バリ島紀行 *トホホなビジネス
話は一旦、機内に戻る。
ビジネスクラスに乗ったと書いたけれど、そもそも私は一介のサラリーマンなので、通常はエコノミーに乗る。
今回はマイレージを使って航空券をとった。
猫の病院代をスカイマイル提携のクレジットカードで支払い続けていたら、貯まりに貯まってしまったのだ。
プレエコでハワイか、ビジネスでバリか、随分迷った。結局、円安に背中を押されてバリにした。
もともと物価の高いハワイ。
たかだかハンバーガーに3000円も払えますかって。
さて、比較的少ないマイル数で取れたガルーダ・インドネシア航空のビジネスクラスだけれど、これがなかなかしょぼい。
機内エンターテイメントは日本語字幕の映画、ドラマが1本もない。
トイレはひとつ使えないし、食事のメニュー表もない(復路はあった)。頼んだ緑茶は見た目立派だけれどほとんど白湯。
なんだか経費削減の極みを見せつけられたような気分。
私は発券手数料だけでほぼ無料だったけれど、JALやANAのチケットを買ってこの共同運行便に乗った人はちょいと気の毒だ。
もちろん良かった点もある。
キャビンアテンダントの男性がとても親切丁寧で、復路でも顔を覚えていてくれたこと。
そして、座席がほぼフルフラットになること。
飛行機の中では眠れないデリケートな私でも爆睡することができた。
特に復路は日付変わった直後の0時20分発なので、四肢伸ばして眠れるのはありがたい。
でも、これに慣れてはいけない。日本人にとって、海外旅行は既に贅沢なレジャーになりつつある。
あれだけうじゃうじゃいた日本人観光客を、バリではほとんど見かけなくなったのが、何よりの証拠だろう。
だから、慣れてはいけない。
エコノミークラスにすら座れなくなる日は、きっとそう遠くはない。