『ラストエンペラー』 動き続ける(生きている)ホモ・サピエンス
年の瀬が近づいて来たためか、家人が坂本龍一のこのCDを取り出して来ました。
『戦場のメリークリスマス』は観ていないのですが、有名なあの曲と一緒に『ラストエンペラー』のサウンドトラックも入っていて、映画の映像をを思い出します。
清国の最後の皇帝、愛新覚羅溥儀(あいしんかくら ふぎ)は清国が滅亡したあと、満州国の執政そして皇帝になりますが、満州と呼ばれた地域は、ユーラシア大陸の東の突き当たり。
このあたりはかつて(紀元前3世紀ごろ)夫餘(ふよ)や匈奴(きょうど)や鮮卑(せんぴ)が興った地でした。
吉川弘文館の「世界史年表・地図」の年表に
という記述があります。
夫餘に阻まれ、大陸の東の突き当たりへは行けなかった匈奴は、踵を返すように西へ向かい、彼らが居なくなった地に鮮卑が起こりました。
かつて居た場所に鮮卑が興ったために匈奴は西へ行くしか道がなくなり「フン族」と呼ばれるようになりました。彼らの移動はユーラシア大陸の民族の移動の玉突きを引き起こし、5世紀にはイベリア半島の西端に達しました。
悠久の時間のなかの一年一年の変化は掴みにくいのですが、大きく時間軸を広げると、大きな大陸を縦横無尽に人間が移動したり衝突したりしてきたことがダイナミックに迫ってきます。
おそらく「今」もそうなのでしょう。
1616年に生まれ1912年に滅亡。300年続いた「清」のラストエンペラーが亡くなったのは1967年。私ももう生まれていました。
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