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名前の由来(本名編)

小学4年生くらいに、学校行事で「半成人式」なるものがあった。

成人が20歳、小学4年生は10歳で、ちょうど成人の半分の年齢になるので、「半成人式」をして、大人になるという経過の半分に達したという自覚を持つとともに、親への感謝の気持ちを持とう、という趣旨だったと記憶している。

その中で、「自分の名前の由来を親に聞こう」という課題の作文が宿題として出された。

宿題が出される前に聞いたことはあったと思うが、記憶に定かではない。

私には兄が2人おり、長兄は祖父と父から一文字ずつもらったという(私からしたらうらやましい)名前であるのに対し、次兄と私は脈絡なく、他に意味が込められている名前に違いない、と期待に胸を膨らませて、母に尋ねてみた。

が。

母曰く、「あなたの名前を付けたのはお父さんだから、お父さんに聞いてみて」

なんてことだ。娘の命名に妻の意思は反映していなかったのか。

確かに父は亭主関白なので、それはそれであり得なくはないな、と思いながら、今度は父に尋ねてみた。

「おー、お前の名前か。あみだくじで決めたぞー。」

当時小学4年生の私はどうリアクションしていいかわからず、

「へー。」

とだけ返事した記憶がある。

父曰く、

「上の子2人が男の子だったので、私が生まれるときも男の子だと思って男の子の名前を準備していた。

だけどいざ生まれたら女の子だったので、近所に住んでる長男と同じ年くらいの女の子の名前をとりあえずひらがなで並べて、あみだくじで決めた。

漢字は画数を考えて充てた。」

とのこと。

私の名前はいわゆるキラキラネームではないが、漢字変換は一度ではできず、一文字ずつ入力しなければならない。その理由があみだくじからの画数で決まったということか。

なかなかな理由。

その話を聞いて「そうなんだー」としか感情が湧かなかったのもあるけど、やっぱり祖父と父から名前の漢字を一文字ずつもらった長兄の名前がうらやましいとは思ってしまったことに、罪悪感を覚えた。

それを作文に書いて、担任の先生に微妙な顔をされたことも覚えている。

ちなみに。

父は私の名前を「画数を考えて漢字を決めた」と言っていたが、残念ながら「一番いい」とされてた画数より、1画足りなかったようで、印鑑屋さんに

「惜しい名前だねー」

と笑われた。

付け加えると、父は真顔で冗談を言うタイプで、冗談と本気の区別がつきにくいタイプの人間だった。

この話が本気だったのか冗談だったのかは定かではない。

#名前の由来 #エッセイ #あみだくじ #本名 #父との思い出

#先生を困らせた話

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