見出し画像

クリニカルリーズニングの重要性 理学療法士

ご覧いただきありがとうございます。

今回はクリニカルリーズニングについて書こうと思います。

今後シリーズでまとめてみます。


なぜクリニカルリーズニングが重要か


理学療法士として僕が最も比重を高くして臨床に取り組んできたのがクリニカルリーズニングです。

理由としては、どんなに良い治療手技を学んでも、どんなに知識を持っていても、使い方が分からなければ意味がないと思うからです。

万人に効果のある治療はありません。

そのため、病態や症状の原因となる部分をできる限り明確化し、最適な治療を選択する必要があります。

考え方としては、ゲームに似ていると思います。
良い武器を手に入れたり、強い呪文を覚えたりしても、相手に合った攻撃をしないと思ったような効果は得られません。

どうやったらクリアできるか考えますよね?


医師のクリニカルリーズニング

以前のnoteでも触れましたが、理学療法士のクリニカルリーズニングは医師のそれとは異なります。

医師は病態を診断するためのクリニカルリーズニングに対し、理学療法士は症状と病態の関係を考えた上で、症状を引き起こす問題を捉えていく必要があります。

また、大きな違いとして、医師の場合は治療にきちんとした型があります。

例えば、変形性膝関節症の患者に対しては、運動指導、生活指導、薬、注射、手術などです。
この中で医師が独占して行えるものは、薬、注射、手術です。

内科であれば、インフルエンザの季節に風邪症状がある患者が来院すれば、問診をして、インフルエンザの検査をして、陽性か陰性かでそれぞれに応じた薬を処方します。
いくつか種類はあれど、薬の種類は限られます。


全て、認可が降りたものを使用、実施することになります。

なので、やることが明確になります。

今の時代、何か病気になった際は、ネットで症状を調べれば、素人でも多くの疾患は正解に近づくことが出来るのではないでしょうか?

そのくらい医師のクリニカルリーズニングには型があります。


理学療法士のクリニカルリーズニングの現実


先程の医師のクリニカルリーズニングを読んでいただくと、行われることは至って普通の流れだと思います。

では、理学療法士の場合はどうでしょうか?

極論ですが、クローンを作成して同じ病態を誘発したとします。
理学療法士2名がそれぞれ介入して、同じ考察過程をたどるでしょうか?
そして、治療手技は異なれど、同じアウトカムを目指して治療が為されるでしょうか?

おそらく、異なる方向性になるのが現実だと思います。

先程の例えに戻ると、医師であれば、インフルエンザ疑いの患者に異なる検査をして、異なる薬を処方することになります。

誤診です。

理学療法士の場合は誤診が臨床で頻繁に起こっています。

非常に怖いことです。


理学療法士のクリニカルリーズニングの問題点


まず、理学療法士の問題です。

①誤診という観点がない
②結果と責任に対する意識が薄い
③やれることが無数に存在
④治療が可逆的
⑤体系化されていない

①,②は非常に重要な視点だと考えています。
そもそも理学療法士がもっと身体のことについてスペシャリティを持って機能的な診断をするようなポジションになるべきだと思います。

③〜⑤は良くも悪くもトライ&エラーができるということで、自由な中でもやることの精度を上げていくことで体系化は完全でなくとも可能だと考えています。

次に、対象の問題です。

①同じ疾患であっても症状の出方にバリエーションが多い
②身体機能に起因しない問題が複雑に絡み合う
③考察する上で考えることが多すぎる

理学療法士のクリニカルリーズニングが難しいということの中に、そもそも分かりづらい対象を相手にしているということがあります。
その分、面白いとも言えます。


理学療法士のクリニカルリーズニングの可能性


理学療法士が医師のように症状や身体機能、更には病態の予後に関して機能的な診断が出来たら理想型だと思っています。

そのためには、クリニカルリーズニングをしっかりと行い、考えないでも出来る部分を増やしていく必要があると思っています。

なぜなら、全員が同じように考えるのは難しいからです。

ここには、以前あげたような理学療法士の質の問題があります。


医師にももちろん質の差がありますが、医師の場合は考えなくても出来るテンプレートがしっかりしているので、ヤブ医者が少なく済むのだと思います。

ヤブ理学療法士はえげつない数存在すると思います、、、

理学療法士が当たり外れにならないように。

クリニカルリーズニングのスキルは非常に重要だと思います。

いいなと思ったら応援しよう!