僕がラグビー登山家になるまで はじめに。
こんな事をしてますが、僕自身を強く掻き立てものは「どう死ぬか?」というものです。死ぬ事を考えることで「どう生きるか?」を自然発生的に考えさせてくれます。
それを強く感じたのは幼少期に見たNHKのドキュメンタリ「太平洋戦争」でした。たまたま実家にそのシリーズが録画されており、そのVHSを擦り切れるまで僕は見ていました。
特に何度も繰り返し見ていたものは神風特攻隊のシーンで、当時の自分とあまり変わらない若者が日本のために命を捧げて、米国の空母に体当たりする映像は言葉にならない思いになるものでした。あの映像で胸を痛くするものも事実ですが、言葉が適切かどうかわかりませんが、自分の中でどこか美しく、憧れるものがありました。
僕の考えることの中心は父親が亡くなって以降、恥ずかしながら「死」に関わるもので、いつもそこから思考を巡らしています。刻々と迫り来る己の死に対して、かつての特攻隊の青年と同じほどの美しさを己の生の中に見出せることができるのか?それが幼き頃からの僕の生きるテーマでありました。
中学の頃の僕は深夜にたまたま放送されれていた三島由紀夫のNHKのインタビュー映像が心にグサりと刺さり、その後の僕の人生に大きな影響を受けています。
現代は死が前提になっているという緊張した状態ではない
仕事をやっている時に生の倦怠というか、人間が自分のためだけに生きるのは卑しいものを感じるのは当然でてくる
自分のためにだけ生きて、自分のためだけに死ぬほど人間は強くはない
人間は理想なり何かのためということを考えているので、自分のことだけに生きることはすぐに飽きてしまう
そして、死ぬのも何かのためということが必ず出てくる
それが昔から言われてきた『大義』というもの
『大義』のために死ぬということが人間の最も華々しい英雄的な立派な死に方であるが、
しかし一方で現代社会はは『大義』がない
民主主義の政治形態は『大義』がいらないので当然ですが、
それでも心の中に自分を超える価値が認められなければ
生きていることすらも無意味だという心理状態がないわけでもない
一刻一刻を丁寧に生き、いつ何時、自分が亡くなっても納得のある人生を送れたいと思っていましたが、気付いたら地下鉄で何も考えず揺られているサラリーマンになってしまっていました。結婚や子供にも恵まれ、確かに周りから見たら順風満帆な人生であったのかもしれないのです。
ただ、幼い頃に未来の自分へ期待していた美しく生きる事とはかけ離れているように僕は感じていました。このまま目の前の仕事を継続し、己の『大義』を獲得するために努力することもなく、自分の生を終えるというのは敗北と似た感情をどうしても僕は持ってしまいます。当時の僕はシステムエンジニアという職業柄、目と指先しか使うことがなく、ロボットのような存在に成り下がっているように思えて致し方なかったです。
しかし、2019年ラグビーW杯のエンブレムを見て、このプロジェクトが思いついた時に三島由紀夫の言う『大義』はこれだと天啓というべきものがありました。
日本で開催されるラグビーW杯に自分の全てをかける事が自分が求めている生き方であると。嘘偽りなく、このプロジェクトをやるために今まで生きてきたのだと本気で思えてしまいました。
2019年ラグビーW杯のエンブレムが日本最高峰の富士山と日の出が描かれており、日の出がラグビーボールに見え、山頂にトライしているように見えたのです。
このプロジェクトが海外で注目を浴びることによって、逆輸入の形で国内へラグビーの熱を伝えたい、またその一方で2019年の前にラグビーの頂上決戦が繰り広がられるラグビーW杯の前に、先に頂上を制覇し、日本代表を後押ししたいとの思いがあります。
おそらくこのプロジェクトをやれるのはラグビーが好きで、今まで世界を70カ国ほど渡り歩き、アフリカといった危ないと言われる地域でも危険を回避する能力を持ち、いつかは高い山に挑みたいと思っていた僕にしかできないことだと思えました。
僕の人生をエンブレムに投影し、エンブレムに物語を付与するようなイメージで今までこのプロジェクトを行なっています。
25カ国の最高峰に登頂及びラグビーボールをトライをする事を目標とし、現在15カ国にトライしてきました。
ラグビーW杯開催の2019年9月20日までに残り10カ国の最高峰を登ろうとしており、今後のこのプロジェクトの行く末を共に楽しんで頂ければ嬉しいです。
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