
『稲盛和夫一日一言』3/3 Review
こんにちは!R&P企画 emuです。
2024年8月1日より、連続投稿3年目に入りました。文末に、過去2年分のレビューを掲載しておりますので、本日分と併せてご一読ください。
3月3日、今日の一言は『六つの精進 ③』です。
⑤ 善行、利他行を積む
「積善の家に余慶あり」。善を行い、他を利する、思いやりある言動を
心がける。そのような善行を積んだ人にはよい報いがある。
⑥ 感性的な悩みをしない
いつまでも不平を言ったり、しかたのない心配にとらわれたり、くよく
よと悩んでいてはいけない。そのためにも、後悔をしないくらい、全身全
霊を傾けて取り組むことが大切である。
「六つの精進」の五つ目は、「善行、利他行を積む」です。
中国の古典に「積善の家に余慶あり」という言葉がありますが、これは善行、利他行を積んだ家にはよい報いがあるという意味です。善行を積んだその本人だけでなく、家全体、一族にまでよいことが起きます。そういうことを中国の先賢たちは言ってきたわけです。
私は以前から、世の中には因果応報の法則があるということを申し上げてきました。若いころにいたく感銘を受けた、安岡正篤さんの『運命と立命』という本の中では、この世の中には因果応報の法則があり、善い行いを重ねていけば、その人の人生にはよい報いがあることが述べられています。そのように、利他行、つまり親切な思いやりの心、慈悲の心で人にやさしく接することはたいへん大切なことです。必ず、あなたに素晴らしい幸運をもたらしてくれるからです。
バカ正直に善行を積むこと、つまり、世のため人のために一生懸命に利他行に努めること。それが、人生を、また経営をさらによい方向へと変えていく唯一の方法だと思います。
最後は、「感性的な悩みをしない」です。私自身、若いころにいろいろな悩みを持っていたために、こういう考え方が大切だということを感じました。
人生では心配事や失敗など、心を煩わせるようなことがしょっちゅう起こります。しかし、一度こぼした水が元へと戻ることがないように、起こしてしまった失敗をいつまでも悔やみ、思い悩んでも意味がありません。クヨクヨと思い続けることは、心の病を引き起こし、引いては肉体の病につながり、人生を不幸なものにしてしまいます。すでに起こってしまったことはいたずらに悩まず、改めて新しい思いを胸に抱き、新しい行動へと移っていくことが大切です。
済んだことに対して、深い反省はしても、感情や感性のレベルで心労を重ねてはなりません。理性で物事を考え、新たな思いと新たな行動に、直ちに移るべきです。そうすることが人生を素晴らしいものにしていくと、私は信じています。
起きてしまったことはしようがありません。キッパリとあきらめ、新しい仕事に打ち込んでいくことが肝要です。
本記事を通して「京セラフィロソフィ」「稲盛経営哲学」に接することで、皆さんが少しでも毎日を活き活きと過ごされんことを願っております。