人材紹介会社の後継者問題
こんにちは、RtoRの井川です。
私は人材紹介コンサルタントの採用支援に特化したエージェントを経営しておりますが、この人材紹介会社専門エージェントを経営しているとふと思うことがあります。
それは、「この会社の事業承継はどうされるのだろう?」ということです。
特に「老舗エージェント」と言われるブティック系エージェントで、創業15年、20年以上となってきている会社さんでは、オーナーが60代、70代近くになってきているエージェントが増えているように思います。
「進んでいない人材紹介会社の事業承継」
老舗と言われるエージェントの多くは、創業社長が今でも社長や会長として前線でマネジメントやプレイヤーをされている会社が多々あります。
そのような会社の社長に将来の経営ビジョンについてお聞きすると、大体の社長は「もっと会社を大きくしたい」「将来的には誰かに事業を引き継いでいきたい」と仰ることが多いですが、現実にはなかなか一定以上の規模にできていなかったり、No,2が不在の企業が多いように感じます。
特にオーナー企業系エージェントのNo,2問題は業界全体に存在するように思います。私もオーナー企業のエージェントでNo,2とかNo,3とか言われた時期もありましたが、その立場に居続けることはとても大変でした。自分の人生そのものを捧げないと務まらないと思いました。
「どんな事業承継の可能性があるのか?」
事業承継の方法も様々ありますが、最も多くのオーナーが望んでいるのは社内幹部への事業承継ではないでしょうか?
まともな社長であれば、自分の息子や娘が人材紹介会社の経営ができないことくらいわかります。よほど人材紹介に精通した身内がいれば別かもしれませんが、人材紹介も経営も経験のないバカ息子や、バカ娘が入社してきても会社を潰すだけです。
とある人材会社でも人材ビジネスも経営も知らないオーナーの娘を入社させて、これまで支えてきた幹部から首を切っていき組織崩壊した話もあります。
したがって、できれば自社の人材紹介ビジネスに精通していて、オーナー自身が信頼のおける人物に会社を任せたいと思うものだともいますが、たいていの場合オーナー社長の求めるハードルが高すぎて幹部はついていけずに離脱していきます。
幹部がころころ変わる人材紹介会社は要注意です。オーナー気質が強すぎるんだと思います。
「どんな会社なら売却しやすいのか?」
では、自社内での事業承継が難しいとなると、残される選択としてはM&Aなどによる事業譲渡です。
では、M&Aをしてマーケットから高い評価を受ける会社とはどのようなエージェントでしょうか?おそらく下記のような特徴のあるエージェントは引き合いが強いのではないでしょうか?
1、ブランド力が高く特定の求職者を集めることができる
2、特定のクライアントとの太いパイプがあり、M&Aすることでそのマーケットごと吸収することができる
3、エグゼクティブサーチなど自社にない領域のサービスを展開しており、そのノウハウを吸収できる
4、求人広告や人材派遣、HRTechなど人材紹介事業以外の魅力がある
逆に、個々のコンサルタントの力は強いものの、コンサルタントが素手で戦っており、そのコンサルタントが辞めてしまえば何も残らないタイプのエージェントはなかなかいい買い手が付かないと思います。そのタイプのエージェントはオーナーが引退し、コンサルタントが退職したら企業価値としては何も残らないからです。
「10年後に起こる人材紹介業界の再編成」
現在、60歳前後かそれ以上の年齢のオーナー社長は、10年後には確実に70代80代になります。
今は第一線でされているマネジメントやプレイヤー業務も流石に70代、80代では難しくなってくる会社も出てくると思います。
その時に事業承継ができる会社なのか?会社を解散する道をたどるのか?
そこで働く人もしっかりと見極めて動く必要があるかもしれません。
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