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M-1に出場したら、就活の掴みが完璧になった話 ~M-1に出ようか迷ってるあなたへ~
どうも~ 桑田と清原でPL学園です
お願いします~
会場に笑いが起きるはずがない。そう友達と話していたのに、まさかの笑いが起きた。
その瞬間、相方の友人を見ると、明らかに困惑していた。
彼と出会って10年。数年前の夏の出来事だが、あんな表情を見たのは、後にも先にもあの日だけだった。
だが、お笑い好きにはたまらない非日常が広がっていたし、何よりも未来への大きな一歩を踏み出した貴重な1日だった。
① そもそもなぜM-1グランプリに出ようと思ったのか
理由はシンプル。
ワクワクしたから。
そして、友人の挑戦を後押ししたかったから。
本来の大学3年生であれば、就活とゼミに追われて忙しい大学生活を送っているはずだった。
しかし、私はゼミをクビになったし、就職活動をしていなかった。
つまり、本来の大学3年生が向き合うべきことと何も向き合っていなくて暇な学生生活を過ごしていた。
さらに、コロナ禍で大学に行く必要もない。
野球に打ち込んではいたけど、「せっかくの大学生活、興味があることに飛び込みたい」と思っていた。
そんなある日、いつものように友人と駒沢公園でキャッチボールをしていた。
彼とは中学時代の野球チームの同期。遠征の車の中ではいつも一緒にYouTubeでお笑いを見ていた。
当然、キャッチボール中もお笑いの話になる。そして突然、彼が言った。
「お笑い芸人になろうと思う。」
聞けば、具体的なアクションプランはなく、フワフワした答えが返ってきた。
その友人が明確に未来への道筋を語ってくれていたのならば、私は素直に応援しただろう。
しかし、その友人の話振りから、なんとなく就職活動に打ち込みたくないからお笑いの話をしていると悟った。
「一緒に出よ!」
と伝えた。
私も人を笑わせることが好きであったし、このことをきっかけに友人にとって、お笑い芸人として歩んで行くための道筋が見えてくるものになればと願っていた。
② 練習の日々
練習場所は、またしても駒沢公園。
スマホをチケット売り場の台にセットし、何度も動画を撮って見返した。
ネタ合わせと称して、ただのくだらない雑談で終わる日もあったが、即席にしては準備できた方だと思う。
この時、意識したことがひとつ。
「基本的に相手に任せて否定しない。」
ネタを書くのは彼。私は”ネタ受け取り師”に徹することにした。
お互いに話しやすい雰囲気を作るため、ネタを否定せず、仮説を持って議論することを意識した。
そして、今回の経験を基に友人がお笑い芸人として夢への一歩を踏み出すために、彼が主体的に学ぶことを促した。
そして、目標としてナイスアマチュア賞の獲得を掲げていたから、それに向けて注力する日々であった。
③ 本番当日
会場は渋谷・シダックスカルチャーホール。
渋谷のマックで最終確認をして、30分前に到着。しかし、時間になるまで入場できず、公園で時間を潰すことに。
入場すると、そこには夢のような光景が広がっていた。
テレビで見たことがある芸人たちが練習し、カメラのインタビューに答えている。
「これ見られただけでも、参加費2000円の価値あるな」と友人と話した。
ついに自分たちの出番が近づく。
自分たちの出番が近づいてきた。
荷物を近くのカゴに置いて、コンビ毎に列になって並んでいた。いよいよ、列から会場が見えるようになってきたときに、人生で最も唇が震えた。
小学校の頃から、学校の代表として人前で話すことは少なくなかったから、自分なら余裕だと信じていた。それでも、人前でする初めてのお笑いが大会であり、観客で埋め尽くされた舞台であると、さすがに緊張が止まらなかった。
私の緊張を友人が受け取ったまま、舞台に立った。
そして、ついに本番。
「どうも~ 桑田と清原でPL学園です~ お願いします~」
しょうもない掴みと私たちは笑っていたが、私たちのウケるわけがない脱力感とのギャップがあったからなのか、本当に理由は分からないけど、何故か笑いが起こった。
列に並んでいる時に、あまり笑いは聞こえなかったから、この笑いで私たちは困惑してしまった。
想定外の反応に動揺し、早口になり、焦り、
人生で最も短い2分間が終わった。
④ その後
あれからしばらくして、友人から連絡が来た。
「小さい大会だけど、初めて優勝した。」
あの時、背中を押したからこそ、彼は夢に向かって突き進んでいる。
そして私は先日まで就活をしていたが、自己紹介の最後に
「M-1グランプリにも出場しました。」
と言ったところ、面接官への掴みは完璧だった。
さらに、M-1の参加理由を深掘りされ、
「友人の”やってみなはれ”を後押ししたから。」
と答えた企業に就職予定だ。
たった2分間の経験が、僕たちの人生を前に進めてくれているのかもしれない。
# M-1出てみた
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