見出し画像

【タイ発】ホームで食べる絶品鶏だしおかゆでほっと一息ーアジアの旅ごはんー

とっとおきの一人旅ごはん。
コロナのせいでしばらく行けていませんでしたが、2022年あたりからようやくタイにも気軽に行けるようになったため、先日帰国前にもバンコクに寄り、懐かしのおかゆ屋さんに行ってきました。

今回はバンコクの駅で営業を続けるこの優しいお味のおかゆ屋さんを紹介します。


◎駅としての価値?
多くの旅行者が集まるバンコクですが、郊外にある「メークローン市場(タラート・メークロン)」に行ったことはありますか?

線路上に多くの店が集まり、列車がやってくるときにはものの見事に片付けてしまう観光市場です(別稿参照)。

そのメークローン市場にバンコクから列車で向かうとき、出発点となるのが「ウォンウィンヤイ駅」になります。

駅舎と呼ばれるにはほど遠い駅の入口。両足で立つ看板がある
駅の周辺は観光市場。その誰もが列車に乗るより今日の食卓

大都市バンコクのイメージとは少し離れたかつての現地の日常が感じられる地域であり、周辺を歩いていると市場だらけで、「ホントにこんなところに駅があるの!?」と思うような場所です。
(チャオプラヤー川を西に渡るとたちまち風景が変わるのが面白い)

メークローンへはこのウォンウィンヤイからマハーチャイまで行き、船に乗り換え、さらに別路線の列車に乗り換えてたどり着かなければいけませんが、そもそも1日に数本しか走っていませんので駅自体の役割度はそう高くもありません。

しかしホーム上にはところ狭しと多くの店があり、列車の本数にはまるで似合わない喧騒が包みます。

ウォンウィンヤイ駅のホームは鉄道利用よりも、現地の人にとっても朝ごはん食堂街としても利用価値が高いのが面白いところなのです。
もちろん入場券など必要ないため自由に出入りが可能です。


◎ホーム上に開く老舗

そうしたことからバンコクの駅の中でも本数が少なく、「メークローンに行くためだけの駅」としての認識しかされないウォンウィンヤイ駅。

私自身もメークローンに行くためだけに利用する駅という感覚であるのは間違いないのですが、そのメークローン市場周辺の店のものが安く、また友人や家族も連れて行きたかったため、何度も訪れる場所になってしまいました。

そして、行くときにはいつも朝8:35発の列車に乗って行くため(そのあとの繋ぎが良い)、決まってこの駅の一角で店を構えるおかゆ屋さんで朝食を取るようになりました。

タイ語は難しい。話すことができても「読む」ハードルはとてつもなく高いと感じさせる。

◎鶏だしとたまご・生姜の協奏
「おはようございます」
お婆さんに挨拶すると席に座れと促される。
「おかゆにたまごは入れる?」
と聞かれるので、好みによって、「はい」か「いいえ」の返事をすればいいと思います。
(たとえタイ語がわからなくても流れは同じなので心配いりません)

店はいつもお婆さんが切り盛りしている(時々おじさんがいることも)

大きな鍋から一人前を小さな鍋に移し、プロパンの強力な日であたためはじめる。
その途中で鶏肉団子とたまごを加え、最後にネギとしょうがをまぶすとできあがり!

見た目も美しいおかゆはたまご入りで40バーツ

あつあつであたたまるおかゆができました。
たまごを混ぜながら一口いただきます。

作る鶏団子が入った鶏だしおかゆは本当に優しいお味が出つつ、その中に生姜の味がアクセントになって絶品…。たまごのまろやかさと生姜の香りがこれほどマッチするのかとため息が出ます。

机に置かれたナンプラー(魚醤)を足して、味変しながらまた一口食べるとスプーンが止まらなくなります。

ナンプラーを入れるとまた風味が良くなる。塩辛いので入れすぎ注意

気づくと…暑い!
真冬の日本なら毎日でも!と思うようなぽかぽか一品ですが、常夏のバンコク、30℃近くの中で食べているとだんだん汗が流れてきます。

テーブルから列車入線が見えるのはマニアにはたまらない?

そうこうしていると乗るつもりの列車が入線してきました。
列車が停止するとどこから現れたかと思う人々が集まってきて、段の高い列車に飛び乗っていきます。

列車の汽笛をおかずにしながら、食べる味はまた格別。さぁ行くか!と会計をしようと思っても、テイクアウト客用のお婆さんは手を休めず大忙し。

文字通り「飛ぶように売れる」


そりゃあ40バーツ(たまご無しなら30バーツ)でこの絶品ならみんな買うわ。

しかし、コロナを越えてもお元気で、変わらず開いていて良かった…そう思えるお店です。

そんなことを考えながら、近くで売っているガパオを列車に持ち込んで、朝食の第2回戦に突入するのでした。

乗り継ぎのマハーチャイまでは約一時間で到着です。心も身体も豊かになる、ほっとするおかゆのお話でした。

ぜひぜひ皆さんもメークローン市場へは鉄道で!

いいなと思ったら応援しよう!