25歳、だいすきな彼女たちと大人になる
25歳です。あと半年と少しもすれば26歳になる。
大好きで仕方がない友人たちと久しぶりに会った夜。
お互いの恋愛話がひとしきり終わると、(ひとしきり終わるのが数時間かかるのはさておき)仕事の話となり、キャリアや生活、ひいては人生の話となる。
私が脈絡もなく「でもさあ、全部は無理じゃんか」と言うと、そのたった一言で場が同意の空気を持った。予想外の同意の波に驚き、話を持ちかけた当人だというのに、面食らってしまう。
出会って10年。高校生の時は毎日顔を合わせ、その日のちっさな、本当に小さな日々の事柄を打ち明け合った。
昨日見たドラマの話、妹との喧嘩、気になる人との会話等。小さな事だけど、打ち明けるのは彼女達だけだったな、なんて思い返しながら。半年ぶりに会う彼女達に漏らした一言が、こんなにも通じてしまうことに嬉しさと戸惑いを感じる。
全部は無理じゃんか。
キャリアなのか恋愛なのか、自分、なのか。近いようだが的を得ている訳ではない。全部は無理じゃん、の全部に含まれるものをうまく伝えられたら、本当はもう少し手に入るのかもしれない。
諦めると言うほどがむしゃらでもないけど、言ったっていいでしょ位に大人になった私たちの、嘆き。
お互いの全てを知っている気になっていた時期は過ぎ、各々が知らない多くの苦い経験を経てきたと思う。
高校生の時とは異なり、それぞれがそれぞれの場所で生活を営みながらも、重なった気持ちの小片をみた気がして。
一緒に大人になれているような気がして。
嬉しかった。
ここからの10年。
結婚、出産、子育て。キャリア、介護、移住、とかね。ここまで来たらみんなバラバラ。同じように、歩を進めることはないかもしれないけれど、今日のように時たま通ずる瞬間があれば。
全部は無理でも、時折。ほんの少しだけ、交じり合いながら一緒に歳を重ねられれば。
彼女たちの健康と幸せと同時に、そんなことを願った。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?