
500字の格安エアー作家
2016.7.19の自分のFBポストを発見。
格安航空で機内映画も無し、まだネットフリックスも使ってなかった頃、フライトで、手持ち無沙汰でスマホに綴っていた駄文。
Note習慣以前、格安エアーに乗った時だけ物書き気取りでそんなことをしていたという話。
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午後四時にハノイのノイバイ空港を離陸したタイガーエアTR2309便は、ベトナムからカンボジアへとインドシナを南下。
窓から、雲の間に、茶色の蛇行する河や緑の田んぼが見え隠れしていたが、間も無く、一面の白い雲が視界を埋め尽くした。
敷き詰められた綿のような雲の下には、どんよりじとりと重たい、湿度80%くらいの空気が閉じ込められているに違いない。7月のインドシナは、風も無く、ひたすら暑かった。
その後1時間半ほどすると、飛行機はマレー半島を右にして、マレーシア東海岸を南下していく。
すると、半島を覆った雲の下に、西日の差し込みのような平たい光の筋が見える。携帯で写真を撮る。
と間もなく、いつの間にかその光の筋は真っ赤に熟れすぎ食べ頃を過ぎたトマトのような夕焼け色に色を変える。そして、すぐその後はひたすら漆黒の暗闇に。
格安航空で3時間、映画も無いと、人は暇を持て余し、かくして普段よりちょっと気取ったくどい文章でFB投稿を綴るのであった(完)。
写真はその時機窓から撮ったもの
by myself。