2022年に読んだ本の感想文

暴かれた9.11疑惑の真相 ベンジャミン フルフォード 2022/12/23
買って読んで、僕にとって9.11がアメリカの陰謀がそうじゃないかどうでもいいなということに気づいた。どっちだろうが僕の人生にかすりもしないし。だからってわけじゃないけど、読み物としても最低だった。頑張って半分読んだ。

神の子どもたちはみな踊る 村上春樹 2022/12/23
再読。ハズレなし。どれも素晴らしいが、特によかったのは蜂蜜パイ。「純平は恋人に対して常に礼儀正しく、優しく親切だったけれど、情熱的であったり献身的であったりしたことは一度もなかった。純平が情熱的であったり献身的であったりするのは、一人で小説を書いているときだけだった。」

羅針盤は壊れても 西村賢太 2022/12/19
再読。店主とブスの言い合いは何度読んでもたまらん。それを見ながらブスだなァと思う賢多に笑った。

「オウム真理教」裁判傍聴記〈2〉 江川紹子 2022/12/11
ジャーナリズムってのはこういうことをいうのかね。信者も様々だな。まだ信じる人、抜けた人、悩んでる人。麻原のおかしな姿を自分を試していると捉えると、なかなか抜けられないんだろうなと思う。これが絶対帰依ってやつか。大小様々な事件が知れてとてもよかった。

瘡瘢旅行 西村賢太 2022/11/30
三度目。何度読んでも飽きないし面白い。切なくてよい。

「オウム真理教」裁判傍聴記〈1〉 江川紹子 2022/11/27
読み始めたら一気だった。オウム裁判は有名なものしか知らなかったので、とても勉強になった。感情がぐちゃぐちゃになる。追い詰められて犯罪を犯し、後悔し泣いて謝る信者。加害者も被害者なのかな。犯罪を犯すためにオウムに入ったわけではないし。著者の中立的な書き方にがよい。弁護士と検察、どちらにも中立。素晴らしい本を読んで満足。

人怖 2 人間の深淵なる闇に触れた瞬間 村田らむ 2022/11/09
面白い! やっぱ人怖は最高だ。首吊り気球が素晴らしい。父の呟き、ひょっとこは恐ろしすぎる。今回もとても面白かった。3に期待。

一私小説書きの日乗 憤怒の章 (角川文庫) 西村賢太 2022/11/08
また読んだ。日乗シリーズ、本当にいいよな。西村賢太の作品は、小説でも日記でもエッセイでも、何度でも読めてしまう。そのたびに新たな発見や面白さが見つかる。解説は読まないが、玉袋筋太郎なので読んだ。切ないな。もっと読みたかったわ。

ティファニーで朝食を (新潮文庫) トルーマン・カポーティ 2022/10/26
名前はよく聞くが読んだことはなかった。
村上春樹の翻訳なので読んでみたが、これがまた面白いのな。読み始めたら止まらなくなって困った。単なる恋愛ものだと思ってた。どの短篇もいい。また読み返したい。
「だから翻訳者としては、本のカバーにはできれば英語のシーンを使ってもらいたくなかった。それは読者の想像力を、結果的に狭めてしまうことになりかねないからだ。」

うらおもて人生録 (新潮文庫) 色川武大 2022/10/17
目に見えない、あるかないかもわからない、難しいことをわかりやすく説明している。が、一冊通して同じことしか言ってない。なので終盤は飽きた。運の話はオカルトすぎてついていけなかった。まあでも勉強になったし、なるほどなと思うことも多かった。

一私小説書きの日乗 (角川文庫) 西村賢太 2022/10/14
再読。西村賢太の日記は癖になる。相変わらず食事の量が半端ない。他人の人生を覗き見してる感覚がたまらない。

「食べない」健康法 (PHP文庫) 石原結實 2022/10/10
1日1~2食に減らせば健康になる。要約するとこれ。これで一冊。同じことの繰り返しと、胡散臭い体験談。が、実行してみようと思う。

