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ルッキ
Looki!
昔、90年代に、ブラジル関連の仕事をしていた頃の話。
ある交渉ごとで、相手側の弁護士が結構細かいことを言ってきていて、面倒そうなのがいるなあと思っていた。会ったことがなかったが、会ったことのあるリオの駐在員が、「あいつは、風貌がロボコップのような奴だ」と言っていた。たしか、ロボコップは80年代にはやった映画。どんなに強そうなやつなのか。
出張したリオで実際に会ってみると、すごくいかついヤツが出てくるのかと思ったら、頰のこけた小柄で細い中年のおっさんがでてきた。
「あ、撃たれる前の警官に似てるということか」と納得。たしかに撃たれる前のあの俳優ピーター・ウェラーそっくり。頬のこけかたなんかも。
弱々しい風貌にかかわらず、そのおっさんが交渉のテーブルで、結構強気でいろいろ言ってくる。彼は英語で頻繁に、ルッキ、ルッキと言って、契約書のいろいろな箇所を指差す。
後で分かったのは、ブラジル人はKとかTで終わる外国語はうまく発音できなくてつい語尾に i (イ)の音を添えてしまうということ。日本人が u (ウ)の音を添えて Rukku (るっく)といってしまうのに似ている。
ノヴァ・ヨルキ(=new york), フチボール(football)とか。
ラテン系の言語も、日本語と同じで5つのはっきりした母音の言語なので、けっこう、英語の語尾を発音しやすく変えちゃうということか。
先日、スーパーでセールで売っていたチョコをみてつい、「ルッキ!」と言ってしまった。
とたん、ん十年前の記憶がありありと浮かびあがってきた。