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今ようやくの、特別展「琉球」 ー東京国立博物館
上野の東京国立博物館で開催中の「琉球」展。
展覧会を見て改めて、沖縄の地に琉球王国が400年存在していたことを強烈に実感しました。
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そして、沖縄へ実際に行った時よりも、こうして展覧会で圧縮編集されたのを見る方が、「琉球」の実在をより感じることに驚いています。
明治の琉球処分や第2次大戦を経て、沖縄復帰50年が経ってようやく「琉球国」の展覧会が、国立博物館で開催できることになったのか。とも思いました。
展示の内容からは「位置や風土がその国の国風をつくる」ことがよくわかって、琉球という国が中国と日本(やまと)の風を両方から受けつつも、独自のものとしての国ぶりを発酵させてきたことが随所に見えました。
夏の絹織物の紋紗に紅型で染められた中国風全開の鳳凰の文様は、左右対称。衣のカタチは着物と一緒だけれど王家の衣装の文様は中国風です。
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(琉球王国尚家関係資料)
第二尚氏時代18-19世紀 紋紗(絹)、紅型
国宝の王家の宝刀も見事でしたが、刀の柄は戦うには短くて、この国が東シナ海の周辺国との交易で成り立っていたことを伝えていました。
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(琉球国王尚家関係資料)
刀身(室町時代 16世紀)拵(第二尚氏時代16-17世紀)
花織の芭蕉布に紅花で染めた緋色の着物。
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(琉球国王尚家関係資料)
第二尚氏時代18-19世紀 芭蕉、花織
さきほどの紋紗の着物の一部拡大。紋紗の地模様がわかります。そして紅型の色は表裏がぴったり同じになるように描かれています。
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(琉球王国尚家関係資料)
第二尚氏時代18-19世紀 紋紗(絹)、紅型
国内各地から税として納めさせる布の格子柄や絣柄を指示するための見本図帳。
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(琉球王国尚家関係資料)
第二尚氏時代18-19世紀
錫製の酒器のまわりをガラス玉で覆ったものには、尚家の家紋である左三つ巴(ヒジャイグムン)が施されていました。
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(琉球王国尚家関係資料)
第二尚氏時代18-19世紀
それから、カメラに撮れませんでしたが、今回の展示で意外なものが見れて特に印象に残ったのが、1500年(弘治13年:*日本ではなく明の元号)に朝鮮国王から琉球国王へ送られた国書。
「遭難して朝鮮に流れ着いた琉球人を送還する」という内容で、こんな端正な漢字を見たことがないという程、文字の姿も大きさも間隔も非の打ち所がないくらい整っていて美しい。
不幸にして亡くなった人への言及を含めて、本当に字そのものが美しくて。。
韓流ドラマに出てくる李氏朝鮮時代の文人官僚の、当時のレベル感を思い知らされました。
キレッキレッです。本当に。
同じ頃、日本は戦国時代。
国書をはじめ公式文書については、日本も楷書ですので、直接の比較にはならないのですが、日本の文字は平安時代から伝統的にくずし字の美しさが競われましたが、中国と陸続きの半島では中国の漢字を「崩す」ということは考えられなかったのかもしれない。と。そんなことを考えました。
一方、琉球の公文書の文字は楷書でしたが、『おもろさうし』がくずし字で書かれていたのが興味深かったです。
そんな訳で、ギリギリになってしまったけれど、観に行ってよかったです。
■おまけ
今日はずっと曇り空の一日で、単の着物が気持ちよく、先日手に入れたMIU MIUのタンブラーを持っているのが嬉しくて、ゆりの木の下のベンチで思わずパチリ。
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