パリ演劇留学「なんでパリなのか。パリのどこで何してたのか。」
そもそもパリ演劇留学について
パリでの生活をまとめる前に
演劇留学では日々どんなところでどんなことをしていたのか書いておこうと思いました。今更ぁ
私は2017年度文化庁新人芸術家海外研修制度に採択されてフランスへ演劇留学しました。
制度の詳細は文化庁のHPで
https://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/shinshin/kenshu/
主な研修先は
ジャック・ルコック国際演劇学校
http://www.ecole-jacqueslecoq.com/
フィリップジャンティーカンパニー
http://motsdetetecompagnie.com/
ジャック・ルコック国際演劇学校について
ジャック・ルコックさんが生み出した“ルコックシステム”という俳優教育理論を用いた授業を行う2年制の演劇学校です。
盛加代子さんの文章がとても分かりやすくルコックについて書かれていたので、ぜひ参加に。
https://jebl.org/eb_web/978-4-434-22491-1.pdf
本当に簡潔に分かりやすく言えば
「身体に重点をおいた、マイムの技法を取り入れた演技メソッド」といった感じでしょうか。
体感では演技メソッドというより俳優教育カリキュラムのような気もしますが個人的には。
スタニスラフスキーシステムやマイズナーテクニックやアレクサンダーテクニークなど演技メソッドは色々ありますが、ルコックシステムもその一つとされています。
それぞれに崇拝者もいればアンチもいます。私は全部かじって美味しいとこ取りするタイプ。
私がルコックに興味を持ったきっかけは
師匠である野田秀樹がイギリスに同じく文化庁の在研で留学していた劇団テアトル・ド・コンプリシテの影響がある。http://www.complicite.org/
私が魅力を感じた野田さんの演出法や演技の教えにはコンプリシテから得たものが多く、そのコンプリシテの主宰者も所属俳優も元を辿ればこのジャック・ルコック国際演劇学校の卒業生だったので、
ここに行けばなんだか面白いことが学べるのだろうと思い(すごく漠然と)、あとは高校時代に第一外国語でフランス語を選択していてフランス語に対抗がなかったので留学を決めました。
パリの10区、治安はあんまり良くない場所にあります。ガヤガヤした商店街の壁にブルーグリーンの扉があって、その扉を入っていくと学校があるんです。まるで秘密基地みたい。
生徒は本当に世界各国から集まっていて
フランスはもちろん、イギリス、アメリカ、スイス、カナダ、モロッコ、イタリア、スペイン、日本、韓国、中国、スリランカ、などなど。
多国籍の、それまで自国で俳優として活動していた若者が結集してるといった感じ。1年目は1クラス40人くらいかな?いた気がする。結構多い。
授業は全てフランス語で行われ、生徒同士の会話はフランス語と英語がミックスって感じ。
ここで週5日朝9時から13時まで授業があります。
○1時間の運動系の授業(シアターゲームの日もあればアクロバットの日、マイムの日などまちまち)
○1時間半の即興演技の授業(お題を出されて、希望者から順番に実演していく。大体が無言劇。マスクを付けて個を消す訓練ニュートラルマスクもここでやります)
○残り1時間半はグループ制作。毎週5〜6人のグループごとに決められたお題について10分程度の作品を月〜木で作って、金曜日に発表します。
体の癖をなくすとか個を削ぎ落とす訓練をするから、服装は全身黒のモジモジくんスタイルと決められていたし、フランスのくせに時間や礼儀などに厳しくて、でも多国籍のパリピがいっぱいいたので最初のうちは幼稚園…は言い過ぎだけどリアルに中学校の体育会系の部活みたいなノリだなぁと思って、その空気感は苦手だった。
週末は飲み会もあったし。
ドレスコードとかいちいちあって、大学のサークルみたいで、嫌いだった。
うぇ〜〜い!!サンテサンテ(乾杯)〜!!
みたいにならないと
「るいこは日本から来てまだ慣れないのかな」みたいな心配されて本当に、嫌いだった。(2回目)日本でもしっぽり派なんだよ。
その他色々なカンパニーやスタージュ(研修やインターンシップのことをフランスではスタージュと言います)やアトリエ(ワークショップのこと)を受けられる施設で、フィジカルシアターと俳優育成について勉強しました。
ダンススタジオや空手道場にも通ってました。
パリ生活の様子だけでなく
パリ演劇(フィジカルに特化したもの)の中でも短期留学に向いているものの情報も載せていけたらいいなと思いました。
長期留学で例えばディプロム(卒業証明書のようなもので国立大学で俳優の科に通い、取得すれば国家資格になります)を取得したい方などにはあんまり参考にならないと思います。
ある程度俳優・ダンサーとして経験のある方で1年以下の留学に興味ある方には良い情報になるのでは…と思います。
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