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#109 技術全部公開します!~土に還るピクニックシート「CITON」の裏側~

『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。

土に還るピクニックシート「CITON」がリリースとなりました!

ちょっと前になりますが、1月30日に清水紙工の新商品「CITON(しとん)」がリリースとなりました!

この商品、~土に還るピクニックシート~というキャッチコピーを掲げております。
どういうことか?
市販の一般的なピクニックシートは、だいたいビニールとかポリエチレン製のものが多いんですね。そう、石油由来なんです。
一方の「CITON」はというと、なんと、全て紙でできているんです。

「いやいや、紙でできたピクニックシートなんて、外で敷いたら水にぬれたり汚れたりするし、そもそも弱そうじゃん!」とお思いのそこのあなた。
そんなものを我々は世に送り出しません。

紙でできているのに、強度もあって、水にも強い。その上座り心地抜群で、見た目もオシャレ。持ち運び用のオシャレなバッグも付いてくる。それだけでなく、100%自然素材でできているから、地球にも優しい。
そんなピクニックシート、待ってましたよね?

もう待たなくていいんです。
なぜなら、「CITON」がリリースされたからです。

Photo by Tsutomu Ogino(TOMART:PhotoWorks)

それでは、ここから先は、「CITON」に使われた主な技術全部公開しちゃいます。

こんにゃく引き

まずは、強度を上げるために使った技術「こんにゃく引き」です。
これは、コンニャク芋を粉末状にしたものを水に溶かした液体、通称「こんにゃく糊」を紙に塗ったものです。
この「こんにゃく糊」、かなりの優れものなんです。
まずは、自然素材で環境にいい。
それから、糊なのに、紙に塗っても紙の風合いが変わらない。
最後に、紙の強度がぐんと上がる。
そんな、非の打ち所がない材料、それが「こんにゃく糊」なんです。

実はこの「こんにゃく糊」、第二次世界大戦でも使われたんです。
当時の日本軍が使ったあの飛び道具「風船爆弾」に使われていたんです。
紙でできた風船爆弾は、実際にアメリカ本土に着陸したわけですから、これだけでその強度のすさまじさが分かっていただけるかと思います。

「CITON」は、こんにゃく引きをした紙を4枚重ねています。
なので、めちゃくちゃ強い紙に仕上がっております。

手揉み

続いては、座り心地とオシャレさを引き出した技術、「手揉み」です。
その名の通り、紙を手で揉むという加工技術です。
これは昔からある技術で、手で揉んだ紙のことを「揉み紙」と呼びます。

1枚モノのシート状の紙ではよくありますが、清水紙工では全長1,000mとかのロール紙を連続で揉んでいくという、変態的な加工技術を保有しております。
実際に見てみたいという方は、是非、清水紙工にお越しください。

今回一番苦労したのが、この「手揉み」です。
普通であれば、こんにゃく糊を塗って湿った、柔らかい状態の紙を揉んでいくのですが、工程の都合上、どうしてもそれが出来なかったのです。
なので、こんにゃく糊が乾燥した、ガチガチに強度のある紙を揉まなくてはいけないという、筋トレ大好きな方からしたらヨダレがでる加工が待ち受けていたのです。

この難局を切り抜けるために使ったのが、世界で恐らく清水紙工にしかない加工機、通称「手揉みマシン」です。
これは、口で説明するのが難しいので、興味のある方は、清水紙工のInstagramにあがっている会社紹介のムービーをご覧ください。

https://www.instagram.com/shimizu_shikoh/

そこに「手揉みマシン」がちょっとだけ映ります。
隠すものでもないので、清水紙工にお越しいただいたら、お見せしますよ。
で、この「手揉みマシン」が何をしたかというと、ガチガチに硬い紙をこの機械に通すと、ある程度まで手揉みのシワをつけてくれるんです。
そのある程度までシワのついた紙を仕上げに人間の手で揉んでいく。
すると、ふんわりとした柔らかい表情の揉み紙が出来上がる訳です。
職人が一枚一枚手で仕上げていくので、一つとして同じ表情のシートはありません。
なので、2つ購入されて、「こっちとこっちで表情が違うやないか」というクレームは受け付けておりません(笑)
それから、使っていく毎に表情も変わっていくと思います。そこもお楽しみいただけるピクニックシートです。

最後に

さて、今回は新商品「CITON」に使われた技術をご紹介してきました。
いかがだったでしょうか。
清水紙工の技術をふんだんに使った「CITON」は予約販売が開始されています。
有難いことに、既にご注文を頂いております。

「CITON」を購入されると、本体のシートと、シートを入れるバッグも付いてきます。
贅沢なことに、このバッグもシートと同じ紙を使用しています。

Photo by Tsutomu Ogino(TOMART:PhotoWorks)

オシャレで環境にもやさしい、そして世界に一つだけの表情をもつ、紙から出来たピクニックシート。
1個5,000円です。
アウトドア好きなご友人や、お子さんへのプレゼントにもピッタリです。
ぜひチェックしてみてください。

はい、という訳で、今回は以上となります。
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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「紙の価値を再定義する」をミッションに、現代の紙の価値を問い直す、RETHINK PAPER PROJECT!
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