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【読書ノート】『護られなかった者たちへ』
『護られなかった者たちへ』
中山七里著
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東日本大震災の後、家族と離れ離れになったカンちゃんは、遠島けいのもとで、生活していた。そこに、同じく身寄りのない利根 勝久が一時、合流した。その後、利根は出稼ぎに出ていき、数年後、遠島けいを訪ねる。
遠島けいは、生活保護を受給できず、餓死してしまった。そして、利根 勝久は、福祉保健事務所の課長・三雲忠勝と城之内猛留を恨んでいた。
その三雲忠勝と城之内猛が、誘拐された後、餓死させられるという事件が、起こった。
物語の主題は何か?
正しさとは何か、ということなのだろう。
生活保護の不正受給を黙認しながら、本当に必要なひとに行き渡らない状況も黙認するというか、むしろ歓迎する役所側の人間は法律上は正しいのだろうけど、一皮剥けば、東南アジアに売春ツアーに行ったり、人間としてはどうなんだ!!みたいな思いが、原作にはあったのだけど、
映画では、役所側の人たちは基本良い人で、こころを痛めているような、美談に変わっていて、、、
利根やカンちゃんらの不運は震災のせいだね的な論調にかわっていたのは、何だかなあと思わされた。
もう一点、キーとなる登場人物カンちゃんが、映画では女の子だったことも驚いた。ある意味、まったく別の物語と言ってもよいかも。