まずは100件決めてから
こんにちは、RtoRの井川です。
弊社には、大変ありがたいことに人材紹介コンサルタントとしてのキャリアアップを目指し様々な方がご相談に来られます。
既に離職されており早期に次を探している方や、年末で退職が決まっているかもいらっしゃいますが、中には情報収集や現在地点の確認などでご相談に来る方もいらっしゃいます。
「まずは100件決めてから次を考えましょう」
よくあるご相談としては、今すぐに転職を考えていないものの、「現在の会社では長く働くイメージが持てない」「社風があっていないかもしれない」「中長期的なキャリアアップを考えると今の会社ではないと思う」などです。
そのような方でも、現職では一定水準の成果を出され、評価もされています。人間関係も特別悪いわけではないので、もうしばらく頑張って続けたいという方々です。
そのような方々にお伝えするのは、「折角今の会社で成果も出せていて、人間関係も良好なのであれば、まずは100件の転職支援を成功させてはいかがでしょうか?」ということです。
人材紹介を0から初めて100件まで決定を出せるようになると、一通りの経験を積むことができますし、「一通り経験した」と胸を張って言えるのも100件以上くらいからではないでしょうか?
「JAC RecruitmentにはOne hundred clubが存在する」
人材紹介大手のJAC Recruitmentには「100+Club(ワンハンドレッドプラスクラブ)」というものがあるようです。
これは、私が新卒で入社したころから使われていた言葉(ワンハンドレッドクラブ)の発展形だと思いますが、100件以上の転職支援の実績があると表彰されそのクラブに入ることができるというものです。
更に、200件プレイヤー、300件プレイヤーと格が上がっていく制度のようで、JACの本社受付前には、ハンドレッドクラブメンバーの名前がずらりと書かれています。
私が在籍していたころは、そのような明確な表彰制度や表示ボードやバッジのようなものはなく、「あの人はワンハンドレッドクラブのメンバーで凄腕なのよ」と密かに人から人に伝わっていくものでした。
話がそれてしまいましたが、「100件決定」ということが「十分な経験があるコンサルタントか?そうでないか?」を分岐する一つの指標としてはなかなか面白い指標だと思います。
「すぐにできたと思うなかれ」
人材紹介経験者の中には、特に人材紹介を始めて1~2年で高い成果を上げてしまった方に多いのが、「人材紹介は簡単だ」「こんな簡単な仕事ではキャリアアップにならない」「こんな簡単に決まるならもっと稼げる会社にいきたい」と、早い段階で成果が出てしまったばかりにご自身の力量を勘違いされる方が結構いらっしゃいます。
しかしそれは、その会社がそれまで培ってきたブランド力や集客力、営業の仕組化、効率化の賜物であって、その仕組み乗っかり、その中では頑張ったほうではあるものの、実際に自分で求人を開拓し、自分でスカウトしてソーシングし、両面で決めていくほどの力がない方もいらっしゃいます。
そのような方々は「それは勘違いだよ」と言ってくれる上司に巡り合わなかったのだと思い、かつての自分とも重なり、なんとも言えない切ない気持ちになります。
「100件決めるとどうなるか?」
では、実際に人材紹介を0から行った場合に、100件決めるまでにどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
1年間で20人の転職支援をした場合は5年、1年間で25人の転職支援をした場合は4年となります。もっと時間がかかる場合は、毎月1人決定して年間12人、このペースだと8年以上かかります。
大体ハイペースに決定を出したとしても4年くらいはかかるのではないでしょうか?
100件くらいのプレイスメントを決めると、様々なタイプの人事や社長、役員とも仕事をすることになりますし、各社各様の採用ニーズを経験するでしょう。
一方で、様々なクレームを受けたり、内定辞退や入社辞退、早期退職の憂き目にあうかもしれません。
求職者も良い人ばかりだといいですが、100件も決める過程で、最低な求職者とも出会うかもしれませんし、実際に高い確率で出会うことになるでしょう。
それでもなお、毎日、毎月、毎年コツコツと人材紹介を行った先にしか100件決定にリーチすることはできません。
「人材紹介は短距離走ではなく、中長距離走」
多くの会社では短期的な業績に対する表彰や昇給、昇格が用意されており、逆に短期間で成果を出せない人には冷たくあたる傾向がありますので、人材紹介を短距離走的に捉える方もいらっしゃるのですが、1個人におけるキャリアの観点では、「どれだけ長く安定して業績を上げられるか?」が最も大切です。
1年、2年くらいまでは高いモチベーションで、頑張って成果を出すことができる方が一定数はいらっしゃいますが、3年、4年と成果を出し続けることが難しい仕事でもあります。
前述の通り、クライアントから大きなクレームを受け矢面に立たされるときもあるでしょうし、そういう時に限って悪い話が続き、粘着質な求職者から今で言うカスハラを受けることもあるでしょう。そして、そのことで上司からも叱責を受けるともう目も当てられません。
そのような状況でも高いモチベーションと倫理観で仕事に向き合い、5年、10年、20年と成果を出し続けることができる方は一握りです。
まずは100件決めておくことで、そのような内外に発生する様々な障害が発生しても、ある程度安定した気持ちで仕事に取り組むことができるようになるのではないでしょうか。
今人材紹介をやりながらモヤモヤしている人の中で、「まだ100件も決めていない」という方は、モヤモヤ考えるのをやめて「100件決めたらまた考える」にしてはいかがでしょうか?その時に見えるものは今と違っているのではないかと思います。
100件以上決めてるけど、モヤモヤし続けている人や、どうしても今の会社に合わないけど、人材紹介が好きだという方は今すぐご一報ください。
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