ほぼミリしらの人が下調べゼロで「スパイダーマンノーウェイホーム」を見てきた感想
こんにちは、るきです。
私はマーベル作品をほとんど知らなくて(「マーベル作品」というくくり方がそもそも合っているかの自信もない)一度アベンジャーズをお家で見せてもらったものの、話の内容は正直よく分からず、ヒーローたちの顔と名前がそれなりに一致する程度の知識でした。今作がとってもTwitterで評判が良かったので、なんとなく見に行ったという次第です。評判通り面白かったです!
ネタバレ含みの内容に入る前に、私と同じようにこれまでの作品をほとんど見たことがなくて、スパイダーマンを見に行くか悩んでいる方へ言葉をかけるとすれば、「興味を持ったのであれば劇場に足を運んでみては」とお伝えしたいです。今作だけでも(もちろんファンの方が味わった感動の半分にも満たないであろうとは思いますが)話の内容を理解することはできました。また、あとでレンタルなどで見ることができたとしても、オンタイムで劇場で見たという経験は後から自分の財産になることが多いと15年ばかしのオタク生活において感じることが多いので……
以下、ネタバレ何も考えずに書くのでまだ見にいかれていない方はご注意ください。
たぶんアレですよね、東映のスーパーヒーロー大戦的な胸アツ展開系だったんですよね……!?ここから過去作を遡ってみるのもきっと楽しいだろうなと思いつつ、ピーターの結末を知りながらMJとネッドとの友情が育まれていくのを追っていくのはあまりにしんどいし、他のスパイダーマンたちの今の気持ちを聞いた上でその経緯をありありと目の前で見るのもかなり辛そう。知らなかったから仕方ないとはいえ、私はなんてことをしてしまったんだ…???(^o^)
見てから2日経って振り返ってみると、一番印象的だったのはとにかく映像が綺麗でアクションがとってもスムーズだったこと!(こういう感想になるのは、私がふだん実写アクションものを見ないからかもしれません。)スパイダーマンの特性上、アクションがとても激しいし天地がめまぐるしく入れ替わるのに、疾走感と爽快感はありながら全然酔わない。スゴイ。音も劇場なので当然ハデなのですが、うるさく感じない!この手の映画ではすぐ頭が痛くなるタイプなのですが、全く不快感がありませんでした。
悪役が複数出てきても覚えられたし、初見でも登場人物がこんがらかることもなく、困ることなく見られました。今までの作品を知らないので、当然わからない言葉もいろいろあったもの(スパイダーマンが殺しちゃったとされるミステリオって誰……ってずっと思ってました笑 きっと前作の方なんですね?)の2時間半の映画を楽しんでみることができました。
ストーリーに関してまず記憶に残ったのは、ピーターの精神的な成長。はじめは「過去をなかったことにしたい……でもやっぱり恋人には忘れられたくない、あ、やっぱり親友も」と大変に優柔不断で、ティーンエイジャーらしく自分に都合のいい展開を望んでいたピーターが、最後には(おそらく、メイおばさんの「大いなる力には大いなる責任を伴う」の言葉に従って)全員から忘れられることを受け入れるシーンは、なんともグッとくるものがありました……これまでの彼の経緯を知っている方は、ユニバースを包み込むくらいのクソデカ感情に飲まれたであろうと想像します。
この「ティーンエイジャーらしさ」の表現が丁寧で上手ですよね。スパイダーマンとしてはキレキレの動きで、まさにヒーローらしい超越した強さがあるのに、中身の成長は年齢なり。いくら強い自責の念に駆られていたとはいえ、大学に直談判することもなく、年上かつ偏屈者であるドクターストレンジにいきなり無茶苦茶なことを頼み込みに行けてしまう。その無鉄砲さと短絡的な発想が高校生らしくて良かった。オジさんオバさんはきっとこの手の無茶は身に覚えがあるはず(黒歴史)。ピーターにとって不幸だったのは、普通では叶えられない「過去を無かったことにしたい」という願いをやってのけてしまう、魔術師が知り合いにいたことですね……
そして、3人のスパイダーマンが集まるところがすごく面白い。マルチバース(並行世界、みたいな意味でいいだろうか?)で似た経験をしながら、皆それぞれが自分の世界で孤独に戦ってきていたのが、はじめてチームでたくさんの悪役たちと立ち向かう絵面は、過去作を知らない身でもすごくワクワクしました。また世間から汚名を着せられ、良き理解者であったメイおばさんを失くし、ピーターが一人ぼっちになってしまっても、親友と恋人が身の危険をかえりみずに全力で助けに来てくれるところは胸がアツくなりました(MJなんて特殊能力は何もないのに、最前線まで助けにきてくれるのすごい)。その分、最後のお別れが非常に辛いものになったわけですが……
記憶を失う前は「絶対思い出す」って言ってくれたところで、結局それは叶いようはないと大人なら想像がついてしまいますが、ピーターは「きっとまた友情は取り戻せる」という夢をドーナツ屋に入ってMJと話すまでは、まだ持っていたわけですよね。なんかその感覚も、若い頃にはあったなぁ、としみじみしてしまいました。(「引っ越したあとも文通しようね!」みたいなやつ。それが実現されることはそうそうない。)
このあとはこれまで以上に蛇足的な内容なのですが
見ていて最も疑問だったのは、ピーターも他のメンバーもやたら科学(?)に強くて、他の世界の怪人たちが治せず困っていたような症状もアイテム1つで解決。それも短期間で作り上げていると言うのは一体どういう設定なのか……??いくらMITに入学できるほどの実力者だとしても、あまりにオーバーテクノロジーすぎやしないか……??それはそういうもの?
メイおばさんの言っていた「大いなる力には大いなる責任が伴う」によってスパイダーマンであるピーターパーカーは友人と恋人と共に過ごしてきた時間その他たくさんの人との人間関係を失ったことになったわけですが、その点で行くとドクターストレンジも相当な力を持っていてしかも屋外でも独断でバンバンその力を使っていることを思うと、その理屈で行く次回作は一体どんな目に遭ってしまうのか非常に不安でならないです。
ただ、すごく面白いものを見たという感覚はするものの、自分の奥底が動くような感じがあんまり感じられず……これは完全に自分語りになってしまうのですが、人間関係の深掘りや個人の成長よりも、現実とは違う世界の理(ことわり)や価値観を理解していく過程が好きなので、そのへんがないと「ンンンンッ!」とはならないようです。
※ちなみにそういう意味で好きな作品はワールドトリガー、ファイアーエムブレム風花雪月、ファイナルファンタジーⅩなど。
とかなんとか言いましたが、「日本の作品では得られない、マーベルにしかない栄養素があるな」というのは知ることができたので、他の作品もツタって見ていきたいです。
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