内覧会について

皆様おはようございます。ボチボチ門別競馬が戻ってくるのでそっちに注力していきたいところですね。15日まで瀕死なのでしばらく我慢。
仕事のほうは4月になりほぼ検査がないような状況になりました。まあ建築の検査なんてマンションが完成したら洋ナシなので仕方ないところですね。去年よりは現場があるようなので今のところ出社と現場が半々ぐらいになっています。営業もやれとか言われてますが…ううん。
今回は検査の最後の仕上げ内覧会についてお話ししようと思います。自主検査とかはまた今度に。

■内覧会とは
簡単に言うとマンションを購入されたお客様にお部屋を見てもらう会です。
基本的には鍵の引き渡しの時点で部屋の所有権がお客様に移るため、その前にお部屋の説明を行い、デキを見てもらう必要があります。

内覧の前に自主検査、社内検査、施主検査のような形でいろいろな検査を行っていて、キズ汚れその他不具合をつぶした状態でお客様に見てもらうのが内覧会なのです。

私の会社は背筋の検査から内覧会までやっていますので場合によっては「検査の初期段階から行ったことのある物件」になることもあります。もちろん内覧会だけ行ってみたいなのも多いのですべてではありませんが。
検査で対応したことある物件のほうが勝手がわかっているので少し楽ではあるのですが、たとえば出来があまりよくないのをわかっていて対応しなければならない場合もありなかなか骨が折れます。

内覧会当日通常はお客様をご案内するアテンドがつきます。後は施主(販売会社)のなんとか不動産の担当の人と施工会社(現場の所長など)の人もいます。施工担当会社の一員として対応するのが我々になります(名札も○○建設なんとかみたいなのをつけます)基本的には施工側に雇われてお客様の対応を行うことになります。通常のマンションは施工会社の担当者3人ぐらいで建てることが多いため、内覧会で接客を全部対応するのは無理なので我々のような人材で対応しているのです。

アテンドにも色々いまして部屋の中までやってくれないところもいたりします。その場合は我々がほぼ全部対応する羽目になります。説明する事項は施工会社や物件によって異なるのでまちまちですが、アテンドがいれば大体やってくれるので負荷が全然違います。インターフォンと浄水器については専門の業者がいますので説明に来ます。場合によってはガスや電気の業者が説明に入るところもありますが稀です。

内覧会はスケジュールが決まっていてだいたい9時30分~10時30分~13時~14時~ぐらいの感覚で4ターム行われます。1タームに1~4組ぐらいの対応が多いので1日で15組前後のお客様を対応します。なので普通のマンションだと全部の住居を対応しなければならないため1,2週間ぐらいかけて対応します。この前の晴海フラッグは部屋数が多かったので1か月ぐらいやってましたが…内覧スタッフは5人から10人ぐらいの人数が多いです。1人だいたい2ターム対応しますが前のお客様が長いと次のタームに出られない可能性があるのである程度余裕をもって人員が配置される場合が多いです。人がいない場合はしんどいことになる場合もありますが…その辺は施工会社の腕次第ですね。我々はそれに沿って動くだけなので。
以下あまり興味はないかもしれませんが、一般的なアテンド(施工)の説明項目です。

・MB(メーターボックス)の位置確認
 ガスの回線は立ち合いが必要なので入居前に云々を一緒に伝える 面積の関係で隣の部屋と一緒に入っている場合もある
・人感センサー
 玄関から入って廊下にあるやつ。人が来るとダウンライトがつくみたいな設定が可能
・インターフォン
 基本は業者の説明あり。ピンポン来たら通話ボタンで通話開始、左下の開錠ボタンでオートロック解除 右下のボタンで通話終了 最近のものは防犯機能も備えている セ○ムしてますか?
・床暖房
 タイマーが2つあり、寝るときと起きるときに使うと便利云々。今はコストの関係でガス(給湯)で温める仕様が多い
・24時間換気
 トイレや洗面、お風呂から排気、リビングや各部屋の吸気口から吸気。ついでにフィルター交換の話とかもする 必須項目
・給湯器
 最近はキッチンとお風呂場にスイッチがついてる 省略対象
・エアコンの設置要綱
 部屋によっては室外機がそばに置けないため、先行冷媒管を通して外に繋ぐ。基本は書類を渡して設置業者に見せるように案内 必須項目
・詫び訂
 専有部と共用部の訂正図面のご説明 後で確認しましたの署名が必要な場合が多いので専有部はちゃんと説明する必要がある 必須項目
・カラー、タイプ、オプション確認
 施工担当が行う場合が多い。キッチン、洗面の高さや部屋の色など指定したものにちゃんとなっているか1つ1つ確認する 必須項目
・下地の場所確認
 下地がある場合に。家具の転倒防止や将来の手摺をつける場合に必要な下地補強してある箇所がわかる図面を渡す