兜町の風雲児~中江滋樹 最後の告白 (新潮新書) 比嘉満広 2022/10/04
普段なら手を出さない本だが、勧められたので読んでみた。これがまた面白くて一気読みだった。中江滋樹という人物は名前も顔もなにも知らないし株についてもさっぱりで専門用語はまったくわからないが、物語としてとても楽しめた。最期がまたいいね。切ないな。

TVピープル (文春文庫) 村上春樹 2022/09/27
再読。素晴らしい。不穏な雰囲気がとてもよい。ただ眠りは文章がくどいというか、下手というか、私は私は私はと語尾ののだ。が気になった。春樹の短編は基本よくわからないけど面白いからすごいよなぁ。

太平洋戦争への道 1931-1941 (NHK出版新書 659, 659) 半藤一利,加藤陽子 2022/09/14
とても勉強になった。日本の暴走にデジャヴュ。太平洋戦争に向かう流れは、国民やメディアの煽りがあったのか。天皇が反戦を訴えても政治家に無視される。止めようとした人がいても、少数すぎるので止まらない。アメリカと敵対するのは危険だと思う人がいる。が、どうにもならない。歴史が繋がっていることを再確認した。知らないことだらけ。ドイツとなぜ同盟を結んだのかとか、確かに言われてみれば知らないな、と。

ほねがらみ (幻冬舎文庫 ろ 1-1) 芦花公園 2022/09/07
いやー、面白く怖ろしい。読み始めたら最後、一気だわ。勢いはあるし読ませる内容。どういうことかよくわからないまま引っ張るので、そら止まらんわなと。よくわらないのに怖く感じるって凄いことよ。あとよく調べたな。取材、かなり大変そう。いいモキュメンタリーだった。ほかも読んでみよう。

怖の日常 (角川ホラー文庫) 福澤徹三 2022/09/02
引っ越しの客、非常に悪い出品者がよかった。よくわからない話が多く、退屈で、怖さもない。こりゃ駄目だ。

変な家 雨穴 2022/09/01
レヴューが多いので試しに買ってみたが、当たりだった。面白すぎるわ。謎が謎を呼び、得体の知れぬ恐怖で読み進められない。怖さで読むのが止まるなんて久しぶりの体験だった。展開が早く飽きさせない。読み始めたら一気だった。が、終盤の長い説明文は興ざめ。これを小説にしないとさ。

新装版 竜馬がゆく (4) (文春文庫) 司馬遼太郎 2022/08/30
あまりに面白すぎて笑えてくる。血湧き肉躍る。読み始めたら止まらなくなってなにも手につかなくなるので、読むのを後回しにしていた。これを中高生で読んでいたら人生が変わっていたんだろうな。
しかし、途中で誰だっけ?が何人か出てきた。新選組と鉢合わせのシーンは痺れた。
「よほど大事の瀬戸ぎわでないかぎり、座興の議論などに勝っても仕様がないものだと竜馬はおもっている。相手は決して負けたとはおもわず、名誉を奪われたとおもう。いつか別のかたちで復讐するだろう。」
ここからどうなるのか。楽しみ。

聖書 新共同訳 新約聖書 日本聖書協会 2022/08/29
何度読んでも、福音書と使徒言行録とヨハネの黙示録の面白さは格別だな。書かれてることを意識しようと思っても、わかっていても、なかなか実行に移せない。だから何度も読むわけで。某ラジオで「イエスが笑った描写がない」と言っていたが、なるほどなと。

雨滴は続く 西村賢太 2022/08/27
「このところの北町貫多は、甚だ得意であった。」イントロから素晴らしい。ジュラルミンケースには二、三袋の煙草のみが入っている、に爆笑。新川との会話が漫才のよう。群青とおゆうの話でぐいぐい引っ張る。おゆうが可愛くて仕方ない。そこからの葛山。こんなに甘い恋愛話も書くんだな。おくんなさい、よござんすがコントのよう。「藤澤清造の要素を抜きにした小説であれば、そもそも貫多にはそんなものを書く必要性は微塵もないのである。」自分も頑張ろうという気にさせてくれる。めちゃくちゃ感動した。未完に思えぬ結末。傑作。

