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営業出身の人が起業で成功しやすい本当の意味

こんにちは。
倉地類人です。

僕は住宅営業出身の
起業家です。

僕と同じ仕事を
していた仲間は、
今ではたくさんの人が
独立し、そして
成功している人が多いです。

営業出身の人は
起業しても
成功しやすいのでしょうか?

これ、半分あっていて、
半分間違っている
ことだと思うんですよね。

そこで今日は、

なぜ営業出身者の人が
起業で成功しやすいのか?
その本当の意味について、

最近、話した営業マンとの
エピソードをもとに
話してみたいと思います。

ちょっと前に僕は
自分の車の査定を数社に
お願いしました。

一年で1500キロしか
乗っておらず、
持ってても
意味ないんじゃないかと
思ったのと、
純粋に僕の車が
どれくらいの価値があるかを
知りたかったためです。

なので適当にネットで、
一括査定サービスに
申し込んでみると、
なんと2秒後に
電話がかかってきました。

なんかシステム
組んであるんですかね(笑)

それも3社同時。

しかも3社とも
これから出張見積もりに
来るというんですよ。

よっぽど車が
ないんですかね、今。

するとA車は僕の車を
100円で買い取りますと
言いました。

(ここではわかりやすく
100円にしますね。)

するとB社は、
A社の値段を聞き、

「店長を相談しますから
待ってください!」

と言うと、電話をかけ、
その後、こう言いました。

「店長からの許可が
おりました。
うちは110円で
買い取ります!
これは確定金額です!
うちで決めてくれるなら、
120円までは営業の僕が
店長に交渉します!」

かなり強気の金額を
提示してきました。

C社はとても100円では
無理なので、
うちは諦めさせて
いただきますと
帰られました。

僕はA社に電話をして、

「まだ売るかは
決めてないけど、
B社が120円で買い取ると
言うので、B社にするね。」

と言うと、A社の担当営業が、
こう言うのです。

「20円の金額差さは
どうしようもできないので、
諦めますが、
A社は最初に高い金額を言って、
お客さんが決めると
言ってくれた後、
実はその金額では
できませんでした、
というやり方をしますから、
お気をつけくださいね。」

と。

そんな馬鹿な。

B社の営業は、
店長の約束を
とってきたと
言ったんですよ。

もしそんな手法を
取ってるなら、
会社の信頼に関わる話です。

A社の営業マンが続けます。

「B社は社名だけでなくて、
言うことも
ビックなんですよ。
ほんと、気をつけてください。」

いやいや、今時、
そんな会社ないだろうと
思ったのですが、
僕はB社の営業に電話をかけ、
こう言ってみたのです。

「120円で買い取ってくれるなら、
売ってもいいかな。」

すると、

「本当ですか!?
では店長に確認して、
再度120円で
買い取れるかどうかを
確認しますね。」

そう電話を切ると、
ものの1分後、
またそのB社の営業から
電話がかかってきたのです。

「確認はや!」

とか思ったのですが、
彼が信じられないことを
言うのです。

B社の営業「今、店長に確認したら、
120円では難しい
みたいなんです。」

僕「え?でも120円で
なんとか店長を
交渉するって
言ってなかった?」

B社の営業「おっしゃる通り
なんですけど、
今店長に確認したら、
120円は厳しいみたい
なんですよね。」

僕「そうなんだ。じゃあ、
おたくの査定金額は
110円だということね。」

B社の営業「それが、
今店長に確認したところ、
110円も難しいとのことでして、
うちとしては100円が
査定金額になります。」

おいおい、
A社の営業マンが
言っていたことは
本当だったのか...。

僕「いやいや、君、
昨日、店長に
許可とってきた金額が
110円って言ったじゃん。」

B社の営業「すみません。
素直に謝ります。
そうなんですが、
100円が査定金額になります。」

僕はこの営業マンを見てね、
怒る気にもなりませんでした。

なぜなら、謝る姿が
板についていたからです。

僕「なるほど。組織ぐるみで
こんなやり方してるんだね。
君、営業してて
楽しくないでしょ。
まあ頑張って。」

僕は電話を切りました。

僕がB社の営業に対して、
怒る気にもなれなかったのは、
僕も営業マン時代、
これと同じような
経験をしたことが
あるからです。

僕は何千万という
住宅を販売する営業でした。

ある時、見積もりを
提案していたお客さんが、
僕のことを気に入ってくださり、
契約してもいいと
おっしゃってくれました。

それを店長に報告すると、

「よくやった!
だったら、
○○円の値引きを
していいから
契約して来い!」

○○円の値引きとは
また、大きくでたな、
とか思ったのですが、

店長「今月の店舗の
成績が厳しいんだ。
○○円、引いてでも
その物件取りに行くぞ。」

僕「わかりました。
それだけの値引きがあれば、
お客さんも喜ぶと思います。
じゃあさっそく、
電話してきますね。」

お客さんに僕が、
店長から○○円の値引きの
許可が出た旨を
電話で伝えると、

そのお客さんは多いの
喜んでくれて、
明日、契約してくれると
約束をしてくれたのでした。

そしてそれを
店長に報告します。

「○○円の値引きに
満足してくれたみたいで、
明日、契約してくれるそうです!」

その時でした。
店長から信じられない
言葉が返ってきたのは。

店長「あー、さっきの値引きの
話、あれはなし。
トップから電話あって、
今月は利益を確保するために
値引きは極力するなって
言われたから。」

僕「は?ちょっと
待ってくださいよ!
あなたが値引きして
契約を取れっていうから、
お客さんに言ったんでしょう!
その言葉がなかったら、
別に○○円の値引きなんて
なくても契約の合意は
取れてましたよ!」

