FIDO(Fast IDentity Online)
■■セキュリティ用語擬人化プロジェクト Vol.20■■
手相や顔だけでなく、目や声など様々な要素で人の未来を言い当てる占い師。神器と呼ばれる水晶玉を通して人を見つめることで、人の本質を見通してしまう能力を持っていると言われている。子供のころからその能力に目覚め、一部で神の子とあがめられるようになり、世界中から多くの人々が助言を得るために彼女の下に集まっているが、そのおかげで満足に教育を受ける暇も無かったため、読み書きは未だに得意ではない。
本人は、神器を通して人の心の奥底に問いかけることでその人の「本質」と会話をしているとのことだが、懐疑的だった人々もあまりの予言の的中率に信じざるを得ないと口を揃える。
自分自身の未来は見えないようで、たまに寂しそうな表情で遠くを見つめる彼女の姿を見かけることもあると言う。
「同じ人生などありません。皆、違って良いのです」
本人確認・認証の手段として長く使われているパスワード認証では、本人が覚えずにブラウザ等の記録に頼ってしまうことや、サービスが増えすぎたことなどによって忘れてしまうリスクに加え、サイバー攻撃等による漏えいなどが問題視されていました。MFAなどにより一部のリスクを低減させることができますが、知識情報や所持情報による認証方式のみでは完全に不正ログインを防ぐことは難しいため、不正が難しいとされる生体情報をベースとした手軽でセキュアなオンライン認証基盤を実現するために「FIDO Alliance」が発足し、標準技術として策定したのがFIDO(Fast IDentity Online)です。
ネットワーク上に資格情報を流すことなく、ユーザーの手元にあるデバイスが認証器(Authenticator)として本人性を検証してサーバに送信します。様々なクラウドサービスでも活用できるよう、FIDO2.0として策定された仕様は主要なブラウザ等でも対応が進み、パスワード認証に替わる利便性と安全性を両立できる認証方式として期待されています。