ニッポンの小説―百年の孤独 (ちくま文庫) 高橋源一郎 2022/08/22
好きな作家だし面白そうなので、読むのを後回しにしていた。相変わらずの源ちゃん的文芸評論。安心して読んでいられる。とてもエキサイティングだった。が、終盤の荒川洋治の引用はよくわからなかったし、ここまで引用するなら荒川洋治を読むわという感じ。読んで面白いと思ったけど、なにがどう面白いのかはよくわからない。感想も思い浮かばない。頭を使って読み切って、疲れた。

旧約聖書 新改訳2017 (新改訳聖書センター) 新日本聖書刊行会 翻訳 2022/08/12
三浦綾子の旧約聖書入門と一緒に読んだ。毎日1?3章、少しずつ。読み切れたのはよかったけど、ほとんど理解できてないと思う。また少しずつ読み直します。

忌み地 怪談社奇聞録 (講談社文庫) 福澤徹三,糸柳寿昭 2022/08/05
いやー面白い。怪談の取材を書くって新しくていいな。取材のテクニックが素晴らしい。その土地を訪れて話を聞いて、ジャーナリストだ。怪談稽古場、古井戸があった家、うえのえき、カラーセラピーがお気に入り。怖さは正直そんなにだったが。

ワケありな映画 沢辺有司 2022/08/04
ネットのまとめでしかない。知ってることばかりだったが暇つぶしにはなった。ザ・コーヴへのクレームの「反日映画をなぜ上映するのか」に笑った。反日親日が映画を公開するしないに関係するってディストピアだなぁ。

フェイクドキュメンタリーの教科書: リアリティのある“嘘"を描く映画表現 その歴史と撮影テクニック 白石晃士 2022/07/29
フェイクドキュメンタリーへの愛が詰まった一冊だった。付属のDVDも素晴らしい。白石晃士作品の裏話や撮影秘話、撮影方法等、白石君の作品が好きにはたまらない。20年前、自分もPOVモキュメンタリーが撮りたくて、でもビデオカメラが高すぎて諦めたのを思い出した。映画との違いはなるほどなぁ。覚悟を持って作っているから、それが観客に伝わる。「口からうんこは出ませんから。」

忌談 終 (角川ホラー文庫) 福澤徹三 2022/07/26
完結。悲しいな。ハンドキャリー、まちがった、猫バス、ルームメイト、静かなアパート、がお気に入り。茶色い絨毯は読むのが辛かった。夫の悪癖、平和でいいな。ヒトカラの女、怖すぎ。戦友は感動したな。面白かった!

忌談 4 (角川ホラー文庫) 福澤徹三 2022/07/22
ビー玉が怖すぎて読むのがドキドキだった。よだれ肉と注水牛肉、中国産を食べるのが恐ろしくなった。あとは痒い本、末期の音、メモを渡す男、再生、がお気に入り。

なぜロジカルな人はメンタルが強いのか? 現代最強雀士が教える確率思考 小林剛 2022/07/21
なかなか面白かった。小林剛にとっての麻雀とは、Mリーグとは、オカルトとは。麻雀に限らない様々なオカルト思考に反論する。とても説得力がある。麻雀界や雀士への苦言も面白い。天和と地和に関してはそのとおりすぎる。小林剛の新たな魅力に気づけた本だった。

一私小説書きの日乗 新起の章 西村賢太 2022/07/21
面白かった! 雨滴は続くを連載し始めたところ。今年も来年も10年後20年後も読みたかったな。人の人生を覗き見してる気分。

封印された発禁作品 沢辺有司 2022/07/18
暇つぶしにはなったが、それだけ。

忌談 3 (角川ホラー文庫) 福澤徹三 2022/07/17
3冊目になっても怖さはたっぷり。笑顔の理由がお気に入り。1と2に比べてパワーダウンは否めないが、面白かったのでよしとする。

蠕動で渉れ、汚泥の川を (角川文庫) 西村賢太 2022/07/15
再読。一日で一気読み。切なすぎる。西村賢太の小説は調子に乗ると大変なことになる、という反面教師的な読みかたもある。「孤狼のムーディーで危険な香りには些かの自信をふとこっている。」(――学校の成績に関しちゃ、それはさぞかし優等生ではあるんだろうけども、ショーツの清潔度の方は、どうやら常に断トツの劣等生レベルだったんだね)

