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積読していた「増補版 街場の中国論」を読みながら、脱線中(読書記録_19)
古本で買った、古い本。
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内容はというと、2007年出版の「街場の中国論」に、その後の中国についてのエッセイを増補し、2011年に作られたもの。
著者自身が、序文の中で2007年の部分について、
・扱われているトピックにはずいぶん古いものが含まれている
・書いた本人も、「これ、何の話だっけ・・」ととまどう
と書きつつも、
・「賞味期限切れ」でゴミ箱に捨てなければならないようなものはなかったようです(やれやれ)
と書いています。
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今、まだ前半を読んでいる途中なのですが、反日デモ、北京オリンピックや、グーグルの中国撤退など、確かに懐かしいトピックスだなと思うものが取り上げられているものの、それらをさて私たちはどう捉えましょうか、という視点は2025年の今読んでも、決して古くないし、現在の話題とも地続きなものだな、と感じています。
例えば、グーグルの中国撤退のトピックスでは、こんなことが書かれています。
「グーグルが存在しない世界」に中国が取り残された場合、それがこれからあとの中国における「知的イノベーション」にどれほどのダメージを与えることになるのか、いまの段階で予測することはむずかしい。だが、この「事件」によって中国経済の「クラッシュ」は私が予想しているより前倒しになる可能性が高くなったと私は思っている。
中国の経済成長は停滞する。
それは不可避である。
これまで右肩上がりの経済成長を永遠に続けた国は存在しない以上、中国の成長もいずれ止まる。その成長をブロックする主因は、「知的イノベーション」の重要性を見誤ったことにある。
中国の危機は「著作権」についての施策において予兆的に示されている。
ちょっと引用が長くなってしまうのでここまでにしますが、このあと、中国で「オリジナリティーに対する敬意は不要」という考え方が国民に根づいてしまい、大きな国家的損失に繋がるだろう、という著者の考えが述べられています。
「オリジナルなアイディア」を生みだし、育てようという「意欲」が枯死してしまう、そのような意欲を持つ人々が生まれても、そのような人たちは必然、「中国にいてもしかたない」と考え、オリジナリティに対する十分な敬意と報酬が約束される社会に出ていってしまう、だろうと。
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この部分を読んで思い出したのが、最近日本のメディアでもよく取り上げられている中国のAIスタートアップ、DeepSeek(ディープシーク)社のことでした。
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最近よく目にするので、上記画像の梁文峰CEOのインタビューを読んでみたりしたのですが、梁CEOは、中国企業はこの30年、模倣をすることに慣れ切っており、本当の意味での創造・イノベーションを主導したことがない、と発言しています。
梁CEOは1985年生まれで、社会に出たのが2010年前後とすると、まさに内田樹さんが指摘した「イノベーションが生まれない中国社会」に浸る中で、今の問題意識を持つようになり創業し、サービスを生み出しているのかもしれない、と思いました。
DeepSeekは、イノベーションが生まれない今の状況を打破することを目論んでいるようです。
開発陣が海外留学や就業経験のないドメスティック人材というのも同社の特徴だそうです。
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ただ、DeepSeekがリリースしているサービス自体は、これまでの同様のサービスと何が違うのか、というのはよくわからない。
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フォーマットも目新しいものではないので、今のところオリジナリティは感じないのですが、ちょっと気になる存在です。
たしかに、中国企業って模倣はうまいけど、あまりオリジナリティを感じることは、そういえば少ないかもしれない。
こういう会社が出てきて、いろんなメディアに取り上げられること自体、中国の社会に変化が生まれる潮目なのかも?
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・・と、積読していた本を読みながら、脱線しています、という読書途中メモでした。
続き、読みます。