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【読書記録】『新訳 和泉式部日記』
『新訳 和泉式部日記』
和泉式部(与謝野晶子訳)
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『和泉式部日記』は、平安時代の恋愛模様を描いた作品。20歳前後で結婚し、子供もいる和泉式部が、年下の王子・為尊親王との恋に落た。ところが、その王子は、若くして死んでしまう。悲観に暮れていたとき、王子の弟敦道親王が現れて、『和泉式部日記』は始まる。和泉式部の恋は運命的で、さまざまな試練、誹謗中傷を乗り越えながら、最終的には親王邸に住まわされる。
和泉式部は、素直な感情を率直に綴り、相手を追いかける姿勢を見せながらも、親王に追いかけさせる言葉の駆け引きが巧みであり、相手は、どんどん惹きつけられて行く。そんな恋愛の極意が詰まっていると言えるように思った。
恋愛において「むやみやたらに姿を見せない」ことの重要性や、一方で、相手からの誘いには喜んで応じる姿勢を見せることの大切さが伝わってくる。女性は、自分に興味を持ってくれる相手をリスペクトし、素直な気持ちを言葉で表す姿勢は、恋愛をより豊かにする要素なのだと改めて思わされた。
また、和歌を通じたコミュニケーションは、まるで現代のSNSやLINEでのやり取りのようで、時代を超えた親近感を覚える。
今も昔もモテる女性ってこんな感じなのだなあと改めて思わされた。
たいがいの男性は、美しい女性とか評判のよい女性を前にすると、萎縮するもので、勇気を振り絞って、女性にデートの誘いをしたとき、断られると、萎えてしまうものだからね。あまり乗り気でなくても、誘ってくれたことに喜んで受け入れる態度が大事なことなのだなあと思ったりした。