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医事課のイメージは「受付の人」

※ここでの医療事務は「医事課所属の職員」を、管理職は「病院事務職の医事課以外の役職者」という意味です



【医事課のイメージは「受付の人」】
当時、医事課職員が数十名いるにも関わらず、受付・計算・会計・レセプトのみを業務とする人材しかおらず、この4つの業務こそが医事課の業務だという認識しかない部署と組織体制に疑問がありました。

一般的な医事課のイメージは「受付の人」が大半だと思います。これは決して間違いではありません。
ただし、病院により医事課に対する認識は異なるのは事実です。
医療機関の規模や機能によって業務内容や業務管轄等は千差万別。
勿論、各医療機関のトップの考えにも組織体制は左右されます。

以下、私自身、総合病院と中小病院を経験してきた事で見えた個人的な主観になります。

病院には大きく分けて医事課重視型の病院と軽視型の病院が存在すると思います。

【医事課重視型の病院】
・医事課を病院経営の基礎を学べる部署として位置づけている
・新卒や中途採用者に期間を決めて医事課を経験させる体制がある
・病院全体として事務部門に病院経営を意識した教育体制がある
・院長、理事長等のトップに医事課の必要性が認識されている

【医事課軽視型の病院】
・派遣職員でもできる業務という認識しかない
・定型業務やルーチン業務だけさせればよいと教育体制がない
・医事課の業務は誰でもできる、代わりの人員は沢山いると認識されている
・レセプト請求等に関わる業務を全て外注している
・医事課以外の事務部門に医事課経験者が不在

やはり規模が大きい病院ほど人材に余裕があり教育体制が整備されているなどの理由から「医事課重視型」の病院が多い印象。
逆に医事課軽視型の病院ほど人材の採用に余裕がない、転職組が多い、ジョブローテーションの余裕がないなどの理由から「医事課の業務は受付」という認識になる傾向があると感じます。

補足としてここでの話は「医事課を軽視せず、病院事務職員なら全員医事課を経験すべきだ」という事ではありません。
事務部門の管理者でありながら、
例えば、
・病院とは病床数が20床以上
・高額療養費制度とは何か
・薬局を指定して患者を誘導してはならない
・診療報酬改定は2年に1度行われる 等

の医療業界に携わるなら最低限把握しておくべき知識を知らない方々に疑問を抱いています。
全ての知識を正確に知る必要があるという事ではなく、「最低限の医療全般の知識」を知る必要があるという事です。
上記も理解していない状況の中で「医事課の業務は受付のみだ」と決めつけるのはどうなのでしょうか。
医療業界で働く以上、医療全般の最低限の知識を得る姿勢は必要だと思います。
その認識の欠如が、「医事課の業務は受付のみだ」という認識に陥っている一つの要因だと私は思います。

【今後求められる医事課の業務とは】
医事課の業務は、受付、会計、計算、レセプト業務だけできれば良いという時代は終わりつつあると思います。それしかできないのならAIの代替候補になりかねません。
その次のステップである管理業務や分析業務もでき、それ以上に医事全般の業務+α(強み)を求められる事になるのではないでしょうか。
そのような時代の流れの中、医事課の業務を受付のみと考えている医事職員や組織は取り残されていく可能性が高いと言えます。

【まとめ】
以上を踏まえて逆に病院の方針が「接遇に力を注ぎ受付特化型の病院を目指す」としてもその方向性には大賛成です。
ただし、時代の流れをしっかりと把握し受付業務以外の業務内容等も理解されての判断ならばです。
受付業務以外の業務がないがしろにされていて、理解もなく、ただただ医事課の業務は受付業務が全てだという認識は違うと思います。

最後に繰り返しになりますが、
医事課の業務は受付・計算・会計・レセプト業務だけが全てではなく、
管理業務・分析業務等全て含めて「医事課の業務」です。

 今後医事課のイメージを「受付の人」から変化させていくには、
私達自身がまずは院内で率先して貢献し価値を提供していかなければなりません。

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