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リーマンショックが起こり人材紹介業界はどうなったのか?

こんにちは、RtoRの井川です。
 
私は、2002年に新卒でJAC Recruitmentに入社し、それから20年以上人材紹介の業界に身を置いてきました。
 
この20年以上を振り返った時に、業界全体の最大の危機としてあったのは「リーマンショック」ではないでしょうか?
 
私より年上や同世代の方は当時の惨状を覚えているかと思いますが、ここ10数年で社会に出た人たちからすると、昔に起こった経済危機の一つくらいにしか感じていないかもしれません。
 
人材紹介業は景気に左右される業種のため、100年に1度と言われた経済危機に際し、人材紹介業界がどうなったのか?ということを書き記したいと思います。

「リーマンショックの前の人材紹介業界」

リーマンショックは、2008年9月に起きた米投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻を機に、世界的な金融危機と不況に発展した現象のことを指します。
 
リーマンショック前の日本の転職市場は、今日の市況と同様に採用意欲旺盛で、それに呼応する形で人材紹介業界もプチバブル的な様相で、人材紹介各社は新卒も中途も採用しまくっていた時期でした。
 
実際に当時私の上司だった方も、「半期で150人採用するんだ!」なんて無茶なことを言っていたことを思い出します。その採用を受け入れる私たち現場のマネージャーは、日々入社してくる中途採用者の育成で仕事に嫌気がさしていました。

「リーマンショックを境に求人がなくなっていく」

2008年10月以降、リーマンショックの余波も日本にも及んできて、2008年の12月ごろには当時募集中だった求人の半分はクローズすることになったのではないでしょうか?
 
また、2009年も悲惨で半分になった求人は更にもう半分くらいがクローズしたような印象で、元々あった求人の7割~8割くらいがクローズになるという危機的状況になったと思います。
 
かろうじて募集を継続する求人も、リーマンショックの環境下で厳選して採用する「いい人いたら採用する」モードに突入し、紹介すれどもすれども「お見送り」の山を築くことになりました。
 
また、今日では十分に即戦力と定義されるような人材でも、よほど優秀な方でない限り転職活動には苦戦し、なかなか書類選考も面接を通らないという、今では考えられないような状況かでした。
 
その中で台頭してきたのがビズリーチです。優秀な人材がお金を払ってでも登録し、自分だけのスカウトを待ちたいという欲求が当時の転職市場には間違いなくあり、個人からお金を徴収するスカウトサイトなど誰も想像しなかったものを世に広められたのも、リーマンショックという大不況の産物だったと個人的には感じています。

「当時採用された人たちはどこに行ったのか?」

当時大手エージェントはこぞって人材紹介コンサルタント(RA/CA/両面)を採用し、大量の社員を受け入れていました。
 
しかし、そこにこのリーマンショックが発生し、2009年の新卒の方は本当に大変な思いをしたのではないでしょうか。
 
ある大手人材会社は、人材紹介部門で採用したものの、ニーズがないとわかると新卒の多くを有線放送の営業に異動させ、どぶ板営業に従事させたりしましたが、これはまだ雇用を維持する意味ではましな方で、ある大手人材紹介会社は、内定者を全員集めて説明会を開催し、「当社は来年まで持たないかもしれないから、内定辞退して下さい」と実質内定切りを行ったりしました。
 
このような活動が各社で行われた結果、人材紹介業界の人気は地に落ち、「不況に弱い業界」「入社してもリストラされる」「雇用が不安定な業界」という烙印が押されることになりました。

「不況を乗り越えるコンサルタント」

さて、ここまでリーマンショックにより人材紹介業界に起こった悲劇について書かせ頂きましたが、リーマンショックは人材紹介以外のほとんどすべての業界にダメージを与え、異業種に転職しても営業であればなかなか売上が立たない、人事に転職した後輩は、採用ミッションで転職したものの、ミッションがリストラに変わり泣いているような状況でした。
 
そのような悲観的な状況でもコツコツと営業活動をしていけば、全盛期ほど売上が立たなくても何とか生きてくことができます。
 
また、100年に1度の不況と言われましたが、個人的には2年か2年半ほどで徐々に採用意欲も上がってきて、転職したい人も増えていったので、2年我慢すれば何とかなるという経験にも繋がりました。
 
では、リーマンショックの最中においても売上を上げることができたコンサルタントはどのようなコンサルタントだったでしょうか。
 
・コンサルタント独自のコネクションで人事経由以外の求人獲得ができる
・ジュニアクラスの求人は軒並みクローズするため、ハイクラス~エグゼクティブクラスの求人開拓ができる
・得意とするクライアントから絶大な信頼があり、コンフィデンシャルな求人を獲得できる
・新規開拓をやり続けることができ、常にテレアポを行える

 
つまり、求人開拓力があるコンサルタントは不況時でもなんとか食っていくことができました。そのため、最近ではキャンディデートオーナーシップを取っているエージェントも増えていますが、不況時には弱い仕組みだと思いますので、法人/求人開拓力という点を組織・個人としてどのように補っていくのか?という点は、来るべく不況に備えて必要な観点ではないでしょうか?
 
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