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『稲盛和夫一日一言』 7/18(火)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 7/18(火)は、「若い人たちへ ②」です。

ポイント:目の前の仕事を好きになれば、どんな苦労も厭(いと)わず、努力を努力とも思わずに打ち込めるようになる。そうすれば、おのずと力もついてきて、成果が生まれるようになる。そうして好循環が始まっていく。

 2009年発刊の『働き方』(稲盛和夫著 三笠書房)の中で、目の前の仕事を好きになることによって生まれる好循環について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 私は、仕事を好きになる、仕事に惚れることによって、長い間、厳しい仕事を続けることができました。

 人間は、好きなことに対してなら、どんな苦労も厭(いと)わないものです。そして、どんな苦労も厭わずに努力を続けることができれば、たいていのことは成功するはずです。そう考えると、自分の仕事を好きになるというその一事で、その後の自分の人生が決まってしまうといっても過言ではありません。

 充実した人生を送るには、「好きな仕事をするか」「仕事を好きになるか」のどちらかしかないわけです。しかし、大半の人は、社会人としての門出を「好きでもない仕事」に就くことからスタートしていないでしょうか。
 もっと問題なのは、そのうちの多くの人が、「好きでもない仕事」に不承不承(ふしょうぶしょう)、従事し続けていることです。与えられた仕事に不平不満を持ち、愚痴や文句ばかりを言っている。それでは、素晴らしい可能性を秘めた人生を、あたらムダにしているようなものです。

 「与えられた仕事」であっても、まるでそれが自分の天職とさえ思えるような、そうした心境にしていくことが大切です。そして、「仕事をやらされている」という意識を払拭(ふっしょく)できないうちは、働く「苦しみ」から逃れることはできないのです。

 好きになれば、どんな苦労も厭わず、努力を努力とも思わず、仕事に打ち込めるようになります。仕事に打ち込めるようになれば、おのずと力がついていく。力がついていけば、必ず成果が生まれる。成果が出れば、周囲から評価される。評価されれば、さらに仕事が好きになる。こうして好循環が始まるのです。

 まずは、自分の強い意志で仕事を好きになる。他に方法はありません。そうすることで、人生は実り豊かなものになっていくのです。(要約)

 新入社員研修などでは、「最初のうちは、まずは小さくてもいいから、成功体験を積み重ねていくことが大事ですよ」といった内容のレクチャーが行われています。

 この「小さな成功体験を積み重ねる」という経験知は、特に難しい課題に直面した際など、自身のモチベーションを大きく下げることなく目の前の高いハードルにチャレンジし乗り越えていくためには大変有効なものです。

 「成功体験」とは、「これまで経験したきたことのなかで成功してきたこと」といった意味です。例えば、「希望の大学に合格した」「必要な資格を取得することができた」等々、何らかの目標を定めて、そのハードルを越えることができたとき、人はそれを「成功体験」として認識するわけです。

 そうした成功体験を積み重ねることによって自分に自信が持てるようになり、一度成功体験を得ることができると、次の成功体験を得ようとさらに努力することができるようになります。
 また、成功体験を得るために踏んできた小さなステップに分けた取り組みや考え方自体が、次の課題に対しても有効に適用できる場合が多く存在します。そうしたアプローチは、「スモールステップの原理」として提唱されています。

 しかしながら、京セラフィロソフィには「成功もまた人生の試練」という言葉もあります。そこでは、成功したとしても、自分を見失わずに日々反省することが大切であると説かれています。

 たとえ「与えられた仕事」であっても、「やらされている」という意識を払拭できない限りは、小さな成功さえもおぼつきません。
 まずは、「好きでもない仕事」をふてくされたまま続けている、その状況を変えることから始めてみませんか!


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