スマホが奪っていったもの#1-テレビとカレーと網戸のそよかぜ-
スマホが奪っていったもの
みなさんこんにちは、スマホが現れてから、私たちの生活はあっという間に便利になりました。いつでもどこでも写真が撮れるし、分からないことがあればすぐに調べることができて、そこには何かしらの答えがありなんとなく納得できちゃいます。手軽にいろんな人と繋がって仲良くなれるし、興味がないこと、嫌なことはスルーして楽しいことだけを選ぶことができます。
今ではほとんどの人がスマホと生活していて、一日の6割以上スマホを使ってるなんてことも珍しくありません。
このシリーズでは、そんな「スマホ社会」である現代で僕たちが失ってしまったものは何なのかみたいなことを完全に僕の主観で考察していくシリーズです。気づきがあればその都度上げていこうと思います。
(エッセイ部)
カレーとテレビと網戸のそよ風
遠い記憶だ。
家族四人で食卓を囲んで、茜色のあの時間にみんなが集まる。
テレビをぐるりと取り囲んで、あの番組にみんな釘付け。
わけのわからない評論をしてみたり、あの芸人に一同大爆笑したり、
カレーをぱくつきながら弟をからかったり、お母さんに愚痴をこぼしたり。
懐かしいあの日々はもう戻ってこないのだろうか。
忘れてしまった感情たちが、記憶の隅で揺れている。
網戸から入ってくる風が心地良いせいだろうか、
この空間がずっとつづけばいいのになんて、
今はもう遠い昔のこと。
家族という空間
近年では(人によるかもしれませんが)生活の中における「家族」の比重が減ってきました。そう感じます。
家族と何かしなくても、LINEを開けば友達とおしゃべりできるし、twitterやInstaを開けば笑える動画や魅力的な情報が大量に、しかも一瞬で手に入ります。離れた場所にいる友達と遅くまでゲームまでできちゃいます
晩御飯に食卓に集まっても、ご飯だけササっと済ませてしまって、あとはそそくさとスマホだったりパソコンだったり、それぞれが別々のコンテンツ楽しみ始めるなんてことも少なくないでしょう(早々と部屋に戻ってしまうことさえしばしば)。
いわば、みんなで同じ空間にいながら、お互いが繋がってないのです。
同じテレビを見て、ツッコミを飛ばしたり、はしゃぎすぎて怒られたりしながら一緒に晩御飯を食べる。あの時間って実はとても貴重なものなのではないでしょうか。そんな時間が今失われつつある。
これって、最近では家族が「共同体」としての機能を失いつつあるということなんじゃないでしょうか。
空間的共同体がなくなると
前章でも述べましたが、家族は「空間的な(実態を持つ)」共同体としての機能を持っています。ここではじゃあ何がダメなのってことを考えていきます。
この空間的な共同体ってのは僕たちが生きる上ですんごく大事です。マズローの欲求階層の中に「所属の欲求」があることを見ても、僕たちにとってどこかに所属している、行動を共にする人がいるということは睡眠や食、承認されることと同じかそれ以上に大切なようです(ちなみに僕はこの理由を、共同体の僕たち人間のアイデンティティに占める割合がすこぶる大きいからだと考えています)。
また、進化心理学的に考えると、人間は太古から群れで生活してきたので当たり前っちゃ当たり前なんです。
さて、そんな人間にとって必要不可欠な共同体のなかでも、たいていの人にとって最も初歩的で密接な関わりを持つのが「家族」です。
こうやって考えると、今のスマホ社会に対して、ある懸念が出てきます。
この一番強い「共同体」である家族のその存在が薄れつつあるとしたら、それはある種危機なのではないかと。特にこれから育つ子供がこの「共同体」の中で育たないのは結構やばいことなのでは?ということです。
「最初の共同体」としての家族が消えてしまうと、人間として何か根源的なものを失っちゃってる気がするし、アイデンティティ的にも家族が「自分の軸/居場所になりえない」わけだから危うい。何より、なんか悲しいじゃないですか、あの空間が無くなるのって。
なので、ここまで長々書いてきましたが、何が言いたいかというと、
家族で食べる晩御飯くらいは、テレビでも映画でもつけてスマホなしで過ごそうよ。
ってことです。あの食卓を囲む時間、同じ空間とコンテンツを共有する時間って案外掛け替えのないものだと思うんです。
おわりに
いかがだったでしょうか。今回は詩→説明、考察みたいな流れにしてみました。ちょっと新鮮に感じてもらえたら嬉しいです。
スマホ社会がうばっていったもの、「共同体」としての家族。どうでしょうか、賛否どちらもあると思います。
でも、どちらにせよ言えるのは「スマホが奪ってくもの」を考えて知っておかないと、僕たちはいつの間にか多くを失うことになるということです。
みなさんも機会があればぜひ考えてみてください。少しでもいいので、スマホから離れる時間をとってみると何かわかるかもしれませんね。
それでは今日はこの辺で。この記事があなたの「自分らしさ」の一助になれば幸いです。
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