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モッツァレラ ホワイトピザ

昨日、知り合いがモッツァレラ専門店みたいなところで食事したら最高だったというようなポストをSNSに載せていた。だじゃれ友だったので、即、「このモッツァレラは胃にもっつぁれ~ら?」とコメント。

すぐ、「ここのモッツァレラはもちもちで、もちつもっつぁれ~ら」と意味不明な返答あり。

モッツァレラは、だじゃれで重宝するという話だが、ふと、昔、ホワイト・ピザというものを食べたことを思い出した。

90年代にニューヨークに住んでた頃、Five Borough Bikeというイベントがあった。Boroughというのは行政区で、東京でいったら23区みたいなもので、NYだと、マンハッタン区、ブルックリン区、クイーンズ区、ブロンクス区、スタテンアイランド区の5区。その5区を自転車で走りましょうというイベントで、その年はたしかまだ始まって間もないころだったが、既に、コースは公式レース並みに普通の道路をツアーのために封鎖して、数百台の自転車が朝から半日かけて走った。

知り合いのブラジル人で自転車好きがいて、僕も、駐在の前任者からもらったロード・バイクと自分で買ったマウンテン・バイクを持っていたので、誘われると即答で参加を決めた。自転車持っていない知り合いの日本人も誘った。知り合いにはロード・バイクを貸した。NYの路はいろんなものが落ちてそうで、パンクを避けるにはマウンテン・バイクがいいので、僕はふだんはマウンテンバイクに乗っていた。

ツアーは、ローワー・マンハッタンを朝8時だったかに出発。記憶がうろ覚えだが、たしか当時の市長のジュリアーニかあるいは警察署長みたいな人がスタートでみんな頑張れみたいな演説があったような。あったとしてもがやがやとアナーキーな感じのイベントだった。まあ、競争ではないので、気楽な感じで参加。

行程は、まずマンハッタンをひたすら北上して、ブロンクスを通って、クイーンズへと行って南下して、最後にブロンクスがゴールだった。5区といっても、島のスタテンアイランド区には行かない4区ツアー、全行程でたぶん50Kmとか70Kmとかか。ゆっくり行って半日の行程。

ふだんは、危険だ行かないほうがいい、と言われていた地域であった、ブロンクスとか一部のクイーンズとかブルックリンを自転車で通り抜けられるのがおもしろそうだった。

言い出しっぺのクラウディアは、ユダヤ系ブラジル人で自転車歴長い。旅行しても可能なら自転車に乗るらしく、イスラエルで自転車に乗って散策していたら、あるとき兵士が「そこだめ、あぶない」というので聞くと、地雷があるかもしれない場所だったと笑っていた。かなり豪快。

いっしょに数人で、ペンシルバニアの昔ながらの生活を送るアーミッシュ・カントリーや、ボストンにサイクリングに行った。大自然の中を走るのは最高だった。クラウディアが、「たぶんブロンクスとかで、我々の自転車軍団を、ドラッグ・ディーラーとか売春婦とかがロードサイドで手を振って応援してくれるでしょ。まあ早朝の時間に彼らが起きてたらね」と笑っていた。「銃撃の流れ弾にあたらないように疾走しないとな」とかこちらも冗談を言った。

ブロンクスにはいったあたりで、案の定というか、僕のロード・バイクに乗っていた知り合いのテツの自転車が突如止まる。パンクか?と思ったら、チェーンが外れただけだった。ブロンクスでどんどん後続の参加者に抜かされて、テツはあせっていたが、僕らも手伝ってすぐ直して、つつがなく復帰。こまかいルートはもう忘れたが、一部、ブロンクスからアッパーイースト、そしてルーズベルトアイランドを抜けるあたりは、通常は自動車だけのフリーウェイが閉鎖されていたそこを通った。ルーズベルトアイランドへは橋を渡って、最高に気持ちがよかった。都市を自転車で疾走するというのは楽しい。ふだんだと危険なので、こうした特別のイベントが必要だが。

そして、ゴールまであと少しという、正午近い時間に、ブルックリンに差し掛かったとき、クラウディアが言う。「この先のまがったあたりにたしかホワイト・ピザのおいしい店があった」

自転車で走りながら、「ホワイト?トマトソースがついていない?」と聞くと、「そんな感じ。チーズが特別で、めちゃくちゃ美味しい」と言う。

「昼どきだし、行っちゃう?」「うん、うん」となって、我々3人はツアー隊列からこっそり脱落、数ブロックコースから外れるとその小さな店があった。

詳細よく覚えていないが、このタイトル写真に使った(これはグーグルしてブルックリン、ホワイト・ピザででてきたもの)ような、たしかに具がのっていなくて白いチーズのピザを売っていた。もちもちした、たしかにうまいチーズのピザ。プレインだったが、運動して空腹になっていたのが、あるいみ最高のトッピングになって、おいしかった。

その白いチーズがたしか、モッツァレーラだという説明だった。このモッツァレーラの白いチーズがとても特徴的と。

でも、今よく考えると、普通のピザもモッツァレーラ・チーズを使うのがメインでは?それに普通はトマト・ソースを塗ったりするので赤かったりするのであって、塗らなきゃホワイトということではないのか?など、なぞ。

それでピザを立ったままで食べて、すぐまたツアーに戻って、無事にゴールする。

その後、クラウディアは英国に渡り、いまでは途上国債券のファンドの運用をしているという。3年前くらいに、シンガポールに来たときに久しぶりにあったら、「そうそう、ツアーの最中にブルックリンで抜け出してホワイト・ピザ食べたね」と笑っていた。

遠い昔の若い頃のツアーの想い出。時は過ぎ、もはや体力もおちてきて、ブルックリンのモッツァレーラ・ピザ食べたくても、今やもぅツアーれなぃ夢(....だじゃれ不発弾)。

追記:ネットでみてみたら、最近はこのバイクツアー、どうやらスタテン島までいって5区制覇するみたいだ(それとも、昔もそうだったのの記憶違いか。。。フェリーで帰った記憶はないが)

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