忌談 2 (角川ホラー文庫) 福澤徹三 2022/07/13
面白すぎて一気読み。海外の話が怖すぎる。未必の事故、いい。よくできた短編集。人が怖い系は飽きないね。まだあと3冊もあるのでじっくり楽しもう。

一私小説書きの日乗 不屈の章 西村賢太 2022/07/12
人の人生を覗いているようで、たまらなく面白い。寿司とラーメンの率が高いのがいいね。色んな人と揉めてるなという印象。笑わせてもらった。日乗の新作がもう読めないことに絶望。

東京奇譚集 (新潮文庫) 村上春樹 2022/07/10
たぶん再読。面白い。どの話も先が読めず読むのが楽しかった。不思議な話ばかり。まさに奇譚集。明確な落ちが欲しい人には物足りないだろうけど、村上春樹にそれを求める人もないよな。あっという間に読み終えた。品川猿の、嘘くさいキャラと会話がよかった。

忌談 (角川ホラー文庫) 福澤徹三 2022/07/10
この作者の本は初めて読むけど、予想以上に面白く怖かった。一気読みだった。やっぱ人が怖い系は最高だわ。好きな話をメモするのも忘れてひたすら読み耽った。あと4冊あるようなので読むのが楽しみで仕方ない。

事故物件vs特殊物件 こんな間取りはイヤだ? (DIA Collection) 2022/07/10
アンリミで読んだからダメージはないが、金を出して買っていたらブチギレただろうな。暇つぶしにはなったが、それだけ。

瞬殺怪談 罰 (竹書房怪談文庫 HO 537) 平山夢明 他 2022/07/06
親等数がよかった。某ホラー小説のラストみたい。村一番の霊能者もいい。あとは無だな。怖い怖くない、面白い面白くない以前の問題。ボツ集なのかね。誤字もあるし。過去の不思議な出来事系はよく調べたなと思うし面白いけど、怪談ではないよな。

映画になった奇跡の実話 これが美談の真相だ (鉄人文庫) 鉄人ノンフィクション編集部 2022/07/06
知らない映画を知れた。暇つぶしになった。

怪談グランプリ 2018 地獄変 山口 敏太郎,あーりん,はやせやすひろ,志月かなで,渋谷泰志,星野しづく,竹内義和,三木大雲,渡辺裕薫,ぁみ,松原タニシ,島田秀平,田中俊行,疋田紗也,横山創一,大島てる,徳丸新作,小原猛 2022/07/02
殺される日がよかった。ほかは無駄に長く怖くも面白くもなく文章も下手。ほぼすべてが、一人でいると幽霊が現れた、で終わる話。なんのひねりもない。読者を馬鹿にしてる。

人怖 人の狂気に潜む本当の恐怖 村田らむ 2022/06/30
とても怖くてとても面白かった。ハズレなし。予想以上にヘヴィー。霊が怖いもいいけど、人が怖い話も最高だ。平山夢明の東京伝説を思い出した。しかし、動物系は読むのがきついね。病院手配師、えぐっ! 怖い話は面白いけど疲れるね。

夢魔去りぬ (講談社文庫) 西村賢太 2022/06/29
再読。貫多も貫多なら、秋恵も秋恵だな……。相変わらずの西村賢太文学の切なさで胸が痛い。新川との会話はめちゃくちゃもめちゃくちゃ、わけがわからん。でもそこがいい。

無銭横町 (文春文庫) 西村賢太 2022/06/27
また読んだ。メタ私小説、面白い。古本屋に暴言を吐いた後走って逃げるのが微笑ましい。ビニール袋に袋麺と水道水を入れて揉んで食べる。たくましい。

瞬殺怪談 業 (竹書房文庫) 平山夢明 2022/06/24
観、ぞっとした。許可は得ている、真実は帳尻を合わせてくれる、私の話で良いですか、注意事項、悪い霊じゃない、がよかった。ほかは無だな。ワンパターンだしよくわからないってオチばかり。つまらない。

