健やかに働くための「健康経営」
はじめに
「従業員や組織の幸せを願うと、最終的に辿り着くのが健康経営」
最近とても耳にすることの増えた「健康経営」
私も健康経営に出会い、その考え方や概念に共感し、
東京商工会議所の「健康経営エキスパートアドバイザー」(鹿児島県)を取得するまでに至りました。
健康経営は業種や規模を問わず、全ての企業や組織で導入が可能だと思います。しかも企業風土や組織風土に沿う内容で少しずつ無理なく始めることのできる経営戦略でもあります。 そのような”魅力的な経営”についての内容を今回は書き記したいと思います。
「健康経営とは」
「健康は大事」と理解はしているものの、日々意識している方は少ないのではないでしょうか。
ましてや仕事が多忙であればあるほど、健康にまで意識を向ける余裕がなく二の次になる方も多いと思います。
まずは健康経営に関心が集まっている背景から話を進めます。
健康経営に関心が集まっている背景
健康経営に関心が高まっている背景として、大きく3つ挙げることができます。
従業員の高齢化に伴い、病気等により貴重な人材が継続して働けなくなるというリスクが高まっていること、少子化により生産年齢人口が減少し、長期に亘って深刻な人手不足が続くこと、高齢化による国民医療費の増加が企業の社会保険料負担の増加に繋がっていることなどです。
こうした日本の構造的な課題を背景に、人材を確保し、長くイキイキと企業で働いてもらえる環境づくりが、継続した企業活動には不可欠であると考える経営者や組織が増え、健康経営への関心が高まっています。
上記3つは言われれば多くの人が理解できる背景だと思います。
しかし、短期的な戦略では改善できず長期的な視点を持ち、戦略を立てる必要のある事柄でもあります。
健康の定義を考える
冒頭でも述べましたが、
従業員や組織の幸せを願うと最終的に辿り着くのが「健康経営」だと私は思っています。
私の考える「健康」の定義は、大きく3つです。
3つに共通している点は「自分らしく健やかに生きている実感を伴うこと」ではないでしょうか。
加えて、心身の健康だけでなく、社会的な健康(地域や職場、コミュニティーなどの人との繋がり)もとても大切だと思います。
健康経営の最終目標は上記3つの状態を全ての職員が満たせている状態だと私は考えています。その目的を達成する為の手段が健康経営です。
「健康こそ、生きていく上での全ての土台」という言葉があります。
誰もが理解し、誰もが当然に認識し、無意識に受け入れている言葉です。
しかし、多くの人が日々の忙しさに忙殺され、忘れがちな言葉でもあります。
だからこそ、健康経営が広く認知される中で、改めて各個人の健康への認識が深まって欲しいと思います。
健康経営の誤解
「健康経営」というとよく誤解をされます。
「運動すれば良いのね」「健診を受診すれば良いのね」と考えられがちです。
それはあくまで健康経営の中の一部に過ぎませんし、あくまで手段の一つでしかありません。
上記健康の定義でも述べましたが、健康経営は従業員が幸福感を得ながら仕事に取り組めるようあらゆる状態(心身・環境・場)を整えることです。
従業員自身の健康管理は勿論のこと、経営理念、組織管理体制の整備、ハラスメントや働き方等の人事に関する事柄など組織の健康状態を含む、とても幅広い経営戦略です。
健康経営のメリット
健康経営を実践することでのメリットは沢山ありますが、その中の一つに
「従業員の離職率低下」があります。
多くの企業が悩む人材の流出問題。
その一つの解決方法として「健康経営」は有効だと言えます。
また、健康経営に取り組む企業の特徴として「有給休暇の取得率が高い」ことも指摘されています。
「健康経営」は経営者、従業員ともにとてもメリットのある経営戦略と言えるのではないでしょうか。
まとめ
今まで健康経営は「経営戦略」と述べてきましたが、その主役は組織ではなくあくまで「個人」です。
勿論、組織としても心身の健康状態の悪い従業員よりも健康状態の良い従業員の方が生産性が高く組織への貢献度も高まる為、必要な人材とみなします。
そして、上記定義で述べた3つの状態の従業員が組織に増えることで、生産性が高まり、コミュニケーションやエンゲージメントも高まり、結果、従業員自身の幸福度も高まる等、健康経営を行わない理由は見当たらないと思います。
企業の未来を色濃く、彩り溢れた世界にするには
従業員の未来に寄り添うこと。
その一つの手段が従業員の健康に目を向け、
健やかに働ける環境を創る健康経営。
「従業員や組織の幸せを願うと、最終的に辿り着くのが健康経営」