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クリニカルリーズニングの原則① アウトカムの最良化


ご覧いただきありがとうございます。


前回に続き、クリニカルリーズニングをシリーズで書いてみようと思います。
一つずつの過程を丁寧に進めようと思っています。


臨床を行う上で当たり前のことも多いと思いますが、ご了承下さい。


クリニカルリーズニングの重要性については、以下の記事をご参照ください。



クリニカルリーズニングで陥りがちなこと


クリニカルリーズニングがなぜ必要か。

それは、理学療法士として患者さんを良くするためです。


そのために、病態や症状に対して、理論的に分解し、治療に結び付けていくことが必須となります。


しかし、理学療法士も人間ですので、成功体験から自分の考えにバイアスを持ってしまったり、逆に、上手くいかないことでいつの間にかこんなもんかと患者さんの限界を決めつけていくことが多いです。

確かに成功体験や理学療法士としての限界も考えることは重要ですが、僕はその背景が重要だと考えています。


なぜ実施した治療が効果的だったのか、その理論的背景を明確化出来るように事前のクリニカルリーズニングを行うことが必要です。

それが、同じような疾患や運動パターンを持つ方に対しても必要と考察した上で、考えた通りに効果的であれば、理屈のある成功体験はパターン認識として自分の引き出しになります

しかし、これが主観のみにより形成されることが非常に問題です。

上手く行った時ほど、批判的に考えていくことが必要です。


また、クリニカルリーズニングの過程では、患者さんの可能性に幅と選択肢をもった治療の方向性と優先順位を設定し、その上で治療としてトライしていくことになります。

理論上、考えられる可能性をやり尽くした上で、患者さんの限界となります。

そして、限界と考えた上でも、自分の問題による限界という可能性は忘れてはいけません。


理学療法士の主観として、自分を守るために患者さんのアウトカムと向き合わないことだけは避けなければいけないと思います。



診断のための診断にならない


まず第一に考えることは、患者さんのアウトカム、つまり理学療法介入による結果を最良にすることです。


その上で、

"診断のための診断にならない"

これが非常に重要です。


理学療法の臨床場面では、これは何故こう動いている?何故こんな姿勢をとる?、など様々な疑問が湧いてくると思います。

これら一つ一つについて考えていくことは非常に重要ですが、患者さんのアウトカムからあまりにもかけ離れたところを進んでいくと、ただの迷子です。

あくまでゴールに辿り着く、つまり"アウトカムを最良にすること"のためにクリニカルリーズニングを行い、最良ではない可能性の考察過程に様々な選択肢を求めることが必要となります。


その場で必須ではない可能性の高い色々な疑問は、自己研鑽として考えていけば良いと思います。



以前のnoteでも触れましたが、やはり理学療法士は結果と責任を常に意識して取り組む仕事だと思っています。


その上で、クリニカルリーズニングによって明確な背景を持ち、患者さんのアウトカムに向き合うことは最も大切なことだと思います。


※クリニカルリーズニングのnoteに関しても、主観とならないよう、問題や不足があれば御指摘頂けますと嬉しいです。

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