秋めく宇治で、平安時代に思いを馳せて。
秋は、京都へ行くことを後押ししてくれる。
普段から京都へ行きたいとは思っているけれど、観光客で賑わい混雑している印象があって、行く勇気を持てずにいた。賑わっているのは素敵なことだけれど、田舎でひっそりと暮らしている私にとって、人混みは苦痛だ。行きたいけれど、行くのは厳しいかもしれない...って。
でも、秋になると、そんな私を動かしてくれる。ハイシーズンだと分かっているけれど、京都で紅葉を見たい。
そして、大河ドラマ「光る君へ」に夢中になってみているから、宇治で大河ドラマ館や源氏物語のゆかりの地を巡りたいとも思っていた。
京都で紅葉を見たい。光る君へと源氏物語にまつわるスポットを巡りたい。
京都へ行きたい気持ちを抑えず、人混みは耐えようと覚悟し、思い切って行ってみよう。
𓂃 𓈒𓏸
宇治へ到着して向かったのは、平等院鳳凰堂。
庭園の開園時間8時半に並んで入った。ミュージアムや内部の見学が始まる前だったから、人が少なく、落ち着いて過ごせた。
訪れたのは11月中旬で、紅葉はまだ見頃ではなかった。少しずつ赤く色づき始めたところで、秋へと向かっているのだと感じられた。
「光る君へ」で、藤原道長が病気を患い、宇治の別荘で療養生活を送っているところ、紫式部が訪れる場面があった。そのシーンは、藤棚が綺麗だなっていうのが印象に残っている。また夏に訪れて、藤棚も見てみたい。大河ドラマは、道長没後、息子の頼通が別荘を平等院へと創建するまで、描かれるのだろうか。今後の展開も気になります。
この後、源氏物語のゆかりの地を巡った。大河ドラマ館へ行き、宇治上神社と宇治神社を周りながら、源氏物語ミュージアムへ向かった。
緑豊かな道が続き、心が洗われる。
藤原道長は宇治に別荘をもっていて、鴨川から宇治川へ10時間かけて宇治に来ていたらしい。
天気がゆらぎがちだったからか、紅葉の見頃を向かえる前だったからか、混雑していなくてのんびりと過ごせた。道長も宇治へ来て、庭園を歩き心穏やかに季節を感じていたのだろうか。
源氏物語の宇治十帖は宇治が舞台になっている。
何も知らないときは、物語の中心が宇治だと思っていた。ドラマだけじゃなくて、源氏物語のことを知りたくて本を読んだ。「30日de源氏物語」だ。初心者へ向けた入門書で、物語の概要から貴族社会、物語に込めた作者の意図など...紐解いていって、源氏物語のことが少しわかってきた。
越前で紫式部ゆかりの地を巡ったときよりも、紫式部や藤原道長のこと、源氏物語のことがわかるようになってきた。
「光る君へ」と出会ってから、実際にゆかりの地を歩き、もっと知ろうと本を読み、古典も歴史も少しずつ理解が深まっていった。机に向かって勉強するだけじゃなくて、自分の目で見て感じる体験も、大きな学びが得られる。「光る君へ」にまつわる場所へ旅をして、実感した。
古典や歴史を知り、平安時代に思いを馳せる。
興味をもったことを知ろうと、動き出すと、こんなに旅が楽しくなるんだ。