とある理系の研究室5 先生と学生
某国立大学の理系の研究室の話。
そこそこの大学のそこそこの研究室。国内外の学会にもコンスタントに出ていて、論文もそれなりに出している。活気もそこそこ。古き良き時代の雰囲気を残している研究室。
恩師たる指導教官との関係と思い出。
教授、准教授、講師、助手・・・
直接の指導教官は准教授だった。大ボスの教授とはあまり接点がなかった。(というか恐れ多くて気軽に話せる雰囲気ではなかった)平社員が課長とはなんとか話せるけど、部長と話すのは緊張するといったところか。
関係性
准教授との関係は良好だった。というより濃密だった。ゼミ合宿は准教授ファミリーの車に名指しで呼ばれ同乗し、お子さんと車内でプリキュアを見ながら、遊びながらのドライブだった。お宅に食事に呼ばれたり、先生の仲間内の勉強会(半分同窓会)に連れて行かれたり、その他色々なところに連れ出された。いわゆる鞄持ちというやつか。
研究室での指導
卒論、修論は放任主義で、計画も実験方法も装置を組むのも好きなようにやらせてもらえた。(反面、失敗や遠回りが多かったが)もちろん、こちらから乞えばたくさん助言をもらえたし、議論もたくさんした。結果が出ているかどうかはよくフォローされた。
教官1人あたりの学生数は重要
より良い研究、卒論、修論、博士論文を書いていくには先生と多く議論できる環境は大事。教官1人あたりの学生数の少なさは研究や教育の質に直結すると思う。
私大と国立大の差
ある日、准教授に連れ出されて、とある名高い私立大学の研究室へお邪魔することになった。私の実験の参考のために、准教授の先輩が勉強会を開いてくれたのだった。キレイで立派な研究棟だった。だが驚いたことにその研究室では学生個人のデスクがなかった(足りなかった)のだ。ポスター貼ったり、私物の秘蔵酒を隠したり、カスタマイズできない。居室のキャパに対して学生が多過ぎるためだ。(人気のある研究室であるということでもある。)2人の先生に対して20人以上学生がいるそうで、1つの研究テーマを何人かで棲み分けしながら卒論修論を書くとのこと。教官1人あたりの学生数はウチの研究室の2倍以上だ。当然、勉強会は学生が少ない夏休み中の土曜日に開かれた。
受験生に教えてあげたい
そこそこの国立大学でも、日本でも指折りの私大より、教官1人あたりの学生数は少なく、良い教育環境なのだなと実感した。でも立地良過ぎる。トイレ綺麗過ぎる。羨ましすぎる。
結局、飲み会かよ
勉強会と言いつつ、その後で昔の仲間で花見をしようというのが主目的だったようだ。いや、勉強にはなったけども。
慣れない街を、つまみと酒の買い出しに走った。
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