは
しょっぱい、と少し笑う

20180407