部屋の説明の後に内覧(お客様が部屋を確認するフェイズ)になります。ここで指摘がなければそのままお部屋の引き渡しになるのでお部屋は大丈夫でした書類にサインしていただき、共用部確認後帰宅ないしは採寸(部屋のサイズを測ること)に移ります。
部屋がきれいでなおかつ細かいところを気にしない人なら指摘ゼロになる場合も多いのですが、だいたいのお客様は部屋があんまりきれいじゃなくて細かいことを気にする人なのでいくつか指摘が上がります。ご指摘いただいた個所はきれいにするか直すかする必要があるため、当日急ぎで直す(クイックリペアとかスマートリペアとかいう)、ないしは確認会という会で再度来ていただいて直っているか確認してもらうことになります。

通常はキズ汚れについては内覧会以後の対応はしませんという契約が結ばれているため引っ越し後に文句を言うことはできません(引っ越し後についたものか判断がつかないため)なのでその日のうちに挙げていただく必要があるのです。ガスがつかないみたいな根本的にまずい部分は後からでも無償で対応してもらえるのでそのあたりは気にしなくて大丈夫です。

■内覧会の詳細
以上の点を踏まえて内覧会でやることは以下のようになります

お客様
・部屋の中を確認して不具合がないかを見る
・不具合の有無にかかわらず書類にサイン(押印)
・不具合があれば日付を決めて確認会に出る(もう1回物件を見に来る)
・確認会が無理なら一任で完了(施工会社/販売会社の責任で直す)
・時間があれば採寸する(冷蔵庫や洗濯機など家具設置のため)
・鍵や宅配ボックスの使い方を確認
・エレベーター、ゴミ捨て場や駐車場、駐輪場への動線を確認
・その他気になることがあれば確認

施工担当者
・お部屋のご案内
・書類手続きの処理
・お客様に満足して帰っていただく
・リペアの指示、ご質問内容を担当者に振る

■インスぺについて
インスぺとはお客様の代わりにお部屋を確認する業者のことを差します。さ○ら事務所みたいなところですね。内覧会にお客様と一緒にくる業者を差します。内覧会やってるとたまにいます。
2時間ぐらいの作業で我々の日給の何倍も持っていくので正直ボッタな気はしていますがまあよくわからんから業者に任せるわみたいな気持ちもわからんではないので仕方ないですかね。俺に言ってくれれば半額以下の5万くらいでやりますけどね…
施工側としては点検口(配管を見るための穴)をあけたりしなければならなかったり指摘を上げていくので時間もかかるためあまり来てほしくないものです。向こうもお仕事なのでお客様が出た後は世間話とかして過ごしてますが。

■内覧会の大変なところ
色々書いてきたので大体やってる内容はわかってもらえたと思うのですが、基本的に接客業になるので普段の自分で淡々とやればいい検査とは正反対の業務になります。検査員の中には内覧会だけやらない(やる)人も多いのです。どっちがきついかは人によるとは思いますが。
お客様は担当している名札にも書いてあるし施工側の人間が建設会社の人だと思っているのですが、実はそうではない我々ですのでしれっとやらなければならないのでなんか微妙な感じはしますよね。慣例なので仕方ないのですが。まあこっそり聞かれたときには正直にお答えするようにはしています。実はソフトウェアの開発会社経由なんですよって。
後は指摘が多いお客様の場合ですね。お昼を過ぎるとだいたいお昼いかがなさいますか?みたいに確認するのですが、大丈夫ですと言われると終了です。いや我々は大丈夫じゃないんですが…ここでおひるを食べる権利が消失します。内覧会細かく見ていただくのはいいと思いますが、お昼はぜひ食べてください。我々もお昼食べたいのです。
通常はマンションを買える程度のお客様=ある程度お金持ち=常識的な方の図式があっているため、変な人は少ないのですが中には成金みたいな変な人もいるため注意が必要になります。出来が悪いと不機嫌になる方も多いので…まあそれは施工会社が悪いのですみませんとしか言えませんが。意外と適当に作ってあるんですよ。大きな声では言えないんですが。
我々は施工会社の名のもとにその場にいますが部屋の質問されても答えられないので後ほど詳しいものからご説明しますとお答えします。わからないと言ってしまうとそんな人をつけられたのかとお客様に思われてしまいますので。そんな人ですみません。今日初めて来たんですよ()
現場によって「確認会を抑えたい」ところと「お客様に細かく出してもらってクレームを抑えたい」ところに分かれます。まあ直すのにもお金がかかるのでわかるのですが…わかってる指摘内容を黙ってるのは良心が痛みます。どっちになるかは当日にならないとわからないので現場の方針に従います。普段の検査はお客様目線なのにここだけは違うんですよね…いつも変だなって思います。直せる場合は裏でこっそり直してもらいますけどね。

