#73【高齢者のデリケートな問題…邪魔するのはやっぱり、『まさか…』】
以前、人生の3つの坂について、
書いたと思います。
もし、お読みでない方がいたら、こちらからどーぞ見ていただけると分かりやすいと思います。
https://note.com/ru_sensei/n/nb0130a23d50a?magazine_key=me4a80c632c1b
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さて、上記を読んだら、3つの坂を知らなかった方もお分かり頂けたと思うので、続けます。
そう、今回も、その『3つ目の坂』のお話。
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転んだ事を認めず、
「滑ったのよ〜」と言い続けた90代女子。
この人がデイサービスを利用し始めて、6〜7年経とうかと思います。
当時は、まだ80代だったんですが、さすがにこれだけ時が経つと、90代半ばになりましたよ。
この人は70代半ば位まで、パートか何かお勤めをされていたようで、本当に元気を絵に描いたような人です。
その人が、お勤めを終了し、ご友人と様々なウォーキングイベントに参加をしたりして楽しく過ごされていた80代後半に、3つ目の坂…まさか、の出来事が起きました。
転倒です。
大腿骨頸部骨折といって、簡単に言うと、
太ももの太い骨の端で、骨盤とくっつく股関節の部分が折れてしまい、手術で人工骨頭という金具を入れました。
病院でのリハビリが終了し在宅復帰されたのを機にうちのデイサービスを利用するようになりました。
私が何気なく、
「どこで転んじゃったんですか?」
っと聞くと、
「転んだんじゃなくて、滑ったのよ!アハハーーーーー」
っと元気に笑う。
こんなやり取りを少し悪ふざけも含めて、
数十回はしたでしょうか。
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さて、本題。
最近…っと言っても、
昨年後半からは顕著になってきていましたが、
立ち上がってすぐには動き出せず動作が遅い
歩行時のふらつき
物忘れが進行
難聴が進行(元々片方は聞こえません)
内服薬の管理が曖昧
っとまぁ、このような事が今年になってどんどん増えてきて、対策をしないと少しマズイかな〜というような雰囲気がむんむんになってきました。
そして、1番デリケートな事…排泄について。
これが、今、うちのデイサービスでこの人に対して戦略を練っている事例なのですが…
介護士さんも、看護師さんも、このような事については慣れていますが、やっぱり人によって違うのでどのように切り出して行くかの方向性や家族にどのように協力を求めるかなど、戦略を考えます。
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そして、そこに「ご本人のプライド」という名の壁が立ちはだかるのです。
洗体時に、便がつく事が頻繁になってきたらしく…
ご家族に連絡してその旨伝えて、対応してくれたようですが、少し大きな声を出す場面もあったそうで…
少し大きめパットをつけるか、リハビリパンツを履いて欲しいと思っている看護師、介護士。
小さい尿取りパット替りのナプキンで間に合うと思っているその人。
そして、難点はココ↓。
ご本人が覚えていられない
もしそういう事があって伝えても、
次の時には覚えていない…
年齢相応を超えてきた物忘れは…
もう認知症です。
私が診断する事はできませんが…
そう考えて対応しないと、
事態は悪化する事がありますので、客観的な事実と対策を提案して納得してもらうのが1番ですが、そうスムーズにいく事ばかりではないのです。
誰がどう対応するかもまた重要だったりもしますね。信頼度は大いに関係します。
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ただ、ここで思う事は、
こうなってから周りに気を使わせるより、
そうならないように努めるのはもちろん、
そうなるかもしれない事を見込んで、
自分が柔軟に対応できる、対応してもらえる考え方を身につけておく事が大事な気がします。
まさか。
自分に限って…とか、
自分はまだ大丈夫…とか、
ああなったら終わりだ…とか、
私はあの人よりずっといい…とか、
私はここで1番元気だし、1番でいたいし、誰にも負けない…とか
この人は、このような事を考えてきたような発言が多かったように思います。
つまり、老いる事は、分かっていて、
実際に老いて来ても、
その事を認められず、指摘されたくもない…
とどこかで思っていたのではないでしょうか。
とっても前向きでアクティブな人で見習う事も多かったのですが、
『老いて箱に従え』ならぬ、
老いては子に従えず(…わず)では、
助けたくても助けられない現状も出て来てしまいます。
何でも、予防できればした方がいいに決まっていると思っていますが、自分が弱って来たり、助けが必要かも知れないと思う頃には、具体的な策を手中に持っておく事は大切なことだと思うし、快適に過ごす為に必要な事だと思います。
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とうとう私も緩くなってきたのか。
じゃあ、快適に履けるリハビリパンツを教えてもらおうかな〜。
その方が粗相しても不安ないし安心して過ごせるわ!
こんな風になると良かったなぁなんて、考えていましたが、さてこの人はどう受け止めていくのか。
お互いにいい方向へ向かうといいなぁと思って止みません。
では、今日はそんなところで。
るぅ先生でした♪
明日も水分をしっかり摂ってお過ごし下さい♪
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