【もう食べられないお店】リトルスプーン ~超激辛編
※本内容は2008年02月01日に書かれたものです
■どうだい?かっこいいだろう?(でんでん風)
諸君!
我輩は激辛グルメをこよなく愛する男である!
勝手に辛味道(からみどう)を名乗り、そこの総帥を自称している男である!
・・・と、ここまでご覧の方は「ああ、かわいそうに、いよいよアタマがキてしまったか」などと思われるかも知れない。しかし、我輩は常に真剣であり大真面目も大真面目なのである。(余計にたちがわるい一例)
まずは何も言わず下記のサイトを見て頂きたい。
(※URLは省略)
一時期、都内なんかも結構店があってCOCO壱番屋と双璧を成す時代もあった
カレーショップ『リトルスプーン』である。
今は閉店が相次ぎ、身近なとこでは新宿は歌舞伎町にしか無くなってしまった。(※あくまでも2008年に書いた内容です)
思わず『祇園精舎の鐘の声・・・』と
呟きたくなってしまう無常感である。
今日の仕事帰りにそこに行って来たのである。
何故か。
>『ファイヤードラゴ(超絶激辛)』
>真の勇者だけが挑戦できる究極の辛さです。
(※お店のサイトに実際に書かれてあった文章です)
こんなことが書いてあったら行かない訳にはいかないではないか。
(何だかまわりくどい言い回しだが)
で、早速ワタクシ行って来たですよ。
・・・と、何故かトゥ○イトにおける山本カントク化しつつそのお店にいそいそと乗り込んだのである。
幸いなことに店の中は結構空いていて、おあつらえ向きに一番壁際の目立たない席が空いていた。
ファイヤードラゴを注文した際、COCO壱番屋で10辛を頼んだ時以上の周囲の注目を浴びるのは十分予想される事態である。
必要以上に目立つのを避けるに越したことは無い。
注文を取りに来た青年に対し、低い声で「これを」と告げてファイヤードラゴを指差す。
青年は驚きを隠さず「エッ?!」と思いがけず大きな声で我輩に聞き返す。
「シッ!声が高い」
その素っ頓狂な声をあげた青年のお陰でビクッ!としたカウンターの向こうの若いカップルがこちらを振り返る。
「あのう・・・物凄く辛くて、危険ですので、正直オススメは出来ませんが・・・」
案の定、ガードが固い。
だったらメニューに置くんじゃねーよ
というツッコミどころはさておき
「いや、COCO壱番屋の10辛は普通に食べてますけどねぇ・・・」
そう言ってやや半笑いでヌラリと青年を見返す。
「少々お待ちください」
青年はそう言って厨房の奥に消える。
程なくしてチーフっぽい男性がやって来て
「ココイチの10辛よりカナリ辛いけど大丈夫か」
・・・みたいなことを我輩に言うのだ。
何だか随分と大事(おおごと)になって来たような気はするが、今更後には引けない。「COCO壱番屋の10辛をかなり余裕で毎回食べてるんだよねーオレはー」と告げ、やっと注文に至った訳なのである。
”かなり余裕で”を、かなり強調した。
何つーか、食べる前からハードル上げられまくりというか、オレはただ軽~い気持ちで辛いカレーを食べに来ただけなのに、オレ何か大変なことをしでかしてしまったんじゃないか・・・と思ってしまう。
そして、いつものように黙想しつつ、待つことしばし。やはり普通のカレーよりも時間がかかるようだ。
「お待たせしました」
来た。
う~む・・・
目の前に出されたカレーと、隣のカップルのカレーとの違いは一目瞭然。
赤い。赤いのう。
COCO壱番屋の10辛も赤かったがこれはそれ以上に赤い。
さすが「ファイヤードラゴ」なだけあるのだ。
おまけに普通のカレーよりも粘度が高くドロリとしていて見るからに邪悪な感じである。これは危険だ。我輩の長い人生経験がそれをいち早く察知する。しかしもう後には退けない。
まずはパクリと一口。
う~む・・・
甘い。
お口一杯に広がる甘さ。
その後にブワーッと辛さが後を追いかけるように来る。
確かにCOCO壱番屋の10辛よりはずっと辛い。
いや、今まで食べたどのカレーよりも辛い。
だが、辛いんだけど、それ以上に甘さの方が気になるのだね・・・
例えば、韓国料理のコチュジャンとか入れ過ぎると、辛さよりも甘さが前面に出てきてしまうけど、何だかそんな感じなんだわ・・・
カウンターには調味料の類は一切なく、塩か醤油をかけたくてたまらなかったのよ、実際。
その点、COCO壱番屋のはイイ感じだったなあ。(あくまでもこのファイヤードラゴと比べて、だが)
一方、隣のカップルの男はサーベル(アブノーマル激辛)を頼んで涙目でヒハヒハ言いながら「オレ、もうダメ。食えねえ」とすでに満身創痍状態である。
『赤い方が勝つわ』
その男を横目にそんなことを思う。
『サーベルとは違うのだよ!サーベルとは!』
そうも思った。
【結論】
辛さ的には家にある調味料、『Vicious Viper』(25万スコビル)よりも辛くて、『BLAIR'S MEGA DEATH』(55万スコビル)ほどでは無い感じ。ちなみに「スコビル」というのは辛さをはかる単位で一般的にタバスコは2,000~2,500スコビルほどといわれている。それを考えたら25万とか55万がいかにトンデモナイものか分かるというものだろう。
<参考>
『狂犬の復讐』『MAGMA』(共に100万スコビル)から比べたら、何ともイイ感じの辛さに思えるのだな。
いかにファイヤードラゴと言えど
100万スコビルを気管で味わってしまった人間の相手ではない。いやマジで。そしてその後に猛烈な胃痙攣を経験した人間の相手ではない。いやマジで。
これは本気で死を覚悟するから良い子は絶対マネしちゃダメだぞ!お兄さんとの約束だよっ!
(誰がするかよ)
つーか、普段家で作って食べるカレーが既にそんな感じなので、結構食べやすかったというか、
家の感覚で頂けましたわ。
キレイに完食して会計を済ませる時に、先ほどの青年から
「お客様、ファイヤードラゴをクリアされた方には、さらに辛い『レジェンド』もご用意させて頂いておりますが」
レジの所には『レジェンド』をクリアした人間のみがエントリーされるリストみたいなものがあって、そこに記された人数は10人にも満たない数のようである。
「いかがしますか。挑戦なさいますか」
そう言ってヤツは不敵にニヤリと笑う。
俺はフッと笑って
「悪いが俺は忙しいんでね。まあ機会があれば・・・ね。フフッ」
この時ばかりは『我ながらカッコイイ』と思った。
(いや、それを日記に書いてしまうのがカッコ悪いんですけどね)
ふと気づけば、図らずも店内の注目を浴びる形になってしまったが、カレーのお陰で暖まった身体を抱え、コートを翻しつつ颯爽と店を後にしたのであった。。。
■次回、もう食べられないお店に続く・・・(予定)
※本内容は2008年02月01日に書かれたものです。念のため。。。