(やまいだれ)の歌 西村賢太 2022/06/22
再読。あー、笑った笑った。「根が高等遊民気質にできてる」「根が眠れるジゴロ」「根は眠れるスケコマシ気質」が素晴らしい。佐由加が出てきてから狂い始める。「ツノちゃん」に心臓がバキバキ。「しかし彼は、現在恋をしているのだ。」自分のことが書かれていると思った。読んでいる間口の中が苦かった。そして感動のラストへ。

そうだったのか! アメリカ (集英社文庫) 池上彰 2022/06/19
アメリカについて知らないことだらけ。どのようにして国ができたか、その成り立ち、それがまあ面白すぎて困る。アメリカの傲慢さ身勝手さ押し付けに読んでいて腹が立ってくる。後半の政府と新聞社の闘いはドラマティックで感動した。

回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫) 村上春樹 2022/06/15
再読。どれも面白い。基本オチなしなんでそこを楽しめるか。嘔吐1979なんかたまんないな。プールサイド、今は亡き、雨やどりがお気に入り。

人間臨終図巻 1 (徳間文庫) 山田風太郎 2022/06/12
途中で飽きた。

作家の値うち 福田和也 2022/06/11
久しぶりに読んだ。いろいろリストアップもした。容赦のなさがいい。何度読んでも「恥知らず」の一言。が好き。

新装版 竜馬がゆく (3) (文春文庫) 司馬遼太郎 2022/06/04
じっくり話が続く。勝海舟が出てきてから物語が一気に加速し読むのが止まらない。と思えばまたゆっくりと。著者と竜馬が会話しだしたのには笑ったわ。続きが気になる。竜馬のやることがようやく見つかり、これからどうなるのか。

カンガルー日和 (講談社文庫) 村上春樹 2022/06/01
再読。不思議でシュールで楽しくて面白かった。カンガルー日和、のどかだな。鏡、図書館奇譚もよかった。ハズレなしで楽しめた。いみはよくわらからんけど。

イエスの生涯 (新潮文庫) 遠藤周作 2022/05/27
タイトル通り、イエスの生涯を追う。それがまためちゃくちゃ面白い。受難物語で無力無抵抗になったのはなぜか、作者は考え答えを出す。実際にどうだったのかはわからない。
人それぞれの解釈がある、解釈ができる、だから聖書は面白い。イエスは弟子の命と引き換えに処刑されたという説、読むのが辛かった。涙が出た。やはり、遠藤周作のイエス像は感動する。認められない人もいるだろうけど。よい本だった。

女のいない男たち (文春文庫 む 5-14) 村上春樹 2022/05/20
再読。相変わらずの文章の心地よさ。流れる温水プールで漂ってるような気持ちよさがある。そしてどの短編も話が面白い。特に独立器官と木野、素晴らしい。シェエラザードは長編で読みたい。最近ようやく、春樹の短編の面白さがわかった。「死んだ誰かのことを長く記憶しているのは、人が思うほど容易いことではない。」「もともと何の達成もなく、何の生産もない人生だ。誰かを幸福にすることもできず、むろん自分を幸福にすることもできない。」

新装版 竜馬がゆく (2) (文春文庫) 司馬遼太郎 2022/05/03
若干中だるみはあるが一気に読ませる。丸亀に行ってからのお初の店から読むのが止まらなくて困った。あまりに面白すぎて文章を読むのが邪魔くさい。興奮で家の周りを走り回りたい。読みまくりたいけど読み終わるのがつらい。剣で戦った相手が仲間になる、漫画な展開が熱すぎる。「花は咲いてすぐ散る。その短さだけを恋というものだ。実れば、恋ではない、別なものになるだろう。」

作家の値うち 令和の超ブックガイド 小川榮太郎 2022/04/29
面白かった。好きな作家や作品の点数が低かったり、興味のなかった作家や作品の点数が高かったり。読む本を大量にメモした。知らない名作をたくさん知れたので、これから読むのが楽しみだ。ギケイキの「紙の無駄遣い」は福田和也版のゴーストバスターズの「恥知らずの一言」を思い出して笑った。

