どうなる2025年の人材紹介？
こんにちは、RtoRの井川です。
2025年一発目のテーマとして、今年の人材紹介業界予想図について書いてみたいと思います。
人材紹介と一口に言っても、「新卒、第二新卒、中途」「エグゼクティブサーチ～若手層」「総合型～特化型」「ホワイトカラー～ブルーカラー」など多岐にわたります。
前提として、今回の対象は「ホワイトカラーの中途採用領域＋若手～ミドル/ハイクラスの人材紹介」といった分野が中心になりますので、ご承知おきください。
「引き続きスカウト運営事業者次第のエージェント業」
昨年に続き、今年も多くのエージェントがスカウトサイトを利用した集客を目論んでいることと思います。
昨年は、大手スカウトサイトのスカウト通数制限があったと思ったら、数か月後にスカウト付与数が大幅に増えるなど、個々のコンサルタントの日々の活動に多大な影響が出たことがありました。
また、他のスカウトサイトでは、これまでのような求職者検索ができなくなり、求人票添付がマストになったり、AIによるレコメンド的なマッチングが主流になり、非常に扱いにくくなるなどしました。
つまり、スカウトサイト運営事業者サイドの変更により、我々エージェントサイドも動き方を変えていかなければならないという一蓮托生の関係であることが浮き彫りになった1年でした。
今年はどんな仕様変更、ルール変更が発生するかわかりませんが、スカウトサイトの意思決定により、人材紹介会社各社も戦略変更を余儀なくされるケースが引き続き発生すると思います。
「自社集客が強い会社が業績を上げる」
業界全体がスカウトサイトへの依存度を高めていく中で、一部の大手エージェントや特化型エージェントにおいては、継続して自社ブランドを磨き続け、自社集客が強いエージェントがあります。
そのような会社は、他のエージェントと違い「同じ釣り堀で釣りをする」必要がないため、自社独自のデータベースも活用して戦えるため、コンサルタントとしては比較的戦いやすいです。
また、一部のブティック系エージェントや個人のネットワークが強いコンサルタントはリファーラルによる人材紹介もできるので、スカウトサイトなどで動き出す前の求職者を独自ルートで紹介することも可能です。
このような人材紹介ができる方は2025年も安定した業績を上げることができると思います。
「自社データベースの活用力が問われる」
また、意外と進んでいないのが、自社で面談した後の求職者ベータベースの構築、共有化です。
スカウトサイト経由にしても、自社集客にしても一度面談さえすれば、自社求職者となりますが、各コンサルタントが面談した後のシステム入力を怠っていたり、必要な情報が入っていないこともあります。また、情報を入れても検索するシステムが脆弱だったりすると、折角苦労して求職者と面談を行ってても、そのタイミングでベストマッチングに至らなければ、求職者情報が有効活用されずに意味のないデータとなります。
30人のコンサルタントが毎月20人の求職者と面談すれば、1ヶ月で600件の求職者データベースになります。年間で7200件です。5年やれば3.6万人です。MAツールなどを使って3.6万人のうち毎年5％が再登録になればそれだけで自社集客は1800人になり、3ヶ月分の面談者数と同等のインパクトがあります。
今伸びているエージェントの社長はITリテラシーも高く、この求職者情報の有効活用がどれほど大切かを理解していますので、システム投資やそのための教育に多大なコストと労力を投下します。そのようなエージェントは今年も伸びることになるでしょう。
「同じ釣り堀で勝負しない」
これまで求職者の獲得について書いてきましたが、そもそもいい求職者はいい求人に引き付けられるものです。
スカウトサイトにしても自社マーケティングにしても、良い求職者と面談できても「いい求人」がなければその後決定することが難しいでしょう。
私の知り合いのコンサルタントは、「世の中に出回らない案件」を紹介することが得意ですので、大手スカウトサイトで数十％の返信率で仕事をしています。
その人からすると、大手スカウトサイトが多少ルール変更しても全く影響がありません。スカウトサイト上の求職者が、こぞって応募したいと思う案件を獲得する力があるからです。
2025年の人材紹介も同じ方法で勝負するのか？個人のネットワークを強化して人とは違い方法で勝負するのか？若しくは、特定の法人に入り込み世の中に流通する前の求人で勝負するのか？
当社としても、今年は新たな施策を行い、去年までと違う方法で業績向上に向けてアプローチしてみたいと思います。
皆さんにとって、いい意味で変化に富んだ豊かな一年になることをお祈り申し上げます。
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