見出し画像

#3 解毒

04-10
何かと生活が新しくなり、節目といえるような出来事も起こった4月も中旬に入る。
静かな部屋で暮らし始めた。お隣さんの気配がなく、外の騒がしさとは無縁の部屋だ。こんだけ静かだと、テレビの音も耳に刺激が強い気がする。
好きな人と、用意された場所で、爽やかな朝に目覚めるこの生活は私から毒気を抜いていく。不満のない生活と毒性の少ない自分にこそ不満を感じるかもしれないな、と。まだ1週間も経ってないのに考える。不満ではなく新しい自分への違和感だと思いたい。

04-11
「愚痴を言わない」は意識できても「愚痴を聞かない」は難しい。一日中隣で同僚の愚痴を聞き、げっそり。帰りも遅くなり、ご飯が炊ける50分間を待てずコンビニでレンチンご飯を買って帰った。(気の持ちようか、あまり美味しくなかった。)
今日何よりハッとしたのは、上司との面談。2人の上司と1on1があって、私は其々に同じことを相談した。もちろん、一言一句同じ伝え方をした訳ではないが、2人の受け取り方と反応は全く別だった。
私の言葉が意図した通り伝わるなんて、50パー位の確率なんだなと思う。下手したらもっとずっと低い。
ただ私の言葉にもあるように、受け手にも受け取り方の癖があるから。繰り返しコミュニケーンを取れば、対'その人'用の言葉は習得していくだろうし、精度も上がっていくでしょう。要はそうした努力をしようと思えるかどうか。

04-12
今日もたくさん愚痴を聞いた。
昨日とは別の同僚から、初めてランチをご一緒してお喋りをしたらとめどない愚痴、愚痴。
共感はできるし、確かにムカつくよなって思うけど、疲れる。すり減る。相手が放出し続ける世界への苛立ちは言葉に毒が混じっていて、受動喫煙のごとく私は少しずつ侵される。
今日が金曜日でよかった。

04-13
姉妹たちと有楽町で買い物。
お姉ちゃんが三十路を迎え体型も変わり、似合う服がわからなくなったため買い物に付き合って欲しいと。休憩を挟みながらかなりのお店を周り、閉店間際に赤い小花柄のワンピースをゲットしていた。試着室でああでもないこうでもない、と言う服は持ち帰るべきじゃないな、と思う。決まる時はいつも早い。真理ですね。
終電で帰ると、彼が駅まで迎えに来てくれた。優しい。
昨日に引き続き三日月が綺麗。少しずつ夏の月だ。

04-14
満たされた瞬間に襲ってくる不安の波はいつも大きく、自分という奴が本当心配になる。
素晴らしい休日に日が落ちてゆくことを直に感じる部屋で会話を交わす。自分の不安定な部分を理解してくれる(しようとしてくれる)人がいることに心底感謝した。それにしても朝も昼も夜も、今日はたくさん眠った。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?