毎週ショートショートお題「クリスマスカラス」
あるクリスマスの朝、メキシコ市のスラム街で、塗装工の父とタコス屋の母のもとにミルとクリスの男の双子が生まれる
貧困から小学校出て働く
ミルは喧嘩強いガキ大将として頭角を顕す
弟クリスは本が好きな少年として育つ
15才の時、父が作業中の事故で死ぬ
16才の時、都市再開発で家の立ち退きを命じられる
ミルは家出をし、クリスは母とスラムに残った
時が流れる
ミルは組織の用心棒として仕事を得たことがきっかけで、ルチャ・リブレ、プロレスの世界に入る
無敵のレスラーとして人気がうなぎのぼり
覆面のミル、ミルマスカラスとして世界を巡業してまわる
クリスはスラムの自治組織に参加し、政府との交渉活動家となる
ある日、同僚が死体で見つかる
政府側の殺し屋の仕業
身の危険を感じる
身を潜める
突如、クリスという覆面姿のスラム活動家が登場
政府の不正を問い詰める
熱弁する
「私は覆面のクリス、クリスマスカラス
私が死んでも、次の、その次のマスカラスが続く
我々の声は殺せない」
(410字)
1990年代にメキシコに実在した社会運動家スーペル・バリオ・ゴメスのお話を参考にしました。
タイトル画はGalleryからプロレスで検索してでてきたカッコいい覆面レスラーのを拝借