ランゲルハンス島の午後 (新潮文庫) 村上春樹,安西水丸 2022/04/25
再読。やっぱ面白い。安西水丸の絵が素晴らしい。部屋に飾りたいな。

死刑のある国ニッポン (河出文庫)
森達也,藤井誠二
2022/04/23
加害者は極悪非道の最低最悪の人非人であってほしいというのはわかる。加害者が自分と変わらない普通の人間だと知ると混乱するし認めたくないと思う。だから僕はそういう情報をできるだけ目に入れたい。被害者の気持ちになった気になって加害者を攻撃し気持ちよくなってるだけの人の声がデカいんだよなぁ。裁判員制度の問題点が知れたのがよかった。勉強になる対談。

そうだったのか! 朝鮮半島 (集英社文庫) 池上彰 2022/04/20
韓国と北朝鮮の始まりから現代まで。これがまた面白すぎて止まらない。隣の国のことなのに、知らないことだらけ。というか知らないことしかなかった。とても勉強になった。このシリーズは本当に素晴らしいね。

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫) 村上春樹 2022/04/16
村上春樹の中国行きのスロウ・ボートを再読。 「もうこんな目にあいたくない。もう夢なんて見たくないってね」 「どれだけ考えたって物事はなるようにしかならないの。」短編集って気に入らないのがひとつふたつあるもんだけど、この本は全部よかった。ハズレなし。 シドニーは笑った。時間を忘れて物語の世界に集中できた。

村上朝日堂 はいほー! (新潮文庫) 村上春樹 2022/04/13
英語タイトルそのままより邦題のほうがよい、と書いてて確かにと思ったが、春樹の翻訳タイトルは英語そのままだよなあと疑問が。標語はその通り。なんの意味があるんだろう。気楽に読めるエッセイ。

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫) 村上春樹 2022/04/11
螢、いい。納屋を焼く。バーニングが面白かったので読み直したが、原作ってこんな面白かったかという印象。踊る小人の読後感が素晴らしい。3度読んでも同じく、蛍、納屋を焼く、踊る小人がお気に入り。ただ、春樹の短編は物足りなく感じる。

村上ラヂオ3: サラダ好きのライオン (新潮文庫) 村上春樹 2022/04/10
再読。女性の怒りについては、本当にそうだよな。献欲手帳は笑った。時間を忘れて楽しんだ。やっぱり春樹のエッセイはいいね。次は短編集を読み返そう。

心が雨漏りする日には (青春文庫) 中島らも 2022/04/10
11年ぶりに読んだ。切なくて笑えて心が暖かくなる。やっぱり中島らもは優しさの塊の人だな。かなりハードな躁うつ病の体験記。躁状態の話は爆笑した。舞台稽古で劇団員を並ばせて桃の木で叩く。高槻事件も爆笑だ。「うつ病を装う人が出てくるんですよ。私は繊細ですということを言いたいだけのうつ病が出てくる。」

ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫) スティーヴン・キング 2022/04/09
刑務所のリタ・ヘイワースは語り口がなめらかで止め時がわからず深夜読み耽った。読書してることを忘れた。最後は涙が出た。ゴールデンボーイは展開が読めなさすぎてわくわくが止まらなかった。終盤の盛り上がりが半端ない。マジで面白かった。

新装版 竜馬がゆく (1) (文春文庫) 司馬遼太郎 2022/04/05
面白いとは聞いてたが、こんなにも面白いとは。読むではなく読まされるという感覚。興奮しっぱなし、格好よさに痺れっぱなし、先が気になって気になって睡眠不足になった。竜馬はもちろん、登場人物みんな格好いい。セリフもいちいち格好いい。

一私小説書きの日乗 野性の章 西村賢太 2022/04/03
日乗は同じことの繰り返しで読むのをやめたが、長編小説だと思うと面白すぎて読むのが止まらなくて困った。おかげで土日のほとんどが読書で潰れたが、こんなに最高な休日の過ごし方もないよなぁと感動。

