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人材紹介会社のリモートワークはどこまで続くのか?

こんにちは、RtoRの井川です。

早いもので2025年も半月が経過しました。
世の中はどこに行っても人だらけで、飲食店も繁盛していますし、ホテルもインバウンドの影響で以前の1.5倍~2倍くらいの値段になっていて、コロナはどこにいった?という感じですね。

そんな中、人材紹介業界は世の中の水準以上にテレワーク(リモートワーク)が進んでいる業界だと思いますが、その働き方は今後どうなっていくのか?について考えてみたいと思います。


「日本のテレワークの現状」

それでは、現在の日本のテレワークの状況はどうなっているかと言うと、パーソル総合研究所が昨年調査した結果では、「2024年7月のテレワーク実施率は22.6%で、前年同期比で微増。テレワークが定着する傾向を見せている」とあります。

また同調査では、テレワークを実施する方に継続の希望を聞いたところ、「続けたい」が80.9%と非常に高い継続希望があるようです。

ただ他のサイトの調査では、2024年3月時点でテレワークを導入している会社が17%という調査結果もあることから、実際には全体の20%前後がテレワークを導入、継続しているイメージかと思います。

「人材紹介業界のリモートワークの状況」

その中で、人材紹介業界を限定してみてみると、私の肌感覚になりますが、リモートワークも取り入れ、出社とハイブリッド型にしている人材紹介会社は7‐8割程度あるように思います。

全業種では20%程度と考えると人材紹介会社のテレワーク導入率は非常に高いほうだと思います。

また、テレワークを導入している会社の5%くらいの会社はフルリモートワークを導入しており、北海道から沖縄まで住む場所も自由に決めることができます。しかし、フルリモートワークでロケーションフリーの人材紹介会社は流石に少なく、週1日以上の出社を義務付ける会社が多いように思います。

また、会社によっては週1日出社もあれば、週4日出社の会社もあり、まちまちですが、どちらが多いというわけでもなく、週1日出社から週4日出社までバランスよく分散している印象です。

但し、弊社で取引がある人材紹介会社の多くが、ホワイトカラー層向け、且つ、ミドルクラス以上、両面型の人材紹介会社が多いため、ここに分業型や若手(新卒、既卒、第二新卒など)やブルーカラー、エッセンシャルワーカーなどの人材紹介も入れるともう少しテレワーク率は下がるのではないかと思います。

理由は明確で、若手層や低単価の人材紹介は比較的社員も若く習熟度が低いため、教育的負担を考慮すると出社させた方がマネジメントコストが低くなるからです。

「コロナ禍以降の各社の対応」

弊社では、メインの取引先が人材紹介会社となりますが、昨年一年間を通して出社頻度が若干増えているような印象です。

また、会社全体での取り決めとして出社を増やす会社もありますが、部門やチーム単位で上司の判断で出社を増やすケースがあったり、個々の業績次第で出社を求めるケースなど、一律のルールと言うよりは、個々の事情に合わせてルールを決めているケースなどが増えたように思います。

また、傾向としては、ミドルクラス以上の人材紹介を行う会社でも、採用は人材紹介未経験者を採用する会社や、生産性が伸び悩んでいる会社などは、育成やマネジメントの観点で出社頻度を増やしているように思います。

一方で、特に近年立ち上がった人材紹介会社などで経営者も若く、リモートワーク環境下でもマネジメントに長けた経営者がいる会社では、今でもフルリモートワークや週1出社などを続けています。

「今後人材紹介会社のリモートワークはどうなるのか?」

以上のようなことからも、下記のような企業では出社回帰を辿るものと思います。

・人材紹介未経験者採用が中心
・若手、低単価、手数(数量)が多い人材紹介会社
・生産性が上がらない(下がっている)人材紹介会社
・経営者がリモートワークはサボる人が増えると思い込んでいる など

実際に、フル出社を行っている人材紹介会社の社員さんから転職相談を受けることが多く、多くの方々が仰るのは、「フルリモートワークでなくてもいいので、自分の判断で週1日でもリモートワークができる裁量が欲しい」というものです。

ある程度実力の付いた人材紹介コンサルタントであれば、フル出社しなくても必要な情報を自分で取りに行けますし、案件の進行も上司に相談しなくても自分で判断できます。そのような方々からすると、他のエージェントではリモートワークをしているのに、自分の会社だけフル出社を強要されるようでは、かなりの人が転職を検討するのも頷けます。

ある程度人材紹介ができる人からしたら、「通勤に時間をかけるくらいなら1件でも多くスカウトを打ったり、面談したりして、終わったすぐに家でゆっくりしたい」と思うでしょう。

大事なことは、コンサルタント(特にシニアコンサルタント以上)が自分の裁量で判断して、「働き方を選べるようにすること」です。

そもそも人材紹介コンサルタントの気質として、自由を求める方が多い傾向にあると思いますので、「完全なる出社」を求められると反発する方も多いのではないでしょうか?

「リモートワーク環境で働くために」

一方で、リモートワーク環境メインで生産性が上がらない組織もあります。

そのような組織の場合、思い切ってフル出社や週4出社に変えるなどの施策も必要だと思います。但し、生産性が低い人とマネジメントをする人に限ってやらないと、売れている人から辞めていくので注意が必要です。

また、人材紹介ビジネスも益々競争が激化しており、以前の様に売上が上がりにくい市況になっています。そのため、リモートワークをしているコンサルタントでも生産性が低い方の場合、次の会社に転職する際に選択肢がなくなる可能性もあります。

リモートワーク中心の方こそ、シビアにご自身の生産性を振り返り、生産性を上げるために出社して情報交換を積極的に行ったり、同僚の仕事ぶりを見て刺激を受けたり、社長や上司にアドバイスを求めたり、自ら外に出てスキルをブラッシュアップする必要があるのではないでしょうか。

具体的には売上(粗利)3000万円以上できないと、そう遠くない将来、リモートワーク中心の人材紹介コンサルタントの居場所はなくなっていくものと思います。

そういう意味では、人材紹介コンサルタントのリモートワーク環境は「実績次第、腕次第」という感じなんだと思います。

未経験者やジュニアなコンサルタントはフル出社~週4日出社、シニアコンサルタントは週1日~4日出社のハイブリッド、経験豊富で売上好調なコンサルタントはフルリモート可といった習熟度合いに合わせたルール設定が本来相応しい仕事なのではないでしょうか?

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