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映画「アイ・オリジンズ」 ビッグデータ分析があぶりだす神の摂理?

5年位前だったか、飛行機の機内で時間つぶしに、予備知識なく、なにげなく観た映画。かなり不思議な映画だった。

ちょっと new age というかオカルトっぽいけど、ビッグデータ分析をどんどん進めていったら近い将来に本当に起こるかもしれないなと思わせた、SF映画。

前半ちょっとダレたが、ダレたと感じた辺りで貼られていた伏線が、後半なかなかうまい具合に回収されていった、よくできた映画だったと思う。

そして、後味のいい話だった。締めくり方がとてもよかった。変なオカルトちっくなゲテモノ映画に陥る寸前で、さらっと締めくくってくれた。日本でロードショー公開はなかったのかな。アマゾンにはDVDのリンクがあったが。

以下ネタばれ含むが(ほんとにいいところはバラしていない)、感想というか雑感。

要は、ビッグデータで人間についていろんなものを集めてデータベース化したら、人間の死にまつわることがわかってしまったという近未来のSF話。それが、輪廻転生なのか、なんなのか。

ITで本人認証につかわれる世界中の数十億件の「瞳の虹彩」のデータというのは、それぞれ個人のものがユニークで、統計的に一つも完全一致するはずがないということで認証に使われているという前提が語られる。

それで、何故か、現在生きている人の虹彩データが故人と完全一致するケースがでてくる。

政府が秘密裏に調査してみると、何故か、一致した虹彩を持った人が故人の記憶を断片的に持っているということがわかってくる(これ、SFの架空の話なので、念の為)。輪廻転生なのか?

分子生物学者の主人公は、ミミズなど目を持たない生物が、眼をもって知能が発達していった人類へと進化していった過程とか研究してて、その進化の鍵となったDNAを操作して眼をもつミミズを作ろうとしているという設定。

いろいろな宗教で、神が眼を造ったとされ、眼が魂の窓だとされたりしている。主人公は、それを科学的に進化論で否定しようとしている研究者だ、という伏線がはってある。眼が持つ意味とか、生まれ変わりなんて否定する科学者とか。

それでドラマは、主人公がかつて愛して、12年前に不慮の事故で死んだ女性とまったく同じ虹彩を持っている12歳の子供がインドにいることがわかり、それで主人公がインドにいる現地の少女に会いに行く。それで、前世の記憶の科学的なテストを実施する。

ラスト・シーンについては、敢えて書くのはやめとこう。ともすれば、陳腐なオカルトちっくな結末に陥らず、かといって、醒めた夢のない話に陥らず。

無神論者の科学者が観ても、もしかしたら輪廻転生があるのかもしれない、あったら素晴らしいなと思わせる、または、オカルト好きな人にとっても、近未来には科学が輪廻転生の仕組みを科学として解き明かしてしまうというような醒めた話にはしていない、いい締めくくりだった。救われた。自分はどちらかというと前者だが、

ヒントを言えば、映画「シックスセンス」的な、愛情のドラマとして締めくくっていた。まあ、観てみてください。

しかし、ビッグデータが積み上がっていって、その大量なデータを簡単に分析する時代になればなるほど、これがこれに関連している!、この人と既に故人のこれが一致している!とかで、死後の世界や輪廻のような、人間がみてはいけない神の摂理みたいなものが明らかになったりしてしまわないだろうか。こわくもあるが、知りたい世界ではある。

輪廻転生といえばダライ・ラマの後継者選びが有名だが(たしかダライ・ラマが死んだ頃に生まれた赤ちゃんを後継者として探す?)、人間の死や生は、どういう仕組になっているのだか。もし映画みたいに、死んでしまった家族とか知り合いとかと、まったく同じ虹彩を持った人がどこかで故人の死後に生まれていて、その人が故人の記憶の断片を持っていたりしたら、それはそれですごいというか、個人的に生まれ変わりに会ってみたいが。まあ、これSFですから。作り話なので。神の摂理は、ずっと謎のままのほうがいいかもしれない。





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