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言の葉を撒き散らす【散文シリーズ】

過去に書いた駄文たちの供養の場。
特に意味もないし書いた時期もまばら。


「私、ずっと消えたいと思ってた」
「死にたいんじゃなくて、消えたいの」
「誰からも忘れ去られて、この世界から消し去られて」
「だからね、願ったの」
「神様に」
「神様はね、私の話を聞いてくれる」
「皆は誰も私の話なんて聞いてくれないけれど」
「神様だけは、私の話を聞いてくれた」
「馬鹿馬鹿しい夢すらも叶えてくれると言った」
「だから私は願った」
「願ったんだけど」
「私は一つだけ間違えた」
「最後の最後で決心が揺らいだ」
「お姉ちゃんにだけは忘れられたくないなって」
「一瞬だけ思ってしまった」
「ごめんね、こんな私のせいで」
「これだけ、言わせて欲しい」
「大好きだったよ」
「……バイバイ」

(主人公を苦しめたいという下心が丸見えのシナリオの最後(?)のシーンになる予定の台詞。怒涛のセリフラッシュ大好きなだけ)


「月虹」

真っ暗な空に一筋の光
月でも虹はできるんだって笑う君の
一筋の涙が頭から離れない

二人っきりで逃げ出して
行く宛もない僕たちは雨に捕まった
ずぶ濡れになって逃げて逃げて
淡い光が僕らを照らした

月の光で小さく光る君の涙は
確かに月虹をうつしていた

(いつか曲をつけたいと思いながら書いた詩。自分でも何が言いたいのかよくわからない件)


桜咲く 口から零れた告白をソーダの泡に流し飲み込む

(短歌を書いてみたかっただけの人)
(一応自創作の設定から派生したやつ)


「ねぇ、海」

―――一緒に、いこう?

◇◆◇

 9月。ジリジリと焼くような日差しこそ収まってきたが、まだまだ暑い日が続くことに変わりはない。残暑なんてなくなればいい。毎年交わす定型文を連ねる今日だって、結局はいつもの延長線にある空白に過ぎないんだって。

 夏休みでもない、ただの平日の夜。小さい星の光と、遠くに揺れるネオンライトが真っ黒なそこを照らす。誘うように行き交う水はどこか小気味よく、それでいて恐怖と羨望を纏っていた。

 手を繋ぐ。少しばかりうつむいて、小さく開きかけた口を閉じる。前を向いて、小さく笑い声を零す。
 足を、身体を、段々と前へと進める。

水が、纏わりついてくる。
汚れきった何かを振り払うように。
何処かへ誘い込むかのように。
真っ黒な底へ、吸い込まれていく。

◆◇◆

嘘つき。一緒に来てくれるって言ったのに。

また、裏切った。

いつまで経っても僕は一人だよ。

ねぇ、海。

いつになったら、一緒に来てくれるの?




(怖い。何を思って書いたのか分からなくて怖い)

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