GCACWの移動に関する考察④
今回は「強行軍を行うべきか」「疲労度1で疲弊・非統制状態のユニットを活性化させるべきか」の判断基準について考えてみたいと思います。
基本的な考え
結論から言うと、両者とも相手に与える損害の期待値が自分の受ける損害の期待値より大きければ実行するべきというのが正解になります。当たり前のことを言ってしまっていますが、このとき重要なのは数ターンに渡る影響を考えず、「このターン・この活性化」という戦術レベルでリスクとリターンを計算することだと思います。
まず、強行軍のリスクについて考えてみます。これはとても簡単です。ルールに書いてある通り、ユニットの兵力が6SP以上であれば損害の期待値は1、5SP以下であれば損害の期待値は0.8です。移動力の期待値は2.5です。(Ver1.4のルールからちょっと変更されましたね)
続いて疲労度1で疲弊・非統制状態のユニットが活性化するときのリスクを考えてみます。これは前々回の考察(https://note.com/rubbishdog21/n/n90d5bd3bc62a)を見ていただくと分かるかと思いますが、南軍の場合は損害期待値が0.17、北軍の場合は損害期待値が0.33(前々回の記事の表にちょっと間違いがあります…)です。移動力の期待値はどちらも3.5+ボーナスです。
戦闘で被る損害と与える損害は戦闘結果表を見れば計算できるので、リスクとリターンを比較してリターンのほうが大きければ決行です。
こういうアンチョコを使うと相手に与える損害の期待値もサッと計算できたり…。
また、戦闘による兵力損失がそのまま勝利得点になり、逆に延長行軍や強行軍による兵力損失は勝利得点にならないシナリオが多いため、とくにターン数が短いショートシナリオで活性化回数が限られているため、積極的にガンガン仕掛けていっていいと思います。
というわけで、「強行軍を行うべきか」「疲労度1で疲弊・非統制状態のユニットを活性化させるべきか」については「この活性化、この強行軍で相手に与える損害の期待値が自分の被る損害より大きければ実行」というのが良いように思われます。
あと2回活性化できれば…
当たり前のことを述べて記事を終わるのも面白くないので、今度はあと2回連続で活性化できれば相手を攻撃できそうなときに「疲労度1で疲弊・非統制状態のユニットを活性化させるべきか」について考えたいと思います。
これについてはそのターンが最終ターンでない限り、やめておくべきだと思います。なぜならあなたが延長行軍のリスクを冒して進撃しても、次のイニシアチブもあなたが取れる可能性が確定していないからです。あなたのイニシアチブが今までどれだけ続いていたとしても、南軍で6割、北軍で4割しかイニシアチブは取れないのです。
疲労度2にして近づきました⇒相手逃げました・増援が来ました⇒疲労度2なので次のターンも疲弊・非統制状態のまま
これは大変良くないと思います。もしこのターン疲労度1のままにしておけば、このターンで疲弊も非統制も回復できて元気バリバリになり強行軍も使えます。しかし、疲労度2のままですと、デバフのかかったまま弱ってない相手を攻撃しなくてはならなくなります。例えば南軍ユニットが通常・統制で3回活性化する場合に被る期待損失は0.17Dです。(Dは非統制状態になるの意味。1/3の戦力損失と等しい)疲弊・非統制ですと0.5で兵力損失を被ります。(1/3の戦力損失している上にさらにマイナス0.5される)次のターンにこれだけの差があって、生み出される移動力の期待値は5.5、相手に隣接はできたけど、逃げられちゃったという状況。5.5移動力のために、次のターンの1/3SP+0.5の損失を享受できますか?これは見た目よりもかなり大きな差なように思えますが、いかがでしょうか。
Jackson's Opportunity問題
『Jackson's Opportunity問題』について回答するのがこのシリーズの課題でした。いったん今までの情報で回答をまとめてみたいと思います。
まず最初の状態では、ジャクソンの部隊は疲弊状態で、その移動力の範囲内に有利な戦闘修正で攻撃できそうな敵ユニットはいません。シャープスバーグまでは9ヘクスなので2回活性化すればたどり着くことができそうです。(2回活性化の期待移動力は11)
南軍の防御計画によりますが、大胆な機動反撃にでるプランでもない限りアンティータムクリークに向けて遅滞をしていくことになると思いますので、ジャクソンに与えられる使命はなるべく大きな戦力でシャープスバーグにたどり着くことではないかと考えられます。
そのためこのターンは1回だけ活性化をして、回復フェイズで完全回復して、2ターン目、3ターン目に大いに暴れてもらうのが良いのではないでしょうか。
状況が変わって、生み出せる移動力のぶつける先があれば、もちろんそこにぶつけていけばいいと思いますが、あくまで最初の状態であればちょっとこのターンは移動力を持て余しそうなので、余力を残して…と考えます。あんまり早くシャープスバーグに来てもらってもやることないですからね。
あ、ぼくは今までマクレランオポチュニティの南軍側で勝ったことはないのであくまで参考ということで…
ということで、GCACWの移動について考察するシリーズはいったんここで終わろうと思います。
自分もこのシリーズは書いて整理するなかで気づくこととかが多くて、説明が不足していたりして分かりづらく、大変申し訳なく思います。何かヒントになれば幸いです。
皆さんに栄光の日々がありますように。
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