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「スポーツバカ」になるつもりはない

この新聞記事を見て、思い当たる節があった。感じることがあった。
先日、高校野球の甲子園優勝チームで主将だった若者が、進学先の質に合わず退学し、その後犯罪に手を染めたニュースも思い出す。
もちろん最後にやるかやらないかは個人の判断だが、今までの環境が彼にその選択肢しか与えられなかったのではないかと、とも思う。
そう思うとスポーツに携わる者としては悲しいし、今後こういう選択肢の少ない人生を歩ませていけない。

結局は大人(指導者やコーチ、そして親)が環境を創ってやるべき

今やビジネス環境にあれば「キャリア形成」は非常に重要な自己形成に置いて大切なことだ。なんとかなるとか、誰かがやってくれるとか、そんなことは通用しない。現代の日本でも終身雇用なんてものは崩壊しつつあり、正解のない時代の中で、いかに自分で正解を創り、道を拓くかが大切だ。
だから国も就学前から人間的基礎力を身につけられるようMapを展開している。

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高校生、いや大学生にだって、自分の人生100年を自分自身で考えさせ、そのための準備を今からやっているなんていう人は少ないのではないか。
だから、レールを引くのではなく、普段の生活の中にヒントを散りばめ、生徒・学生自身が自ら気づけるような環境の設定が必要になるだろう。
強豪校などと呼ばれる高校や大学に進学し、部活動に加入すると、そこは「勝負」の世界が当たり前のように待っている。その中で「勝利すること」だけが「正」で、勝たなくてはならないという思いは、実は選手自身より指導者の思いの方が強くなっていることがある。

言わば、指導者のえごでしかならない。

そうなった場合、”指導者と選手”という立場に、支配的関係性が強くなり、指導者は”考えさせない”支配下に置くことで、やりやすくなる。

そういった日頃の積み重ねがいつの間にか選手の「専門競技しか考えない」、しかも自分では考えず、指導者に言われた通りの「スポーツバカ」になりかねないのではないか。
大好きな競技にどっぷりハマることは否定しない。でも、人生は100年もある。自ずと『選手でいる時間』は、人生の一部にしか過ぎず、『選手でない時間』の方が断然長くなるのだ。
そういった意味で、しっかりと自分で人生を歩めるようなフォロアーシップをしてあげることが指導者や親には求められるのだと思う。

自分自身のことを晒すと

小学校のとき、町クラブで始めたサッカー。
太っていたし、運動能力を高めさせるために親が加入をさせた。
それでも、良き指導者に恵まれ、「サッカーを好きなる、楽しむ」指導を受けたので、サッカーを好きになった。

中学に進学し、部活動の選択肢は、「サッカー部」以外になかった。
今思えば、理不尽な上下関係に強制坊主、途轍もない走り込みのトレーニングの上に「うがいはして良いが水は飲むな!」と顧問の先生に喉仏の動きまでもチェックされた。
当時は必死だったし、今では笑い話だけど、今のご時世では問題になることばかりだったな。

中学2年生のときだったか、「Jリーグ」が開幕した。

もうサッカー熱は国内でとてつもなくヒートアップ!
そこそこの能力とカラダのサイズがあった私は、「絶対にJリーガーになれる!」と思い込んで練習した。
選抜チームなどにも呼ばれ、サッカー推薦での高校入学の話までもらえた。

そんな中、小学校時に加入していた町クラブのコーチの紹介で、超サッカー強豪校の練習(紅白戦)に加わり、事実上のセレクションを受けることになった。「Jリーガー」を何人も排出するチームなので、このチャンスを逃してはいけないと緊張しながらもプレーしたことを今でも思い出す。
結果、監督さんに「うちに来いよ!」と言っていただき、舞い上がったことも思い出す。

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親に相談し、その超サッカー強豪校に進学する気満々でいた。
でも いつになっても入試の話がなかったので、ある時親に確認したところ、その答えは・・・
「え!?断っておいたよ。だって、Jリーガーなんてなれっこないじゃん!サッカー漬けになって、体育大学くらいしか進学できなくなるよ。」と。
衝撃的な返答に返す言葉もなかったが、
私はそのままサッカーに中学で別れを告げ、普通高校に進学した。

子の将来を案ずる親からすると、体育大学なんて就職する宛も少なく、国立大学に進学させ、安定した将来を考えてくれたのだろう。

高校から始めたラグビーで大学進学

高校でラグビーに出会った。
高校レベルで身長190cm、体重100kgだった私にとっては、やりたい放題といった感じだったので、俄然「サッカー<ラグビー」となり、このサイズもあって体育大学から推薦入学の誘いをいただき、見事「体育大学」に進学した!

お気付きの通り、親の目論見はすべて崩れ、結局 普通高校に進学したにも関わらず、「体育大学」、しかも「ザ・体育大学」に進学することになったが・・・。

本題の「スポーツバカ」という内容に戻すが・・・
私が推薦入試を受験した時の話だ。
試験内容は、小論文と短い面接だった。制服をしっかりと着込んで緊張して会場入りし、小論文は指定用紙の最後の行までミッチリ書き込んだ。

しかし、そこには入試とは思えないような光景だらけだった。
面接があるのに、学ランの下は赤のタートルネックやYシャツなんて着てないない奴らばかり!斜め前のカラダの大きいヤツは、小論文を3行くらいしか書いていなかった。 ん!? 衝撃でしかなかった!

晴れて体育大学に入学したわけだが、同じクラスに「小論文を3行しか書かないカラダの大きいヤツ」がそこにいた!
合格するんだ!?
もちろん全員が全員ではない。でも この手が多いのは事実だと思う。
彼は ある種目の日本代表選手で、その世界では有名な選手だった!

卒業するまでにも色々と衝撃は多かった。
各カテゴリの代表選手がいたり、運動能力でハンパないヤツはたくさんしたことは『ザ・体育大学』だったので、ビビりもしなかった。
でも、座学では教職課程もあるので、履修カリキュラムには数学や国語、外国語なんてのもある。
もうここでは「スポーツバカ」のオンパレードといっても過言ではない光景を何度も目にしてきた。
当時、某国立大学から英語を担当される先生が来られていたが、
『今日は暑いので、今から書く5行の英文を訳せたら帰っていいよ!』という明らかに学生をバカにした講義だった。
いやいやいや!先週やったところで、イージー過ぎるだろ!?
でも そこはやはりこの大学なのである!

もちろんこれがすべてではない。
教職課程に本気で取り組み、勉強しまくっていた仲間もいた。
でも 『スポーツバカ』といわれてしまうような学力と人間力の低さを感じる場面は多々あった。
それを学生時代は、そこまで将来に降りかかってくるものだとも思ってはいなかった。

社会人になった今、思い返してみるとゾッとする。

今の学生に言いたい!時間は有限だが、活用方法はいくらでもある。
今からやっておけば、自分の可能性はとことん広がるぞ!

今はコーチングし、導く立場として

勉強するヤツが偉いとも思わない。でも自分にはこれがあるんだ!っていう強みをしっかりと見つけて、磨いてほしい。
それにはやはりある程度の知識ベースがないといけないと思うし、社会的に多くのコミュニケーションを展開していく場合には、多くの知識とそのための学びは必要だと思う。
だから あぁしろ!こうしろ!というつもりはない。
私を踏み台にして、より明るい、楽しい未来を過ごしてほしいと切に願う。


という徒然なるままに書いたnoteでした。


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