■内覧会の注意点(お客様)
せっかくなので内覧会をこれから行う可能性がある方に向けて注意点をいくつかお伝えしておこうかと思います

・基本的に「新品」であるが「未使用」ではない
当たり前ですがお部屋には検査員を含め色々な人が出入りしています。ですので素材は新品のものを使っていますが未使用な物は少ないです。トイレは絶対に使うなと厳命されていますが職人の中には使っている人もいて問題になったことが過去にありました。お風呂は大丈夫でしょうが…
電気の類はドライヤーなどの機材を補修屋が使ったりしていますし、ガスや水道などもテストで流しているため未使用ということはありません。戸棚等も物を置いたりするのに使われることが多いため、人の手が入らないところはほぼありません。なのでキズ汚れがあるのは仕方ないのです。どうしても気になるところだけ指摘として挙げるようにしましょう。

・質問は偉そうな人にする
先ほどお伝えしましたがお客様につくのは下っ端の我々であることが多いため、ご質問をいただいても答えられないことが多いです。書類の手続きでエントランスに戻るタイミングがありますので、そこで詳しい人に確認をするようにしてください。無駄が省けると思います。

・内覧会の動画に踊らされない
最近はインターネットでここを見ろとかこういうものを使って調べる等の動画が増えていて、それを真に受けた方が水平器などを購入して自分で調べるみたいなことが増えています。
水平器なんかは基本的に一般の人は使わないのでその後ゴミになることが多いです。そんなもの買うぐらいならハーゲンダッツのアイスクリームでも食べてゆっくりしてください。時間とお金がもったいないです。
原則として建築基準法などの法律に沿って施工しているのでよほどのことがない限りお部屋に問題はありません。どうしてもやりたいのなら止めませんが時間の無駄遣いだと思います。建設会社を少しは信用しましょう。少しでいいので。

■内覧会の注意点(スタッフ側)
ついでなのでスタッフ側のことも書いてしまいましょうか。

・余計なことは言わない
お客様と1対1ないしは2対2みたいな形になる場合が多いので、場をつなぐためにお話をするタイミングが必ずあります。後から家族が合流するみたいなパターンも多いので時間をつぶす必要がある場合も。アテンドの人は慣れてる方が多いのでべらべらと(余計なことも含め)お話しされる方も多いです。我々は基本的にニコニコしながら聞かれたことにだけ答えればいいので余計なことは言わないほうが吉。引っ越し前の非現実空間みたいなところもあるので仕事の話とかはしなくていいです。黙って今の状況を楽しんでいただきましょう。

・わからないことは「詳しいものが後ほどお答えします」で統一する
先ほども少し書きましたがお客様の中にはお部屋のことをご質問される方も当然いらっしゃいます。わかることは答えてしまってよいと思いますがだいたい答えられないことが多いので後ほど詳しいものに確認しますとお答えしましょう。
わからないと答えてしまうとわからない人に案内されているんだとお客様の気分を害することにもなりかねますので、知ってるけどより詳しい人からの回答のほうがより安心感が高まるというようなお客様ファーストの考え方で対応するのが良いと思います。実際わからんけどね。

・現場の監督の指示に従う
自分で判断しなければならない部分は必ずありますが、自分で勝手に決めてしまうとろくなことにならないので、何か問題が起きたら責任者の方に確認を取ってから対応するようにしましょう。最近は中国の方とか我々の常識に当てはまらないお客様も多いので何が起こるかわかりません。確認が必要なものは必ず確認をするようにすれば大丈夫です。

■最後に
長々と書いてしまいましたが内覧会についてのお話は以上となります。
お客様は何千万~何億のお金を出して物件を買われるわけですからね。部屋の出来が悪かったらそれはお客様も怒りますわ。施工会社には丁寧に作るように心がけてほしいところです。工期がアレだったり職人がうーんだったりする場合もあるから大変なのはわかりますけどね…

ぶっちゃけマンションよりは戸建てのほうがいいと思いますよ。下に降りるの面倒だし。






















いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集