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【理学療法の考え方②】先天性疾患と後天性疾患の考え方の違い
ご覧いただきありがとうございます。
今回も考え方としてまとめます。
先天性か、後天性かによって、疾患の捉え方は大きく異なります。
身体だけでなく、障害に対する考え方や受け入れ方も違います。
治療を行う上で、やることの比重が変化します。
先天性疾患
生まれた時から疾患を持っている
疾患の特徴
・疾患ありきでの身体の発達・成長過程を辿る
・骨形成が成される前から疾患を有するため、特に骨形態が疾患の影響の元に変化する
メンタル的な需要・障害の捉え方
・疾患があることが普通の生活
・周囲もそれありきの人生
・障害に対して劣等感は少ない
後天性疾患
成長過程を終えてから疾患を有する
ある日を境に障害を持つ
疾患の特徴
・発症した時点での身体状況に疾患の特性が加わる
メンタル的な需要・障害の捉え方
・健常が普通であったとこから病前の生活に固執しやすく障害を乗り越えにくい
・周囲の受け入れも障害について知らないことが多いことから混乱を伴う
・障害があることを恥じる傾向が強い
臨床的な知見と応用
先天性疾患である小児疾患を担当すると、重力環境下における筋緊張によって身体が形成され、骨形態に偏りが生じていくことを強く感じます。
これらをコントロールしていけるよう、アライメントや荷重環境を調整していくことが極早期から求められます。
また、手術や投薬によるコントロールも非常に重要なファクターとなります。
適切な治療を早いタイミングから行なっていくことが、対象者の身体の将来に関わります。
また、発達に関しては、身体的な成長は言語や知的な面にも大きく影響します。
子育てをしていても感じますが、立ったり歩けたりといった成長と言語の関係は強いように思います。
例えば、寝返りやずり這いといった移動すら出来ない対象者がそれらを獲得していくことは、自分の意思で目的に応じた行動を起こせることを意味します。
これは非常に大きな変化です。
理学療法士が出来ることです。
反対に、後天性疾患の場合を考えます。
例えば同じ部位の同程度の脳梗塞であっても筋緊張の程度は異なります。
この点には色々な要素がありますが、元々病前から有している身体的特徴が少なからず関与してきます。
筋の柔軟性が元々低かった方は、筋骨格的な要素として筋紡錘も感度のベースが高いため、二次的に痙性が生じやすい身体と言えます。
また、関節が元々硬かった方は、関節を動かすために大きな力を要するため、弱化した筋出力では動かしにくい身体です。
このように考えていくと、後天性疾患と言えども、元々持っている身体的素因を変化させていくことも治療戦略として必要なこととなります。
これも理学療法士が出来ることです。
神経学的要素を変化させるより簡単で、神経学的要素を変化させる可能性を有します。
以上となります。
経験則的かつ私見が強い内容ですが、何かの参考になれば幸いです。