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命のリレー それを眺めるもう一つの視点

僕は毎日自転車で通勤している
自転車の上で神様に祈りながら こいでいく。

通勤時間 色んな人が色んな場所に向かっている。
幼稚園に子供を連れていくお母さん 男子高校生
家の前を掃除するおばあさん
各自の場所で各自の方向に向かってせわしなく動いている。

今朝は、ベビーカーを押すお母さんと赤子が目に留まった。
2人の姿を早送りで見てみた。

母親と赤子。脈々と続く命のリレーが見え、
まだ張りのある肌はしわくちゃになり、背骨が曲がった
赤子は麗しい女性になり、すらりと伸びやかに。そしてまた、老いていく。
2人の背丈は逆転し、また伸びた背丈は曲がっていく。

こうやって、芽吹いては伸び 伸びては老い 老いては枯れていく
そして枯れてはまた、新たな目が芽吹く。
そんなリレーが脈々と伝えられてきたことを感じ、
それをとても愛おしく感じた。

人生を生きていれば、あたかも長く感じる。
若さがずっと続くように感じるし、お母さんはお母さんのままで
私も私のままであるように感じていて
ある時に時間の早さに驚き 老いに追い越され 
次の世代を眺める眼差しを得ていくのだろう

人間の目には人間のスパンで見えるが
これを眺める神様の、切なく人間を愛おしむ心を感じた。
生まれてはまた、繰り返されるそのリフレインに底なしの
愛深い目で眺める神様の心はどんなだろう。

二度度生まれることがない命が生まれていき、リレーを繋いでいく。
その人の言葉 声 心は二度と見られない。
永遠に帰ってこない一瞬ばかりに、
何を思いながら そのリレーを眺め、
同行し、感じ、考え、表現されていくのだろう

その視点に立った時、世界がもっと愛おしく見えた。
世界をもう一つ正確にとらえられた気がした。
神様の事を知るほど、世界に深みが増していき、愛が深まっていく。

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