見出し画像

誰が秘書になれるのか

前の記事を書いてから、

秘書を探しているという話を聞くようになった。秘書ってどうやって探すのでしょう。どっかで秘書経験のある人?

私も知りたい。(←秘書部長 w)

以前にFacebookでこんな記事を書いた。


秘書という業務を20年やって、秘書30人のお世話係をしていますが、秘書に特殊技術なんて何もありません。ほんとほんと。ただ必要なのは、この状況を何とか守りきってスムーズに進めるという胆力と覚悟だけで、パソコンがどうだとか知識がどうだとかは二の次。ママ友さんたちの中に、この人と一緒に秘書チームやりたいな!て人、沢山沢山います。AIに取って代わられるかもしれないことは山ほどあるけど、普通の人間が当たり前のことをやる力って計り知れないです。
 ちょっと飲んでるせいもありますが、今週「秘書さんでないとできないからお願い〜」と言われて「誰でもできるわ、アホ!」と思った心の声が出ちゃいました。失礼!修羅場を無事に乗り切ったうちの秘書さんたち最高です。


私の投稿の中で記録的に沢山のいいねと、ある専門職の方から「このご時世、きっちりと仕事をこなすのは、立派な特殊技能です」と言っていただいてすっかり気を良くした。

この時に職場で何があったかというと、どの部署が担当するかよく分からない業務が突然海外オフィスから舞い込み、誰もが手を出したがらない中、要人は「誰がやってくれるんだ」と待っているので、秘書たちが連絡の中心となり、ロジスティックを管理し、関係者と調整し、、とにかく必要なことを見抜いて手を動かしてまあよく働いたのだ。

正直、誰でもやればできる内容の仕事だった。しかし他部門が手を出しかねていたのは「それは私たちの仕事か?」と職務範囲について考えていたからだ。それに対して秘書たちは、そこにサポートが必要な人と状況があることを見て、「やりましょう」とスイッチが入った。その違いだ。

これは最近、家事分担の文脈で話題になる「名もなき家事」に似ている。
名もなき家事を引き受ける人は、家や子どもの全体を見て、名前のつかない雑多な事柄に手を動かす。靴や下着がサイズアウトしていないか。夏期講習の申し込みは済んだか。洗剤や調味料のストックは切れてないか。なぜそれに気が付く家人と、気が付かない家人がいるのか。それは「自分のこととして責任をもって最後までしっかりやる」感覚の有無としか言えない。この感覚を sense of ownershipと言う。

私の出会ってきた良い秘書たちは、この sense of ownership がずば抜けていて、サポートする相手や状況に必要なことをどんどん見抜いて、それが自分の職務範囲かどうかはあまり気にせずに手を動かす。

名もなき家事ならぬ、担当者なき業務。
何をやるかではなく、誰を助けるか。
縦割り行政ではなく、伴走型支援。
これどうしたらいいんですか?という問いに、全力でこたえる。
それが苦にならない人は、ぜひ秘書をやってみたら良いと思うし、秘書を探している人はそういう視点で見たら、自分をサポートしてくれる人に気付くかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?