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音楽評 勇者たち 石原裕次郎

夜になると、大体BSフジのクイズ脳ベルSHOWにチャンネルを合わせていることが多い。もう2年くらい見ているが、司会のますだおかだの岡田圭右のゲストへのイジリの腕前が随分と上がったなあ、という印象だ。そのようななか、今週の月火のゲスト解答者に御木裕が出ていて、風貌の変化に驚いた。

御木裕と書いても、知らない人も多いかもしれないが、西部警察で若手刑事で武術を使うようなアクションをする役回りの人だったのだが、すっかり細くなり、白髪になっていて同一人物には思えなかったのだ。とはいえ、それも仕方がない。何せ西部警察自体、40代も折り返しを迎えた自分が、小学生の時に見ていた番組だ。派手なアクションや爆破シーンが毎週のように繰り返されるなか、石原裕次郎のエンディングテーマが流れる。

自分にとって、石原裕次郎のイメージは管理職のオジさんだ。自分のふた回り上の世代だと、太陽の季節や嵐を呼ぶ男なのだろうが、リアルな問題として、成功率数パーセントと呼ばれる手術を受け、50代前半で亡くなった裕次郎にとっては、あまりに派手なアクションなどは無理だっただろう。エンディングテーマは、いろいろあったが、なかにし礼作詞の勇者たちが個人的には印象に残る。雨があがれば虹が立つ、嵐過ぎれば鳥が舞う、の歌い出しだが、事件が解決すると、裕次郎扮する木暮課長が、課長室で係長役の高城淳一とブランデーで祝杯をあげたり、時には現場で大門団長役の渡哲也と、タバコをふかしながら労をねぎらうシーンが映し出されるというのが多かった。もう、事件のことは現場に任せているが、曲の歌詞に出てくる、命がある 勇気がある 夢がある そしておまえにゃ俺がいる という結びの歌詞が、最後の責任は俺が取ると言いたげな感じに受け取れるのだ。

思えば石原プロを率いて、多くの俳優を率いてきたのが裕次郎だった。裕次郎がなくなり、渡哲也が後をついで、徳重聡のような第2の裕次郎も出したが、小樽の裕次郎記念館も閉鎖され、渡哲也自身の健康状態や石原プロ解散が報じられている。時の流れで仕方ないのかもしれないが、やはり裕次郎あっての石原プロだったのかなという感じは否めない。

#石原裕次郎 #西部警察 #勇者たち #なかにし礼 #渡哲也