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JAC Recruitmentで万博パビリオンの運営を行った話

こんにちは、RtoRの井川です。

先日、新卒で入社したJAC Recruitmentに同期何人かで訪問し、オーナー夫妻の田崎さんとひろみさんにご挨拶させていただきました。

私が退職して以来お会いしていなかったので、およそ16年ぶりにお会いさせていただきましたが、以前と変わらぬパワーを感じることができました。

新卒入社として私たちが1期生で、内定当時は60名ほどの中小企業でしたが、今となっては国内1500名を超える立派な会社になりました。

そんな今日は、今のJACの人たちには想像もできないような過去のビジネスについて書いてみたいと思います。私が社会人3~4年目、25,6歳くらいの頃の話です。

「20年前の愛知万博」

皆さん、覚えているかたもいらっしゃるかと思いますが、いまからおよそ20年前の2005年に愛知県にて「愛・地球博」として万博が開催されました。

私よりも若い世代の方は、学生や子供だったと思いますので、あまり記憶にないかもしれませんが、2005年当時の愛知県と言えば、飛ぶ鳥落とす勢いのトヨタ系企業が経済界を席巻し、新たな国際空港として「セントレア空港」が開港し、また同時期に万博が開催するなど、愛知県(名古屋)がかつてないほど注目されていた時期でした。

JAC Recruitmentは、その前夜である2004年に名古屋支店を立ち上げ、その立ち上げ要員として私も赴任させていただきました。

「スペイン大使との商談」

当時の私の上司で、名古屋支店長兼、派遣事業部の管掌役員もされていた池田さんは、前職アデコでの派遣事業責任者の経験を活かし、JAC名古屋での万博案件の獲得に燃えていました。

2004年のまだ暑さの残る夏の終わりごろだったと思います。

当時派遣元責任者をしていた私は、池田さんから「今度スペインパビリオンのコンペに向けた商談があるからついてこい」と名古屋駅のマリオットホテルの会議室に同行したら、そこにいたのは、スペイン大使とその取り巻きと通訳という状況。英語もスペイン語もわからない二人で何とかあいさつを終え、いよいよパビリオンの運営について説明がありました。

同席していた競合他社は、電通系子会社の広告代理店と、地元の名鉄グループの広告代理店でした。

説明の内容としては、英語がなかなかはっきりと聞き取れないものの、とんでもなく大きな金額の発注であることはなんとなくわかりました。成功すればスペインパビリオンの運営だけで数億単位の受注です。

パビリオンで働くスタッフの運営以外にも、シェフや運転手の調達、スタッフの衣装などの選定など、運営全般を任されるものでした。

私は、その年に名古屋に進出してきた派遣会社が、電通系や名鉄系の大手広告代理店とのコンペなど勝てるはずもないだろうと高を括っていました。

「まさかの連戦連勝」

その日から、池田さんは黙々とデスクで作業を始め、私は人材紹介業務で残業、池田さんは派遣事業のコンペ資料作成で残業という日々が続きました。

そんなある日の夜、「井川できたぞ!」と興奮気味な池田さんから声がかかりました。

池田さんのパソコンを覗き込むと、派遣スタッフの稼働表のようなものを指さし、「井川、これは大手の広告代理店には絶対作れない、これで勝負する」と、私は「おぉ、輝いてんなこの人」と思って可笑しかったことを覚えています。

その後、しばらくたってからスペイン大使から連絡が入り、スペインパビリオンの運営全般をJACで請け負うことが正式に決まりました。

その後も、本家本元のイギリスパビリオンの全スタッフ、ドイツやその他の外国パビリオンの一部のスタッフなどを受注し、トータル的な相当大きな受注をすることになりました。

「人材紹介会社で想像もしない仕事に感謝」

案件の受注後は、諸外国で働きたい派遣スタッフの受け入れで、名古屋支店の当時の小さな受付が外国人バックパッカーで埋まりてんやわんやの大騒ぎです。

更に、スペインパビリオンのコンパニオンの方々が着る衣装の発注、帽子、靴、かばんなど全て当時のメンバーが素人ながら、あのデザインが良いとか、この色のほうが良いとか言いながら決めていきました。

そして遂に2005年の春から秋にかけて半年間もの間、各国のパビリオンに派遣スタッフを派遣し、大きな問題もなく大成功で万博事業を終えることができました。

万博を受注した2004年頃は名古屋支店の社員は5~6名しかおらず、この話を知っている人はほとんどいないと思いますが、JAC名古屋支店の功績として書き残したいと思います。

「エキセントリックな部下」

ちなみに、当時池田さんから「お前はひろみさんにエキセントリックな子だ、と言われてるぞ」と言われたことがあります。

エキセントリックと言えば、私たちの世代ではダウンタウンの松ちゃんがエキセントリック少年ボウイというキャラをしていたことで有名ですが、その当時ひろみさんがダウンタウンのごっつええ感じは見てないだろうなと思うことから、リアルなほうの英語的意味合いで使ってらっしゃるのではないかと推測していました。

エキセントリックの意味は、「〈性格・行為・人などが〉常軌を逸した、異常な、とっぴな、風変わりな、奇矯な」とあり、英語ではあまりいい意味では使われません。

確かに、言われてみればたまに異常行動をする私をいつも守ってくれた池田さんには感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。

久しぶりにオーナー夫妻や後輩たちにも会ったことで、昔のことを思い出し、今は亡き池田さんに思いを馳せて書かせていただきました。

来年は大阪万博、成功すると良いですね。

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