聖書 新共同訳 新約聖書 日本聖書協会 2022/03/28
ヨハネの黙示録や手紙等、前に読んだ時はつまらないと感じたところが再読すると面白く感じたり、意味がわかるようになったり、今までぴんとこなかったところに感銘を受けたり等々、読むたびに新しい発見がある。発見があるたびに蛍光ペンを走らせる。それが心地よい。というわけで4周目に入る。

旧約聖書入門―光と愛を求めて (光文社文庫 み 1-2) 三浦綾子 2022/03/27
情報量が多すぎて感想が浮かばない。ので、めちゃくちゃ感動した。旧約聖書を再読する際はこれもまた再読する。とだけ。

焼きそばうえだ (集英社文庫) さくらももこ 2022/03/27
再読。はー、笑った笑った。相変わらず、自分にも他人にも容赦がないところが楽しい。思いついて実行に移すフットワークの軽さと、笑いのためなら惜しまない姿勢が素晴らしすぎて感動した。こんなことなかなかできるもんじゃない。著者の悪ふざけやブラック・ユーモアをもっともっと読みたかったなぁ……

村上ラヂオ2: おおきなかぶ、むずかしいアボカド (新潮文庫) 村上春樹 2022/03/26
ネタバレなにがいいって、内容も当然ながら今週の村上が素晴らしすぎる。ツイッターみたいで面白い。気楽に読めるのがいい。ナイキの本社のマラソンコースにニューバランスのウェアとシューズで行った話、笑った。サイン会で女の子にキスをせがまれる。羨ましい!

職業欄はエスパー (角川文庫) 森達也 2022/03/22
出てくる超能力者は一人も知らないが、ものすごく面白かった。撮影が始まってから何度も超能力を披露する。しかもそれがぶっ飛び過ぎてる。読んでいる間、興奮が止まらず心臓がバキバキしてた。終盤の畳み掛けからのラスト。テレビ版を観る。

村上ラヂオ (新潮文庫) 村上春樹 2022/03/21
やっぱ春樹のエッセイって最高だな。ほんと素晴らしい。 別に読んでためになるとか教養がどうたらってこともなく、ただ楽しい。 余計なこと考えさせず面白いだけってなかなかできることじゃないと思う。

形影相弔・歪んだ忌日 (新潮文庫) 西村賢太 2022/03/17
形影相弔。芥川賞で得た金を藤澤に注ぎ込む幸せ。いいなぁ。
青痣。「こう見えてやっぱり、パンツとかは汚れるんだね」DVがこれまで以上に凄惨。
跼蹐の門。未来の金を当てにして使い切る気持ち、すごくわかる。
歪んだ忌日のいい話で終わったのがよかった。

家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像 インベ カヲリ★ 2022/03/17
手紙の枚数超過を認めさせるためハンガーストライキ。 生きづらい人なんだな。 刑務所や精神病院に理想の家庭を求めているって感じかね。切ない上に救われない話だわ。 遺族に謝罪すると仮釈放になってしまうからしない。
無期懲役のためのパフォーマンス的な裁判。 犯人と家族の意見が180度食い違う。ホラーやミステリじみてて面白かった。

棺に跨がる (文春文庫) 西村賢太 2022/03/11
足蹴にしての肋骨損傷から関係が終わる連作短編集。
女性が相手を好きじゃなくなったときの変わりようが恐ろしい。生ゴミ以下の扱いをされる。 どう考えても暴力を振るう貫多の自業自得なのに、全編通して切なくて辛くて泣けてくる。 秋恵への思いはあるのに暴力に至ってしまうどうしようもなさ。
はー、キツかった。 「未練の手コキリクエスト」

寒灯・腐泥の果実 (新潮文庫) 西村賢太 2022/03/10
陰雲晴れぬ。「マンコはくさい、か……ふむ、違えねえ」
いつものごとく、やっちまったな。
肩先に。落ちが効いてる。「自分の枕のにおいを嗅いでみなさいよ! なんなのよ、あの気持ちの悪い加齢臭は! なんのつもりであんなにおいをだしてるのよ!」
寒灯。終始切ない……。結局こうなる。
腐泥の果実。昔の女って消えないんだよなぁ……。