店長「だったら問題ないじゃん。
やっぱり値引き
できませんって言えば。」

今でも思い出しますが、
この時僕は、
この店長を本気で
殴ってやろうと思いました。

そして同時に、
涙が出てきました。

僕「あんたは営業マンを
なんだと思ってるんだ!
そんな言うことがコロコロ
変わる人を誰が
信用するんですか!?」

店長「何を偉そうに!
誰に口を聞いてるんだ!
お前は会社に言われた
通りに契約して
くればいいんだ!」

涙がとまりませんでした。

僕はこの時、
あることを決めました。

それはお客さんに、
今のことを
正直に話すことです。

次の日、お客さんの
ご自宅に行き、
一連の流れを
正直に話しました。

そしてこうも言いました。

「うちと契約して
くれなくて結構です。
こんな理不尽なことを
営業にさせる
店長がいるお店に
大事なお家づくりを
任せてはいけません。」

これが後にも先にも、
唯一、僕から契約を
お断りした
お客さんです。

それに慌てたのが、
営業所です。

何せ何千万という
契約ですからね。

僕の契約が飛んだのを知ると、
トップの人間が、
なぜそうなったかを
僕に直接、聞いてきました。

そして店長との
一連の経緯を話すと、
そのトップの人間が、
店長を左遷させました。

そしてこうも
言ってくれたのです。

「倉地のしたことは、
間違っていない。」

トップは僕と一緒に
そのお客さんに
謝りに言ってくれましたよ。

結局、そのお客さんは、
他社で建てることに
なりましたが、
実は陰で間取りなんかの
アドバイスを
させてもらっていました。

会社のルールとしては、
やってはダメなんでしょうけど、
店長の値引きの件が
なければ確実に
僕で決めてくれていた方なので、

申し訳ない気持ちと
僕に何かできないかと
考えてした行動だったんです。

ただ、その一年後、
その人の紹介で、
僕は契約が
できることになります。

「信頼って戻ってくるんだなー。」

そうしみじみと
感じた瞬間でした。

僕は住宅営業時代、
本当にたくさんのことを
学びました。

そして今、起業してからも、
さまざまなことが
それに生かされています。

商売は信用で
成り立っていること。

金額の言った言わないで
一発で信頼がなくなること。

お客さんに自分を
気に入ってもらう
ためのやり方

背中を押すためのやり方

などなど、あげたら
きりがありません。

そして営業という仕事こそ、
起業するために必要な
大切なことを教えてくれる
本当に面白い
仕事だと思います。

営業出身の起業家は
成功しやすいでしょう。

ただしそれは、
会社員時代に、
会社から理不尽なことを
言われたとしても、

お客さんのことを
一番に考えて
行動できた営業マン
のみに言えることだと思います。

B社の話に戻すと、
一番悪いのは
B社という組織です。

本当に組織ぐるみで
あのような手法を
繰り返しているなら、
とんでもないブラック企業です。

世間は正直なので、
信頼がどんどん
なくなっていくでしょう。

僕も二度と、
B社には頼もうと
思いません。

あとは営業マンが
可哀想すぎる。

謝ることが板についていた
あの営業マンを見て、
B社という組織には、
あの時、僕が店長に
感じた時と同じような怒りを
覚えました。

そしてB社の営業マンには、
ああなって欲しくなかった。

彼だって辛いはずです。

こういう会社があるから、
営業のイメージが
悪くなるんです。

B社の営業マンが
もし、起業したとしたら、

嘘の金額をふっかけて、
やっぱりできませんでした、
でも契約してくださいって、
自分の商品を売りますよ。

そんな起業、
うまくいくわけがないし、
自分の商品なら
そんな売り方できませんよ。

企業は営業マンを
駒のように
使わないでいただきたい!

ただ、救われたのは、
A社とC社の営業マンたちです。

僕が起業していることを
話すと、

「実も将来的に
起業を考えてます!」

と二人とも
目をキラキラさせながら、
答えていました。

B社の営業とは
雲泥の差です。

「この仕事は大変ですけど、
この仕事は本当に
学ぶことが多いんです!
だからまだ起業は
できないですけど、
いつか絶対起業します!」

二人とも仕事が
楽しそうでしたよ、

お二人がいる会社なら、
営業としてたくさん
学べることがあるはず。

そしてその経験は、
起業してからも
必ず生きてくるよ!

二人にはそんなことを
アドバイスして、
最後は電話を切りました。

おわかりいただけたでしょうか?

営業出身者が起業で
成功しやすい理由。

ブラック企業の営業につき、
平気で嘘をつくような
やり方が身についてしまったら
起業には逆効果ですよ。

営業時代で学ぶべきもの、
それは、

“お客さんと信頼を築き方”

です。

これをするためなら、
時には理不尽な上司に
逆らうことだって必要です。

僕たちはお金を
もらったり払ったり
しているんじゃない。

信頼とプライドを
やりとりしているんです。

そのことを
営業時代に気づかせて
もらえたこと、
それが僕の財産です。

営業という仕事に
もっと尊厳を。

ということで、
今回はここまでに
させてもらいます。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


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