苦役列車 (新潮文庫) 西村賢太 2022/03/06
苦役列車。日雇い仕事しかできなかった頃を思い出す。「時間の経過の遅さは、それを意識した途端に数倍の苦痛を増してくる。」全体通して素晴らしい傑作だが、特にラスト3行が何度読んでも痺れる。芥川賞穫るよ。
落ちぶれて。切実な話。ため息が出るね。「自身をあらゆる点で負け犬だと自覚すればこそ、尚と私小説。書かずにはいられないのである。」

人もいない春 (角川文庫) 西村賢太 2022/03/04
人もいない春。現在、そして未来への諦念、諦観。もがき苦しむ。
二十三夜。カッとなると見境がなくなるのはよくわかる。それで損しまくって、悲しいなぁ。
悪夢。非私小説。オチの効いた掌編。好きだわ。
乞食の糧途。ハンドル握ると人格変わる人、いるよなぁ。
赤い脳漿。爆笑した。むちゃくちゃ。 昼寝る。秋恵の献身に涙が出た。

廃疾かかえて (新潮文庫) 西村賢太 2022/03/02
廃疾かかえて。恋人の昔の男に嫉妬する気持ち、本当によくわかる。秋恵の人の良さは底抜けだな。
瘡瘢旅行。読み終えた瞬間大きくため息。いやー。
膿汁の流れ。落ちが最高。爆笑した。話の構成も素晴らしく感動した。
300万を借りる顛末も読んでみたかった。

小銭をかぞえる 西村賢太 2022/02/27
焼却炉行き赤ん坊。「黒いパンツはいて、手でしてあげようか?」からの「ぼくだけを大切にしろい!」は最高。
小銭をかぞえる。「餓鬼の為に人生棒にふってたまるか!」はまさにその通り。
「卵巣を蹴潰してやるぞ」切なくて痛々しい子どもの喧嘩、読むのがつらい。

二度はゆけぬ町の地図 西村賢太 2022/02/22
貧窶の沼。あまりに悲しすぎて笑えてくる。
春は。留置場での人間関係の一期一会な感は入院と同じだな。
潰走、絶対に家賃は払わないという覚悟が素晴らしい。
腋臭風呂。尿道の奥からとんこつスープ臭……。
全編に漂う切なさに涙が出そうになる。

暗渠の宿 西村賢太 2022/02/15
再読。けがれなき酒のへど。ソープ嬢に惚れた挙げ句騙されて大金を毟り取られる。恋で舞い上がってる時は気づかない。あまりに切なすぎる。
暗渠の宿。恋人の一番いい時期を味わった過去の男が気になる。悔しさ、屈辱感。めちゃくちゃ気持ちがわかる。わかるだけにつらい。

どうで死ぬ身の一踊り 西村賢太 2022/02/13
再読。墓前生活。著者にとって藤澤清造は神だ。藤澤清造に尽くすことが生きがいになる。よくわかる。
表題作。出ていった女の下着でオナニーし「だって、ぼく寂しかったんだ……」大好きな一作。一夜の切なさったらないね。泣ける。未来が見えてるんだなぁ。

夜更けの川に落葉は流れて 西村賢太 2022/02/06
寿司乞食みたいなことってあるあるだよな。「うむ……これはもう、ダメだな」
夜更けの「オラと出産を前提としたセックスしてみない?」から始まる壮大なネタフリ。 青痰麺のみっともなさ、切なさがたまらない。 「チンポの進歩のなさ」

藝人春秋Diary 水道橋博士 2022/01/31
550頁の大作。やっぱこのシリーズ面白いわ。興味のない芸能人の話も面白く読めて550頁があっという間だったんだから、高田文夫の言うように文の才能があるんだろうな。シリーズ1作目から読み直してみようかな。本が重くて手が疲れたわ。

どうやら僕の日常生活はまちがっている 岩井勇気 2022/01/19
前作よりつまらんなと思ったが、途中から化けた。ラジオで聞いた内容もあったが、活字で読むとまた違った感じになるね。巻末の小説はつまらなかったが。

瞬殺怪談 斬 平山夢明,ほか 2022/01/04
怪談掌編。ノストラダムス、廃音、廃屋が面白かった。それ以外は、うーん……。誤字脱字もあるし。

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